「オネエ言葉」の版間の差分

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[[銀座]]にあったゲイ喫茶「ヴランスウィック」で使われたのが始まりだという説がある<ref>2012年7月12日放送TBS系スパモク「あたしら!カーマ協同組合」</ref>。同店に客として通っていた[[吉野 (ゲイバー)|吉野寿雄]]によれば、「ねぇ、お前さん」など[[歌舞伎]]の[[女形]]の言葉から取り入れられたという。
 
ただし、全てのゲイ男性が使うわけではなく、むしろオネエ([[オネエ言葉#オネエ|後述]])と混同される事を嫌がるゲイも多く、ゲイ全体の中ではオネエ語を使うゲイ(≒オネエ)は少数派である。また、オネエ言葉に近い女性的な言葉は[[異性愛]]男性も使うことがあり、オネエ言葉的な言葉を使うこったからを好む男性のいって全てがゲイというわけではない。
 
[[ゲイ用語]]としてのオネエは、女性のファッション傾向を示す“[[お姉系]]”とは関係がない。オネエ言葉によって、皮肉・揶揄などの[[毒舌]]や、率直な物言い、くだけたニュアンスを[[オブラート]]に包んで表現することが出来ることから、好んで使うゲイもいる。また、オネエ言葉は目上に使う[[敬語]]と[[丁寧語]]の境界がはっきりしていないため、年上の人や年下の人ともすぐに打ち解けることができるという{{要出典|date=2010年2月}}。ただ[[新宿2丁目]]などのゲイバーでオネエ語を使うゲイを「彼、オネエだね」と言ったりする場合、親しみを込めて言うこともあるが、恋愛対象ではないというニュアンスを含むこともあり、ゲイの間では一般的にオネエだとモテない。その為、オネエ言葉を敬遠するゲイも多い
 
[[1880年代]]から戦後一時期までの[[日本語]]<ref>尾崎紅葉が「梅はまだ咲かなくツテヨ」などの言葉を『流行言葉』で「異様なる言葉づかひ」と評したのは1888年のこと</ref>では、女性には特有の語尾表現(「~だわ」「~わよ」などの、いわゆる女言葉)が多く使われていたが、21世紀現在では廃れつつある表現であり、若い女性はあまり使わなくなった<!--<ref>なお漫画や小説などでは、キャラクターの性別の区別をするためにいまだに多く使われる。</ref>-->。そして“女言葉”は[[ニューハーフ]]やゲイの一部が用いるオネエ言葉の中に生き残った<ref>小林千草『女ことばはどこへ消えたか?』光文社新書、2007年。</ref>。こうした中で、オネエ言葉はそれを使う者が同性愛者(正確には[[クィア]])の中の一部であることを示す、分かりやすい記号として機能している。
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==オネエ==
===元来の意味===
元来、[[新宿二丁目]]などゲイコミュニティやゲイ当事者の中では、女装をしないゲイの中で女性的なゲイ(オネエ言葉を使ったり、女性的な仕草のゲイ)のみをオネエといってきた歴史がある<ref>[[三橋順子]]「トランスジェンダーとテレビ・メディア -操作されるイメージ-」に、「本来のゲイ業界用語である『おねえ』概念は『女装しない女性的なゲイ』」とある。</ref>。オネエ言葉を使わない男性的なゲイや女装するゲイはオネエとは呼んでいなかった。
 
===2006年以降===
2006年に日本テレビ系「おネエMANS」が始まった頃から、元来の意味が拡張され、女装をするゲイやニューハーフも含めるようになっている。
 
===言葉の誤使用===
最近は2006年に日本テレビ系「おネエMANS」が始まった頃から、ゲイとオネエが同義語で用いられることが多いが、これは事実言葉のである。ゲイの中の多くはむしろ男性的でありたいと望んでおり、女装をしたりオネエ言葉を使ったりしない。また全てのゲイが[[理美容|美容]]や[[化粧品|コスメ]]、ゲイ・ファッションに関心があるわけではなく、'''オネエはゲイ全体の一部である'''。男性としてのアイデンティティを受け入れているゲイには、オネエと混同されることに不快感を抱くものもいる。
 
===オネエ言葉へのゲイの嫌悪感===
ゲイの中でもオネエ言葉に嫌悪感がある者は多く<ref name = "boyfriend2">「オトコノコノためのボーイフレンド」(1986年発行少年社・発売雪淫社)P53「オネエコトバ」。</ref>、その理由として、生理的な拒否感のほかに、オネエ言葉から連想されるイメージと自分が同一視されることへの嫌悪感<ref name = "boyfriend2" />や、オネエ言葉を振り撒いて見世物やピエロになっていることへの反発などがある<ref name = "boyfriend2" />。また男同士の愛は片方が女役になることではないはずだ、という考えもある<ref name = "boyfriend2" />。二十歳前後の若いゲイがオネエ言葉を使うには、まだ「可愛い」といっていられるが、大人のゲイがクネクネした姿でオネエ言葉を使う様は、多くのゲイにとっても気持ちの良いものとはいえないとする意見もある<ref name = "boyfriend2" />。
 
またゲイ同士の会話で「彼、オネエ(言葉)だね」という場合、友達としてはいいけれど、恋愛対象ではないなどを含意することもあり、ゲイの間では一般的にオネエだとモテない。そのため、ゲイの世界でモテようとしてオネエ言葉を敬遠するというゲイもいる。オネエ呼称はゲイの多様性を見えにくくし、ステレオタイプを強めることになっており、近年新たに浮上したゲイ差別になりつつある。
 
== 関連項目 ==