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[[File:Papal Tiara with silver gems pearls.jpg|thumb|[[サン・ピエトロ大聖堂]]に保存されている教皇冠]]
'''教皇冠'''(きょうこうかん、[[ラテン語]]:''Tiara''、[[イタリア語]]:''Tiara papale'')は、[[ローマ教皇]]の地位を象徴する[[冠]]。時代を通じて数多くの教皇冠が用意され、過去の冠の一部は現存している
 
冠を三段に重ねた形状から、'''三重冠'''([[ラテン語]]:''Triregnum''、[[イタリア語]]:''Triregno'')ともいう。
 
==概要==
教皇冠は、教皇の地位を象徴する冠であり、[[金]]と[[宝石]]できらびやかに飾られた三重の冠の形状をしている。冠自体の材質はバーメイル([[金]]で[[めっき]]された[[銀]])。価値の算定は高価過ぎて不能。この三重の冠の意味は、「[[司祭]]、[[司牧]]、[[教導]]の三権」を、また「[[天国]]・[[煉獄]]・(地上の神の国)[[教会]]」を象徴すると解されている。
 
[[クレメンス5世 (ローマ教皇)|クレメンス5世]](在位:[[1305年]] - [[1314年]])のときに初めて戴冠され、[[パウロ6世 (ローマ教皇)|パウロ6世]](在位:[[1963年]] - [[1978年]])のときまで戴冠が行われた。
 
[[1962年]]から[[1965年]]にかけて行われた[[第2バチカン公会議]]の後、パウロ6世は主要な儀式においても教皇冠を使用せず、貧しい人々のために売却しようと考えた。これを知ったの結果、パウロ6世の教皇冠は1968年に[[アメリカ合衆国]]・[[ワシントンD.C.]]の[[無原罪の御宿りの聖母教会]]([[:en:Basilica of the National Shrine of the Immaculate Conception|en:Basilica of the National Shrine of the Immaculate Conception]])は市中流失を防ぐため寄付を集め[[1968年]]に冠を買い取展示公開されることとなり、もたらさを最後る利益は貧しい人々教皇冠用いられるも制度は廃止された。
その後1975年の[[使徒憲章]]『[[:en:Romano Pontifici Eligendo|ロマーノ・ポンティフィチ・エリジェンド]]』によって、教皇選出方法に関する改革が行われたが、教皇冠は制度としては存続した。
 
次の[[ヨハネ・パウロ1世 (ローマ教皇)|ヨハネ・パウロ1世]](在位:1978年)、[[ヨハネ・パウロ2世 (ローマ教皇)|ヨハネ・パウロ2世]](在位:1978年 - 2005年)、[[ベネディクト16世 (ローマ教皇)|ベネディクト16世]](在位:2005年 - 2013年)、[[フランシスコ (ローマ教皇)|フランシスコ]](在位:2013年 - )も教皇冠の戴冠を行わず、教皇冠の敬遠は半ば慣例となっている。