「エマルジョン燃料」の版間の差分

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{{出典の明記|date=2010年12月}}
'''地球温暖化防止の有力な手段として、エマルジョン燃料が世界的に注目されている。革新的な製造装置が開発され高品質のエマルジョン燃料が製造できるようになった。エマルジョン燃料'''(エマルジョンねんりょう)は、[[燃料油]]([[重油]]や[[灯油]]・[[軽油]]・[[廃油]]等)に[[水]]と[[界面活性剤]]を添加し、機械的に攪拌してオイル中に水を分散させた[[燃料]]である。ただし、添加剤を用いない場合でもエマルジョン燃料と呼ばれる。用途としてボイラー用に使用されるエマルジョン燃料とジーゼルエンジン用に使用されるエマルジョン燃料の二種類がある。使用燃料が大幅に削減され、燃料が削減された分だけCO2が削減されるので環境に良い燃料として注目を浴びている。完全燃焼をするので空気量が相当量絞れる。それに伴い[[窒素酸化物]]や[[粒子状物質]](PM)の発生も抑え、ボイラーや[[内燃機関]]が排出するガスがもたらす環境負荷を低減させる効果がある。
 
== 性状 ==
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=== 技術進化と高品質エマルジョン燃料 ===
燃料高騰と[[バイオエタノール]]の見直し議論が進む中で環境に良いエマルジョン燃料の再評価が進んでいる。従来のエマルジョン燃料の欠点は、時間の経過とともに油水分離が始まったり、二層化(上に油の多いエマルジョン燃料、下に水の多いエマルジョン燃料)してしまうことであった。しかし、技術の進歩により油水分離も二層化もしを起こさない、一層化エマルジョン燃料の製造が可能となった。一層化エマルジョン燃料は3ヶ月程度品質を保持するため貯蔵が可能となり燃料の配送が可能となった。
 
== 品質要件 ==
エマルジョン燃料は現状のボイラーを改造せず使用される。A重油エマルジョンはA重油ボイラーで使用され、灯油エマルジョンは灯油ボイラーで使用される。エマルジョン燃料をボイラーで良好な燃焼をさせるために要求されることは出来上がったエマルジョン燃料の粘性が低いことならびに水滴油中型(W/O)エマルジョンがしっかりとできていることの二点である。粘性が低い燃料は、ノズルからの噴霧状態がよく良好な燃焼が得られる。W/Oがしっかり出来ていないということは、本来のW/Oの逆である油滴水中型(O/W)が出来ていたり、W/OとO/Wが混在している状態であったりもしくは乳化が不完全で時間の経過とともに分離が始まるようなものであったりして良好な燃焼は得られない。エマルジョン燃料の製造方法は、製造装置の機能や界面活性剤の要不要も含め多岐にわたるが、ボイラーでの燃焼で安定して良好な燃焼が得られるエマルジョン燃料製造方法であるかが重要である。その評価方法としては、エマルジョン燃料製造後1~2週間静置して、分離して下層に水が出ないかどうか目視チェックしたり、二層化していた場合は下層部分に水が多く含まれていないか、燃焼して燃焼むらが発生したり鎮火しないかどうかチェックする方法が簡便なチェック方法である。詳細には、電子顕微鏡でチェックすると細かいチェックができる。製造直後の見た目で評価するとどれも同一に見えて誤った判断をする危険性があるので注意を要する。
 
== 主な用途 ==
* [[ボイラー]]用 - 温ボイラー、温水蒸気ボイラー、蒸気温風ボイラー
* [[ディーゼルエンジン]]用 - 船舶、自家発電、農業機械、船舶など
 
=== 利用分野 ===
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=== 大規模実証実験例 ===
* 山形県東置賜郡川西町JAおきたま花卉栽培ハウス
: 山形県米沢市に建設されたエマルジョン燃料製造プラントから、3年間エマルジョン燃料を配達してもらい、アルストロメリア栽培のハウス3棟でA重油エマルジョン燃料を使用。生燃料使用の前年対比で大幅な燃料経費削減を実現。近隣のハウス栽培農家9件にエマルジョン燃料使用が拡大したが、12月~3月の4ヶ月に限られた利用であり、現在利用され実証試験は終了していない
 
=== エマルジョン燃料利用例 ===
エマルジョン燃料製造装置は、CO2削減と燃料費削減のために、ホテルや温泉の24時間稼動の給湯ボイラーの付帯設備として導入されている。
 
== 関連項目 ==