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{{色}}
[[ファイル:CMYK color swatches.svg|right]]
'''CMYK'''(または'''CMYKカラーモデル''')は[[色]]の表現法の一種で、[[シアン (色)|シアン]]、[[マゼンタ]]、[[黄色|イエロー]]、[[黒|ブラック]]の4種から分によって色を表す。CMYKはシアン('''C'''yan)、マゼンタ('''M'''agenta)、イエロー('''Y'''ellow)とキー・プレート('''K'''ey Plate)から頭文字1字を取ったもの。ブラック(Blac'''K''')のKであるという説は誤りである。
<ref>{{cite book | last = Gatter | first = Mark | title = Getting It Right in Print: Digital Pre-press for Graphic Designers | publisher = Laurence King Publishing | date = 2004 | pages = 31 | url = http://books.google.com/books?id=Pva2EkbmBYEC&pg=PA31&lpg=PA31&ots=OcF8GmRhUr&sig=4jL0kGyhFXbohJ7rznXl1QHfNhQ | isbn = 1856694216, 9781856694216}}</ref>
但し同様の意味で'''CMYBk'''と表現される場合はBkはブラックを指す。
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== 概要 ==
[[File:Newspaper-cmyk2.jpg|thumb|right|250px|<SMALL>[[毎日新聞]]のテレビ欄に印刷されているCMYKカラーチップ。左の縦列は100%、右は50%を示す。コンマ数ミリ単位ではあるが、それぞれの色版の印刷に多少のズレが生じているのが分かる。</SMALL>]]
CMYKは[[CMY]]から派生した、[[減法混色]]に基づく色の表現法である。理論上では[[CMY]]によって全ての色を表現できるはずであるが、実際にはCMYのインクを混色して綺麗な[[黒|黒色]]を表現するのは技術的に困難であり、せいぜい鈍い暗色にしかならない。このため、[[プリンター]]などの印刷機で[[黒|黒色]]をより美しく表現する目的として'''CMYK'''が採用されている。また見た目の美しさ以外にも、黒を表現するのに必要なインク量が少なくなるためにCMYの場合と比べてランニングコストが下がる、乾燥が速く高速印刷に向く、といった利点がある。
 
なお、[[インクジェットプリンター]]などでは、発色階調表現力を良くする為に通常のCMYKに加えて[[フォトインク]]と呼ばれるCMYKとは別追加のインクを使用する場合があるが、色の表現法としてはCMYKとの違いはない。
 
== CMYKとRGBの違い ==
[[デジタルカメラ]]などで撮影された[[画像]]、あるいは[[パーソナルコンピュータ|パソコン]]の[[ディスプレイ (コンピュータ)|ディスプレイ]]上に表現される色は[[光]]の発光を利用して色を表現([[加法混色|加法混色法]])する[[RGB]]形式であるが、印刷物では[[塗料]]([[絵具]])ではRGB形式で全による光の吸収を利用し表現している(減法混色)。このように、画面と紙とでは発色の原理出来全く異為、RGB形式の画像を[[印刷]]する場合はRGB形式からCMYK形式への変換作業が必要となる。
 
原理的には(C=1-R),(M=1-G),(Y=1-B)でRGB値からCMY値が得られる。さらにK=min(C,M,Y)を求め、(C'=C-K)(M'=M-K),(Y'=Y-K)で、CMYK値を得る。しかし、この計算で得られた濃度を印刷に適用すると、一般的なRGB色空間とCMYK色空間の[[ビットマップ画像#.E3.82.AC.E3.83.B3.E3.83.9E.E8.A3.9C.E6.AD.A3|γ特性]]が全く正反対である事が考慮されていないこと、RGBとCMYKそれぞれの補色の波長が一致していない事などから、印刷結果は全く期待通りとならない(インクジェットシステムで紙に印刷すると、紙に乗り切れなかったインクがプリンターの底に溜まる程である)。この為、それぞれの色空間を[[カラーマネージメントシステム]]で補正する必要がある。通常の画面表示用カラーマネージメントシステムでは、実解像度をリアルタイムで処理すれば良いので精密に再現されるが、プリンターの場合にはきわめて高い解像度と非常に少ないインク液粒([[ピコ]][[リットル]]単位)やトナー([[ナノ]][[グラム]]単位)を制御しなければならない事から莫大な量の演算が必要になるため、事前に発色特性を[[標本化|サンプリング]]して作った多次元[[ベジェ曲線]]等によって、特性をシミュレートする事で演算を軽減するなどして、印刷にかかる速度を向上させている。完全な再現は基本的には不可能である事から、あらかじめ印刷対象がどのような物であるか(代表的なプリセット値として自然風景・人物写真・ビジネス文書などが候補として用意されている)をユーザーが手動で指示したり、あるいはプリンタドライバソフトウェアが画像解析によって印刷対象を予測するといった、高度なシステムが実装されている。
 
== 補足 ==
日本の製版・印刷業界では、永らく'''YMCK'''という順番で呼ばれてきた。これは、昭和20年頃までのオフセット印刷機でカラー印刷していた際の版の順番が、Y版→M版→C版→K版であったことに由来する。当時のイエローインキ顔料は[[クロム酸鉛]]系の透明度の低いものであり、他色を隠蔽してしまう恐れがあったためでY版を先にする必要があった。
 
後に登場した[[アゾ化合物#ジスアゾ|ジスアゾ]]系顔料を使った透明度が高いイエローインキでは刷り順は逆に最後にするのが一般的で、2013年現在の刷り順はK-C-M-Y(4色機)、CM-KY(2色機)である。各色の刷り重ね順はカラーマネジメントの上でもこの順で固定され、またオフセットインキ自体もこの刷り順に適するよう調整されている。
 
== 関連項目 ==
*[[網点]]
*[[プロセスカラー]]
*[[色空間]]
*[[CMY]]:[[色の三原色]]