「駿河湾地震 (2009年)」の版間の差分

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== 概要 ==
[[File:Shizuoka Earthquake Shakemap 20090811.jpg|thumb|right|250px|[[アメリカ地質調査所|USGS]]による震源の位置]]
静岡県御前崎の北東35km沖の[[駿河湾]]の深さ23kmの地点を[[震源]]とし<ref name="jma20090811"/>。[[マグニチュード]](M)は6.5、モーメントマグニチュード(Mw)は6.3。圧縮軸は北北東-南南西(NNE - SSW)方向の横ずれ成分を持つ逆断層型で、フィリピン海プレート内部で発生した地震である。波形解析の結果、2つの断層が活動したと考えられ、断層1の滑り量は1m、断層2の滑り量は1.4m<ref> [http://cais.gsi.go.jp/YOCHIREN/report/index83.html 震予知連絡会 地震予知連会報 第83巻]、 6-3 2009年8月11日駿河湾の地震 (M6.5) について (気象庁)</ref>。静岡県[[伊豆市]]、[[焼津市]]、[[牧之原市]]、[[御前崎市]]では[[震度]]6弱を記録した<ref name="jma20090811"/>。[[焼津港]]、[[御前崎港]]では[[津波]]を観測した<ref name="jma20090811"/>。[[国土地理院]]の観測結果によると、この地震によって、焼津市は西へ2センチメートル、[[藤枝市]]は西北西へ1センチメートル移動した<ref>「焼津2センチ動く」『[[讀賣新聞]]』47940号、14版、[[読売新聞東京本社]]、[[2009年]][[8月12日]]、1面。</ref>。
 
=== 東海地震との関連 ===
この地震により、[[東海地震]]に関する初期段階の情報における名称や位置付けなどが変更されて以降初となる[[東海地震に関連する情報|東海地震観測情報]]が出された<ref>『 新基準で初の「観測情報」…静岡沖地震 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)]』[[読売新聞]]、[[2009年]][[8月11日]]。</ref>。また、[[1979年]]に気象庁に「地震防災対策強化地域判定会」が設置されて以降、史上初となる臨時の委員打合せ会が招集された<ref>石間俊充・堀江優美子「判定会初の緊急会合――集合迅速でも結論に3時間超」『[[讀賣新聞]]』47940号、14版、[[読売新聞東京本社]]、[[2009年]][[8月12日]]、3面。</ref>。委員打合せ会のメンバーらにより観測値が検討された結果、「想定される東海地震に結びつくものではない」<ref>気象庁『[http://www.jma.go.jp/jma/press/0908/11d/toukai200908111120.pdf 東海地震に関連する情報第3号]』[[2009年]][[8月11日]]。</ref>と発表された。
 
今回の地震は東海地震の予想震源域の中で発生したため、当初より東海地震との関連性が取り沙汰された。しかし、東海地震が[[ユーラシアプレート]]と[[フィリピン海プレート]]との境界([[駿河トラフ]])で発生する[[地震#プレート間地震|プレート間地震]]である一方、今回の地震の震源はフィリピン海プレートの内部であり、駿河湾に沈み込む同プレートで起きた[[深発地震|スラブ内地震]]と推定されたこと、さらに地震の規模が大きく違う(東海地震は推定でM8.0前後)ことなどから、異なるものだと判断された。
 
また、気象庁などの発表ではこの地震と東海地震の関連性について直接的には関係ないとしたが、位置的に近いことから、応力変化などの何らかの間接的な影響が及ぶ可能性は大いにありうる。現に、[[8月12日]]21時54分に静岡県藤枝市の深さ20キロメートル地点でM2.5の地震が発生するなど<ref name="jiji20090821">「東海地震起こす境界面に影響か=『駿河湾』翌日にM2.5-予知連」『時事ドットコム:東海地震起こす境界面に影響か=「駿河湾」翌日にM2.5-予知連』[[時事通信社]]、[[2009年]][[8月21日]]。</ref>、駿河湾地震発生以降、プレート境界面でも地震が立て続けに発生した経緯もある<ref name="ishidzuka20090822">石塚孝志『地震:静岡で震度6弱 プレート境界で余震、「東海地震」への影響検討--予知連 - 毎日jp(毎日新聞)』[[毎日新聞社]]、[[2009年]][[8月22日]]。</ref>。気象庁はこの観測結果を国土地理院の[[地震予知連絡会]]に通報し<ref name="jiji20090821"/>、地震防災対策強化地域判定会でも引き続き議論されることになった<ref name="ishidzuka20090822"/>。ただ、応力変化などによる影響は、あくまで従来の発生確率の変化という形で発表されるにとどまると考えられる。東海地震の前兆は従来通り、[[東海地震に関連する情報|東海地震関連情報]]を通じて発表される。
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=== 緊急地震速報 ===
[[緊急地震速報]]が発令されてから実際に揺れるまで、震度6弱の御前崎市では1-2秒程度、震度5強の[[菊川市]]では5秒程度の猶予があった<ref name="j-cast20090811">「緊急地震速報今度は活躍?――東京では30秒の『余裕』」『[http://www.j-cast.com/2009/08/11047268.html J-CASTニュース : 緊急地震速報今度は活躍? 東京では30秒の「余裕」]』[[ジェイ・キャスト]]、[[2009年]][[8月11日]]。</ref>。震度4の東京都にいたっては30秒程度の猶予があり、テレビ局の多くも朝のニュース番組を放送していたため、速報発表後に注意を呼び掛けるかたちとなった<ref name="j-cast20090811"/>。ただ、比較的冷静に対応した「[[NHKニュースおはよう日本]]」に対し、同時間に放送されていた民放のニュース番組では対応がまずかったところもあった。技術的側面もあるが、司会者陣の[[緊急地震速報]]に対する訓練の頻度差も大きいと思われる。
 
=== 台風 ===