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'''護法祭'''(ごほうさい。地元では護法実とともに、祭り自体もゴーサマと呼ばれる)とは[[岡山県]][[久米郡]]で行われる祭り。国の[[選択無形民俗文化財]]<ref>[http://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails.asp?register_id=312&item_id=481 文化庁 国指定文化財等データベース(美作の護法祭)]</ref>。
 
[[真言密教]][[修験道]]が融合した全国でも珍しい奇祭で、村人から選ばれたひとりの者が一週間寺で精進潔斎に務める。これを護法実(ゴーサマ)と言い、行を終えて身を清めたその者に修験者らの祈り憑けによって護法善神が憑依して、深夜の山岳寺院を疾駆跳躍する。これを「御法楽」「お遊び」と称する。
 
このお遊びの場に心身不浄の者が混じっていると護法実につかまり三年以内に死ぬと言われ、<ref>護法実経験者の言によると、「肉食を犯した者は赤く見え、月経中の女性が群衆の後ろにいても感じる」という。</ref>参加者にも穢れを避けることが求められる。参詣者はつかまらないように逃げ回ったり隠れたりしなければならない。
 
もっとも古い伝統を持つと見られるのが[[両山寺]]で、現在も両山寺を中心に執り行われているが、周辺の寺院・神社でも祭りは開催され、かつては泰山寺(([[建部町)]])[[本山寺 (美咲町)|本山寺]](旧[[柵原町]])など久米郡南部を中心に様々な場所で行われていた。
 
== 発祥 ==
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== 場所と期日 ==
* 両山寺(りょうんじ)[[中央町 (岡山県)|中央美咲町]]両山寺・・・八月十四日(元は旧暦七月十四日)
* 清水寺(せいすいじ)[[久米南町]]上籾・・・八月十五日(元は旧暦七月十六日、のち八月十六日)
* 恩性験寺 [[旭美咲 (岡山県)|旭町]]上口・・・八月十五日(元は旧暦七月十五日)
* 両仙寺 久米南町北庄・・・八月十五日(元は旧暦七月十五日)
 
以下は、近代化後も行われていたが、現在では中止された場所。
* 一宮八幡神社・・・平成三年(1991)を最後に中絶。八月十五日(元は旧暦七月十五日)
* [[佛教寺]](ぶっきょうじ)久米南町仏教寺・・・(隔年の旧暦七月十六日)
* [[豊楽寺 (岡山市)|豊楽寺]](ぶらくじ)[[建部町]]豊楽寺・・・<ref>元来久米郡であったものが、[[福渡町]]となり、それが建部町と合併して近代以降に御津郡となったもの。現在は[[岡山市]][[北区 (岡山市)|北区]]。</ref> 昭和二十20年代後半(1950-54)に廃絶。(隔年の旧七月十八日)
* 泰西寺(たいせいじ)久米南町下弓削・・・大正時代に廃絶か。祭日不詳(旧七月十八日か)<ref>泰西寺は久米南町大字泰山寺にあった泰山寺光明坊と同町大字西山寺の西山寺が[[大正]]3(1914)([[1914年]])に合併したもので、それまでは別個に執り行われていたと見られる。</ref>
 
以下は歴史上かつては護法祭が行われていた場所
* 本山寺(ほんざんじ)[[柵原美咲]]定宗・・・廃絶時期不詳。(旧暦七月七日)
 
== 護法実の資格 ==
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== 違い ==
 
鳥護法・・・両山寺のゴーサマは鳥護法であるから、高い所まで追いかけてくる。教寺もそうであったという。
 
犬護法・・・清水寺のゴーサマは犬護法であるから、堂の床下まで追ってくる。豊楽寺もそうであるという。<ref>両山寺から犬護法であるとされる清水寺では、清水寺こそが鳥護法で両山寺が犬護法であると主張。豊楽寺も自らは鳥護法であると主張。そもそも犬護法は本山寺のものともいい、また犬を下に見る差別意識を見て取る考えもある。</ref>
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== 参考文献 ==
*[[作陽誌]]
*中央町教育委員会・久米南町教育委員会・旭町教育委員会『美作の護法祭 調査報告書 1993年』
*合田一道 『日本の奇祭』1996 青弓社