「楕円函数」の版間の差分

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が成り立つことも従う。
 
「標準的」('canonical') な楕円函数の構成法は[[カール・グスタフ・ヤコブ・ヤコビ|ヤコビ]]によるものと[[カール・ワイエルシュトラス|ワイエルシュトラス]]によるものとの二種類が知られており、楕円函数論の現代的な本では、おおくがワイエルシュトラス流である。ワイエルシュトラスによる[[ワイエルシュトラスの楕円函数]] {{仮リンク|ヴァイエルシュトラスペー函数|en|Weierstrass p|label=℘-函数}}をもとにした[[ワイエルシュトラスの楕円函数]] の概念は便利であり、それを用いて任意の楕円函数を扱うことができるが、その一方で実用上、特に実函数を扱っていて虚部が不要あるいは物理的に重要でないというような場合に複素数の使用を避ける必要があるときなどは、ヤコビの楕円函数が最もよく現れる。ワイエルシュトラスが楕円函数に関心を持つようになったのは、[[カール・フリードリヒ・ガウス|ガウス]]の弟子[[クリストフ・グーデルマン]]に師事したころである。
 
ヤコビによる{{仮リンク|ヤコビの楕円函数|en|Jacobi elliptic functions}}(と、これは二重周期函数ではないが補助的に用いられる[[テータ函数]])はワイエルシュトラスによるものと比べて複雑だが、歴史的にも一般論においても重要な函数である。二つの理論の一番の違いは、ワイエルシュトラスの楕円函数がその周期の成す[[格子群]]の格子点に二位あるいはもっと高位の[[極 (複素解析)|極]]を持つのに対し、ヤコビの楕円函数は一位の極しかもたないことである。ワイエルシュトラスの方はより簡明なので、記述面でも理解の面でも理論を展開しやすい。
 
もっと一般に、楕円函数の研究は[[モジュラー函数]]と[[モジュラー形式]]の研究と近しい関係にあり、又その関係性は[[モジュラー性定理]]によって明らかにされた。そういった関係性には、たとえば {{仮リンク|j不変量|en|j-invariant|label=''j''-不変量}}や{{仮リンク|アイゼンシュタイン級数|en|Eisenstein series}}あるいは[[デデキントのイータ関数|デテキント・イータ函数]]などが含まれる。