「セレナード (ブルッフ)」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
m ボット: 言語間リンク 2 件をウィキデータ上の (d:Q3013558 に転記)
編集の要約なし
1行目:
{{Portal クラシック音楽}}
『'''[[セレナード]]'''』(''Serenade'')[[イ短調]] [[作品番号|作品]]75は、[[マックス・ブルッフ]]が[[パブロ・デ・サラサーテ|サラサーテ]]の依頼で[[1901年]]から[[19021899年]]にかけて作曲した[[セレナーデ|セレナード]]。当初はヴァイオリン協奏曲第4番]]して作曲されたが、後にセレナード或いはエコセーズ幻想曲に変更する旨を[[ゼフ・ヨアヒムケストラ|ヨアヒム管弦楽]]宛て手紙で告白しているための[[協奏曲|協奏的作品]]
 
== 概要 ==
当初ヴァイオリン協奏曲第4番として書かれたものだが、後に題名を《セレナード》に変更する旨を[[ヨーゼフ・ヨアヒム]]宛ての手紙で告白している。題名に関するブルッフのこのような逡巡は[[ヴァイオリン協奏曲第1番 (ブルッフ)|ヴァイオリン協奏曲第1番]]や[[スコットランド幻想曲]]でも見られたものである。
 
[[パブロ・デ・サラサーテ]]による演奏を念頭において書かれたが、結局サラサーテが取り上げなかったために初演は[[1901年]][[5月15日]]に[[パリ]]で、ジョセフ・デブルー(Joseph Débroux)の独奏、[[カミーユ・シュヴィヤール]]指揮の[[コンセール・ラムルー|ラムルー管弦楽団]]によって行われた。
 
== 楽器編成 ==
独奏ヴァイオリン、[[フルート]]2、[[オーボエ]]2、[[クラリネット]]2、[[ファゴット]]2、[[ホルン]]4、[[トランペット]]2、[[トロンボーン]]3、[[ティンパニ]]、[[弦楽合奏|弦五部]]
 
== 楽曲構成 ==
全4楽章からなり、演奏時間は約40分。
全4楽章と、[[ヴァイオリン協奏曲]]の中では多楽章だが、これは[[ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト|モーツァルト]]のセレナードを想い起こさせる。
*第1楽章 Andante con moto 
*:数小節のイ短調、4/4拍子。自由な[[ソナタ形式]]。ごく短い導入の後、独奏ヴァイオリンが北欧の民謡から取られた叙情的な第1主題を提示し、舞曲風の第2主題、[[ヘ長調]]の歌謡風の的な第3主題を絡ませながら曲が進む。
*第2楽章 Allegro moderato、alla marcia
*:[[ハ長調]]、4/4拍子。[[ロンド形式]]で書かれた、[[行進曲]]を思わせのリズムによる[[スケルツォ]]風の楽章。独奏の[[重音奏法]]などの技巧を交えながら、変化に富んだ楽想が提示される
*第3楽章 Notturno 
*:[[ホ長調]]、3/4拍子。[[カール・マリア・フォン・ウェーバー]]の《[[魔弾の射手]]》や[[ヴィンチェンツォ・ベッリーニ]]の《[[ノルマ (オペラ)|ノルマ]]》などの祈りの場面を連想さ思わせる夜曲的敬虔楽章雰囲気の中でヴァイオリンが歌う
*第4楽章 Allegro energico e vivace
*:このイ短調、3/8拍子。ロンド形式によるフィナーレ。作曲を依頼したサラサーテに肖ってちなみ、スペイン民謡の雰囲気が盛り込まれている。全体を[[セギディーリャ]]のリズムが支配しており、[[ギター]]を思わせる弦楽器の[[ピッツィカート]]も頻出する。最後に第1楽章の冒頭主題が再現され、静かに終わる。
 
== 参考文献 ==
*CD解説:([[クルト・マズア|マズア]]指揮 [[ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団]])[[フィリップス・レコード|フィリップス]] 
*[http://www3.wooster.edu/music/twood/bruchcatalog.html#75 作品目録]
 
== 外部リンク ==
*{{IMSLP2|id=Serenade for Violin and Orchestra, Op.75 (Bruch, Max)|cname=Serenade for Violin and Orchestra in A minor, Op.75}}
 
{{DEFAULTSORT:せれなと}}