「ヴァイオリン協奏曲第3番 (ブルッフ)」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
m ボット: 言語間リンク 4 件をウィキデータ上の (d:Q223554 に転記)
編集の要約なし
1行目:
{{Portal クラシック音楽}}
'''ヴァイオリン協奏曲第3番[[ニ短調]]''' [[作品番号|作品]]58は、[[マックス・ブルッフ]]の作品。まず曲した3番目の[[1890年]]に「コヴァイオリサート・アレグロ」として作曲され、その後1891年にこれを協奏曲として完成させた。この曲も友人の[[ヨーゼフ・ヨアヒム]]に献呈された
 
== 概要 ==
まず[[1890年]]の夏に第1楽章の原型である「演奏会用アレグロ」が書かれ、その後[[1891年]]2月に協奏曲として完成された。ブルッフの他のヴァイオリン作品と同様に、作曲にあたっては友人の[[ヨーゼフ・ヨアヒム]]の助言が大きく取り入れられており、作品はヨアヒムに献呈された。
 
[[1891年]][[4月21日]]に[[ベルリン芸術大学|ベルリン高等音楽院]]においてヨアヒムを独奏として全曲の試奏が行われ、公開初演は[[5月31日]]に[[デュッセルドルフ]]で行われている。ヨアヒムは精力的に演奏を繰り返し、ヨアヒムの私生活上の問題を原因として一時冷え込んでいた二人の友情はこれによって修復されたが、現在では[[ヴァイオリン協奏曲第1番 (ブルッフ)|ヴァイオリン協奏曲第1番]]の影に隠れ、[[ヴァイオリン協奏曲第2番 (ブルッフ)|第2番]]と同様にあまり演奏されない。
 
== 編成 ==
:独奏[[ヴァイオリン]]、[[フルート]]2、[[オーボエ]]2、[[クラリネット]]2、[[ファゴット]]2、[[ホルン]]4、[[トランペット]]2、[[ティンパニ]]、[[弦楽合奏|弦五部]]
独奏[[ヴァイオリン]]
*木管楽器
:[[フルート]]2、[[オーボエ]]2、[[クラリネット]]2、[[ファゴット]]2
*金管楽器
:[[ホルン]]4、[[トランペット]]2
*打楽器
:[[ティンパニ]]
*弦楽器
:[[弦楽合奏|弦五部]]
 
== 構成 ==
全3楽章からなり、演奏時間は約40分。
以下のように構成されている。
 
#アレグロ・エネルジーコ(''Allegro energico'') -
#*第1楽章 ダーレグロ・エネルーコ(''AdagioAllegro energico'')
ニ短調、4/4拍子。[[ソナタ形式]]。演奏に約20分を要する大規模な楽章。ブルッフの他の2つのヴァイオリン協奏曲ではほぼ冒頭から独奏ヴァイオリンが登場しているが、この作品では管弦楽による充実した前奏が置かれている。リズミックな冒頭動機に続く悲劇的な第一主題は、[[1889年]]に書かれたヴァイオリンと管弦楽のための作品《アダージョ・アパッショナート》作品57の第一主題との類似が指摘されている。叙情的な第二主題は[[イ長調]]で管弦楽に提示される。型通りに展開部と再現部が続き、第一主題を扱ったコーダで劇的に終わる。
#「終曲」アレグロ・モルト(''Finale: Allegro molto'')
*第2楽章 アダージョ(''Adagio'')
[[変ロ長調]]、6/8拍子。自由な[[二部形式|複合二部形式]]。独奏の[[レチタティーヴォ]]に続き、弦楽合奏が第一主題を奏する。続いてやや活動的になり付点リズムが特徴的な第二主題、[[ニ長調]]に移って独奏の細かいパッセージに乗った第三主題が流れる。後半ではこれらの主題が調や順番を変えて再現され、静かに終わる。
#「*第3楽章 終曲アレグロ・モルト(''Finale: Allegro molto'')
ニ短調-ニ長調、3/4拍子。ソナタ形式をとるが、第一主題の動機が各所で活用されるため[[ロンドソナタ形式]]の性格も持つ。三連符のリズムが特徴的な第一主題は独奏ヴァイオリンに提示され、三拍目にアクセントを持つ副主題を挟んでニ長調で確保される。第二主題はニ短調で、独奏の[[重音奏法]]を用いて提示される。「[[タイムズ]]」紙の批評で「ハンガリー風」と評されたが、ブルッフはこれを「ヨアヒムがハンガリー生まれというだけで、全くのナンセンス」と否定している。
 
== 参考文献 ==
* Fifield, Christpher (1983) "''Max Bruch - His Life and Works''" George Braziller, New York
 
==外部リンク==
なお、第1楽章は演奏時間だけで20分以上を要する大規模な楽章である。
* {{IMSLP2|id=Violin Concerto No.3, Op.58 (Bruch, Max)|cname=Violin Concerto No.3 in D minor, Op.58}}
 
{{Classic-stub}}