「ハイポネックス培地」の版間の差分

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注14:培地へのアミノ酸添加の効果については報告例が数多くあるが、対象種によって、あるいは同一種であっても促進的か阻害的か、研究者によって結果は必ずしも一致していない。傾向としては一種類のアミノ酸の単一添加よりも、[[カゼイン]]加水分解物などのアミノ酸複合物のほうが効果的とされている例が多い。単一添加では他のアミノ酸の合成がフィードバック的に抑制されたり、生育段階により異なる種類のアミノ酸が必要になる可能性もある。
 
;欧州産地生蘭・無菌播種用(山本、20102012年)<ref>『研究会通信 Vol.6』(野生ラン実生研究会編著、2012年)</ref>
 
:ハイポネックス ハイグレード・開花促進(窒素0-リン酸6―カリ4) 1ml0.3ml
:ショ糖 10g
:粉末寒天 8g
:混合アミノ酸粉末(ビタミンB群、ナイアシン添加) 300mg
:ビール酵母粉末 500mg
:ジャガイモ5mm角切り 1個/培地5ml(滅菌前に培養瓶に投入)
:活性炭粉末 1g
:水 1000ml
:pH 7.05 に調整
 
注15(山本原注):ヨーロッパ産のOrchis属、Ophrys属などの地生蘭の[[無菌播種]]では、培地に硝酸態窒素が含まれていると発芽率が低下する。そこで窒素肥料を含まない液体肥料に、窒素源としてアミノ酸、およびその同化に必要となるビタミン類を加えて作成した処方である。緑化・発葉後には硝酸還元酵素の活性が上昇し、ある程度の硝酸態窒素が存在しているほうが生育が良くなる<ref> [http://www.lidaforsgarden.com/Orchids/engelsk.htm 『Orchid Propagation』ヨーロッパ産地生蘭の無菌培養(英文)(外部リンク)]</ref>とされており、移植培地では「ハイグレード・開花促進」の一部を「ハイグレード・洋ラン」(窒素6-リン酸6―カリ6)に置き換えたほうが生育が良好になる傾向が認められた。しかし育成培地におけるアンモニウムイオン・硝酸イオン・アミノ酸の最適比については十分に検討できていない。植物体が生長してくるにつれ栄養分の吸収速度が上昇し、培地濃度が低下しやすくなるので、生育と共に無機塩および糖濃度を若干上昇させた培地に移植していく。