「サッカーの憂鬱 裏方イレブン」の版間の差分

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: 主役はプロカメラマン、近藤美佐。カメラマンという仕事におけるテクニックと求められるセンス、そして彼らのプロとしての視点、矜恃などを紹介した内容。いい写真が撮れたと意識して撮った写真より、何気なく撮った写真を入稿リストに入れるなど、小手先の理屈より感覚が物を言う職業であると暗に述べられている。
; CASE.7 通訳
: 主役は通訳の山辺宏樹。[[クロアチア語]]が堪能であり、[[高知市|高知]]レボーラ監督、ドラガン=ニコリッチに就いている。そして、通訳とは監督の言葉をそのまま伝えるものではなく、監督のパッションを伝える職業であると総括している。
; CASE.8 ユースコーチ
: 主役は[[出雲]]ミストラルのユースコーチ、菅野健也。一般参加で最終テストまで残った友永康史という少年とのドラマを通し、ユースコーチの役割とセレクションの一連の流れを紹介した内容。最終選考で落選させた友永が後に、セリエAで活躍する一流選手になるという皮肉で締めている。なお、友永のモデルは[[愛媛FC]]のユースに落選しながらも、セリエAのインテルで活躍を遂げることになった[[長友佑都]]である。
; CASE.9 チームドクター
: 主役は[[広島ッカー日本代表|日本代表]]チームンシャインのチームドクター、千葉(男性。名前不詳)。中学時代の大怪我でサッカーができなくなったことで、何でも治せる医者になりたいと願い、今に至る。劇中ではチームドクターの選手に対する信頼や責任のほか、スポーツ医学の現状などを説いた内容となっているが、古傷を持っているベテラン選手との遣り取りでは、最終的に選手の意思を通すなど、医は仁術であるという部分も見せている。
; CASE.10 クラブ社長
: 主役は[[下関市|下関]]パイレーツ社長、高見啓二。高見はイーグルドアというIT産業を立ち上げた実業家であり、パイレーツのスポンサーに名乗りを上げたことで、急逝した国井前社長の遺志を継いで社長に就任。劇中で監督更迭劇が描かれており、そこに隠された人との信頼と裏切り、あまりに現金なサポーターの対応などドライな視点が多く描かれた内容である。
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: 主役は日本代表チームの料理人、吉野寿人(ひさと)。衛生管理、食材調達など料理人としての大変さや選手に対する思い、また他国の料理人を通じた義理人情なども説いた内容となっている。
; CASE.2 [[代理人交渉制度|代理人]]
: 主役は日系ブラジル三世の代理人、ロベルト本田。若手の海外移籍という場面から、代理人という職業の役割と矜恃を説いた内容。そして一般人が抱きやすい誤解(移籍金を上乗せして、報酬をピン撥ねしようとしていうるのではないか、など。実際は[[FIFA]]のシステムに監視されているため無理)に対する補足説明なども加えている。なお、劇中に登場するロベルト本田と吉崎のモデルは、[[ロベルト佃]]と[[岡崎慎司]]である。
; CASE.3 ライター
: 主役はプロライターの北野弘行で、サッカー専門のスポーツ新聞社と契約している。ライターの存在意義と世評を含め、記事を書くことの難しさなどを説いた内容となっている。劇中では、ある1つの記事についてプロ方面からはしっかりと評価される一方で、無責任な第三者による[[インターネット掲示板]]の誹謗中傷も同時に書き込まれるなど、痛烈な皮肉を交えた描写が際立っている。尚、この話はプロサッカーライターの[[いしかわごう]]が執筆協力を行っている。
; CASE.4 クラブ営業マン
: 主役は[[会津若松市|会津]]ホワイティの営業担当、内藤剛(つよし)。2部リーグ下位に甘んじる地方クラブにおける営業活動の現状を踏まえつつ(クラブが弱いとスポンサーも付いてくれない、など)営業とは何をする仕事かを説いた内容。営業サイドのロジカルなセールストーク(どういうベネフィットがあるのか)、またスポンサーの視点(スポンサーはサッカーから何をビジネスとして見出しているか)なども描かれており、最終的にスポンサー契約につながったのはクラブの勝敗ではなかった点など、かなりドライな内容を含んでいる。
; CASE.5 サポーター
: 主役は大学生の倉本マサミ、[[文化人類学]]専攻。彼女はコアサポーターではなく、卒業論文のテーマとして[[姫路市|姫路]]ホワイツにおけるサポーターの生態調査を行っていた。最終的に彼女自身がコアサポーターになるという展開であるが、その中でサポーターとクラブのつながりや彼らの理念などを説いている。なお、このサポーターというケースについては、能田が扉で補足を入れており、'''職業ではないが、サッカー文化を形成する仕事に相違はない'''という理由で、また自身も愛媛FCのコアサポーターである点からも、敢えてケースとして採用したと述べている。
; CASE.6 フィジカルコーチ
: 主役は[[諏訪市|諏訪]]ドラクーンの専属フィジカルコーチ、山辺秀行。フィジコ(フィジカルコーチのこと)の日本国内における現状(ライセンスが存在しないことから、権限が弱いことなど)や彼らの役割を説いた内容となっており、選手のパフォーマンスを向上させる存在として不可欠だと締めくくっている。なお、この話は[[ヴァンフォーレ甲府]]のフィジカルコーチ、谷真一郎が取材協力を行っている。
; CASE.7 なでしこ
: 主役は女子サッカー選手兼OLの三村ケイ子。女子リーグプロ2部手前の[[奈良市|奈良]]レディースの主将を務め、クラブを昇格に導く。[[なでしこジャパン]]の活躍を通して、国内女子サッカーの栄光と、それと裏腹な現状(多くの中学校に女子サッカー部が存在しないなど女子サッカーの育成地盤が脆弱であることや一過性のブーム依存で、社会人チームの撤退が多かったり、クラブ運営が不安定であること、またプロアマ混淆の状態であり、選手のモチベーションに較差が見られることなど)を切実に説いた内容となっている。
; CASE.8 9 第3ゴールキーパー
: 第1巻CASE.5の続編にあたる。西田は0円提示([[戦力外通告]])によって、プロ引退、または移籍を余儀なくされるも、新天地の宮崎サンガイアで正ゴールキーパーの椅子を掴む。そして、ここでは第3ゴールキーパーというより、ゴールキーパーというポジションの役割を丁寧に説いた内容、またGKを通サッカーを生業とすることの難しさを説いた内容(金銭、家庭問題など)ともなっている。後半は[[天皇杯]]決勝のシーンであり、そこで迎えたPK戦におけるゴールキーパーの在り方と難しさを説いた内容となっている。
 
== 単行本 ==