「昇華 (化学)」の版間の差分

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霜の付かない[[冷凍庫]]は冷却ファンと冷凍庫内部の空気循環の賜である。氷点下の温度と乾燥状態を保った空気を循環させることで昇華の過程を著しく加速する。こうして霜の蓄積を抑え、冷凍庫の壁と棚が凍りつくのを防いでいるが、一方で庫内にある必要な氷まで昇華してしまう欠点がある。
 
[[染料]]の昇華は、[[紙]]を含む種々の素地へカラー印刷する際にしばしば使用される。これを昇華型[[プリンタ]]という。昇華型プリンタは、プリンタ内の小型ヒーターにより固体染料が蒸発することで色素が素地上に残る仕組みである。この種のプリンタが優れた原色比コントロールを示す場合、比較的低解像度のプリンタであっても同様の分解能を持つ他のタイプのプリンタよりも良質の印刷物を得ることが可能である。一般的な白黒[[レーザープリンター]]は、普通紙に昇華染料を含む特別な「転送トナー」を用いて印刷している。このため、熱を与えることで印刷内容を紙から[[Tシャツ]]や[[帽子]]、[[マグカップ]]、[[金属]]、[[パズル]]、およびその他素地の表面等へと永久的に写すことが可能である。
 
[[錬金術]]では、昇華は一般的に[[蒸留]]過程(物質を加熱し蒸発させ、その後に蒸留器の上部や首の部分で再凝縮させることで分取する過程)で用いられる。これは錬金術における12の主要な過程のうちのひとつである。また、現代化学においても、収率が高く溶媒を必要としない[[精製]]方法として利用されている。減圧することで昇華温度が下がるため、昇華点以下の温度で熱分解する物質や常圧では昇華しない物質においても減圧昇華によって精製することができる<ref>日本化学会編 新実験化学講座1巻 基礎操作I 丸善 1975</ref>。