「楽器分類学」の版間の差分

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しかしながら、『発音原理』ということばにはあいまいさがあるために、この分類法にも問題は残されており、あらゆる楽器を矛盾無く一意に分類できるわけではない。特に問題なのが、後から付け加えられた電鳴楽器である。たとえば、[[エレクトリック・ギター]]は電鳴楽器ということになっているが、発音原理からすれば弦鳴楽器に分類しても間違いとはいえない。つまり、電鳴楽器の『電』は『体・膜・弦・気』と異なり、具体的な発音体を表していないのである。電鳴楽器の発音体は最終的に音を出す[[スピーカ]]の[[コーン]](紙などでできた弾性体)であって、これを[[電磁気力]]という手段で刺激して音を出すのであるから、『電』は発音体ではなく奏法を表していることになる。従って、電鳴楽器は『電奏体鳴楽器』とでもいうような体鳴楽器の[[亜種]]に分類することもできる。このように、現在の『体・膜・弦・気・電』という5分類法は、『発音原理に基づく首尾一貫した分類体系』からは後退した形になっているのである。
 
とはいえ、民族楽器など比較的単純な([[ローテク]]の)楽器は、『体・膜・弦・気』の4分類のいずれかに属することになり、これらの研究には特に大きな問題が生じないことから、この分類法が広く使われるようになっている。なお、名称でザックスを先にするのは単に語呂がよいからであって、文献によってはホルンボステル=C.ザックス分類と表記しており<ref>下中直也 編『音楽大事典』など</ref>、省略するときにはホルンボステルを先にして「HS分類」という。
 
以下は、大分類項目に対する簡単な説明と細分類項目およびそれに該当する代表的な楽器である<ref>下中直也 編『音楽大事典』の「楽器学」の項目</ref>。本来の分類表は、上記の例のようにデューイ十進分類法による番号が先頭に付加されているが、ここでは煩雑になるので省略した。