「アームストロング砲」の版間の差分

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[[File:RBL 7 inch Armstrong breech diagram.jpg|thumb|right|<center>尾栓メカニズム</center>]]
[[File:RBL 7 inch gun cartidge diagram.jpg|thumb|right|<center>潤滑器が取り付けられた薬嚢</center>]]
アームストロング砲は、従来のように全体を一度に鋳造するのではなく、いくつかの部品を組み合わせて作製されていた。砲身は「Aチューブ」(当初は錬鉄製、1863年からは低・中[[炭素鋼]])と呼ばれる砲身内腔部をいくつかの錬鉄性のコイルで嵌め込んだ層成砲身で、コイルの圧力により強度を増加させていた<ref>Holleyは、鋼鉄製の中央チューブを錬鉄性のコイルで圧縮するダニエル・トレッドウェル[[:en:Daniel Treadwell|Daniel Treadwell]]が最初にパテントを取ったとしている。アームストロングはチューブを錬鉄製としてこの特許を回避したが、この特許の本質は素材ではなく外部コイルによる締め付けにあるため、実際にはアームストロングの方法はこれと同一である『Holley, Treatise on Ordnance and Armour, 1865, pages 863–870』</ref>。また[[尾栓]]と[[トラニオン|砲耳]]も別部品であった<ref>[http://riv.co.nz/rnza/hist/local/rbl6.htm Armstrong Rifled Breech Loading (RBL) 6-Pounder]</ref>。砲の施条は38口径長で1回転するように掘られていた。
 
[[鋳鉄]]製の砲弾は、[[ミニエー銃#ミニエー弾|ミニエー弾]]と類似の形状であり、薄い鉛で内腔径よりやや大きくなるようにコーティングされていた。この鉛部分が砲の施条に食い込み、砲弾に回転が与えられる。この方式はマーチン・フォン・ウォーレンドルフとジョヴァンニ・キャヴァーリによって開発されたばかりだった。従来の[[前装式|前装]][[滑腔砲]]に比べると、内腔と砲弾の隙間がないことにより、より少ない装薬量でも射程が伸び、砲弾の回転により砲撃精度を高めることができた。
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薬嚢の前部には、ブリキのプレートで獣脂と亜麻仁油を挟み込んだ潤滑器が装着されていた。プレートの後ろには蜜蝋でコーティングしたフェルト束と厚紙があった。砲弾が発射されると潤滑器もその後を追うが、この際にプレートの隙間から潤滑油が搾り出され、フェルト束が砲弾から剥がれて内腔にこびりついた鉛を拭きとり、次弾の発射前に内腔が掃除されることになる<ref>Treatise on Ammunition 1877, pages 166–167</ref>。
 
20世紀の砲にも一般的に用いられている革新的な機、アームストロングが「グリップ」と呼んだもので、先端6インチの内腔径をややちいさく絞り込むもので、アームストロングが「グリップ」と呼び、20世紀の砲にも一般的に用いられている。これにより砲口を出る前に砲弾がより中心部に位置し、鉛コーティングがより剥がされる分砲弾の直径が小さくなり、飛翔特性が若干向上する。
 
アームストロング[[尾栓]]一種の垂直[[鎖栓]]を用い、前面に薬室との密着を確実にするための円錐形の銅製リングのプラグを有する、vent-pieceと呼ばれる一種の垂直鎖栓を用いた。閉鎖をより完全な点火口(vent)のにす兼ねているため、中央に穴の開いた螺旋式尾栓を射手が締め付けるようになっていた。なお、vent-pieceと呼ばれるのは、点火口(vent)を兼ねているめである
 
合わせて閉鎖をより完全なものにするため、中央に穴の開いた一種の螺旋式尾栓部を有し、射手が締め付けるようになっていた。
 
===装填・発射手順===