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{{文学}}
『'''首都消失'''』(しゅとしょうしつ)は、SF作家[[小松左京]]によって書かれた[[小説]]、並びにそれを原作とする[[映画]]である。小説は[[ブロック紙3社連合]]に該当する[[北海道新聞]]、[[中日新聞]]([[東京新聞]])、[[西日本新聞]]にて連載(1983年12月〜1984年12月<ref>[http://www.iocorp.co.jp/chronicle/sktable.htm 株式会社イオ・小松左京事務所 「年譜」] より</ref>)された。
 
{{ネタバレ}}
 
== 小説のあらすじ ==
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その後、最終的に「雲」は国際的な研究[[コンソーシアム]]により調査が進められ、[[地球外生命体]]によって送り込まれた一種の観測機器である可能性が高いという結論に達し、継続的なモニターを行うこととなったのだが、ある日突然「雲」は消失する。
 
== 物体O』との関連 ==
この作品と、1964年に発表された短編物体O{{small|(オー)}}に相似点があると徳間文庫版解説などにて指摘されている。物体Oでは、高さ200km、直径1000kmに及ぶリング状の謎の物体が突然大阪付近を中心に落下し、外部との連絡が一切途絶する。
 
『首都消失』は外側、物体Oではその内側の物語という点は対照的であり、また、通信・観測手段等も執筆ないし舞台として想定されている時代の科学技術に沿って異なっている。通信途絶状態のシミュレーションとして、突如アメリカと全く連絡が出来なくなった世界を描いた[[アメリカの壁]]という短編との関係も指摘されている。
 
== 賞歴 ==
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[[1987年]]、製作は[[関西テレビ放送|関西テレビ]]、[[徳間書店]]、[[大映|大映映画]]。[[東宝]]配給のSF[[特撮]]映画。
 
; 原作との相違点
:[[シミュレーション]]ノベル的性格の強い原作に対し、映画は家族の絆を強調した[[ハリウッド]]風の作品となっている。前半のストーリーはほぼ原作をなぞっているが、後半は原作とは異なり「雲」に閉じ込められた人々の救出を試みる設定となっており、それに尽力する人々の姿を描いている。
 
:映画のオリジナルで「SCMトラック」なる異常物体対策車両(日本において、[[ジェイアール式マグレブ]]などで研究実用が進んでいる[[超伝導電磁石]]の磁力を利用・応用し、雲を不安定にして破壊するという目的の特殊車両)が登場した。
:また、原作では暫定統治機構が成立しているが、映画では発足までは至っていない。アメリカによる[[国際連合|国連]][[信託統治]]案が[[安全保障理事会]]に提出されたことを察知して、中田議員により臨時代行政府発足を宣言した後に「雲」が晴れたため、実際に機能していない。
 
; 「雲」の描写
また、原作では暫定統治機構が成立しているが、映画では発足までは至っていない。アメリカによる[[国際連合|国連]][[信託統治]]案が[[安全保障理事会]]に提出されたことを察知して、中田議員により臨時代行政府発足を宣言した後に「雲」が晴れたため、実際に機能していない。
: 雲の描写には、のべ約100トンの[[ドライアイス]]など様々な素材が使用された<ref name = "日本特撮・幻想映画">{{Cite book|和書|author = 石井博士ほか |year = 1997 |title = 日本特撮・幻想映画全集 |publisher = 勁文社 |page = 302 |isbn = 4766927060}}</ref>。
: 建築用素材の[[フライアッシュ]]を使用した撮影では、スタッフ全員が防塵マスクを着用して行われた<ref name = "日本特撮・幻想映画" />。
: 「雲」に人がのまれるシーンでは、わずか20秒であるが[[高精細度|ハイビジョン]]が導入された<ref name = "日本特撮・幻想映画" />。
 
=== スタッフ ===