「ヒラメ」の版間の差分

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沿岸の砂泥地を好み夜活動する。昼はよく砂泥中に身を潜め頭だけ出しているが、砂に潜らない場合は体の色を海底と同じ色にする。主に海底に住む[[小魚]]、小型[[甲殻類]]、[[貝類]]、[[ゴカイ]]類を食べる。幼魚のときには[[ケンミジンコ]]なども捕食するが、成長するにつれ[[魚類]]を捕食する割合が増え、成魚では9割が[[小魚]]となる。そのため、[[カレイ]]釣りでは[[ゴカイ]]・[[イソメ]]のほか鈍重な動きの[[ワーム]]を用いるのに対し、ヒラメ釣りでは[[生き餌]]の[[小魚]]や俊敏な動きの[[ルアー]]を用いる。ヒラメはカレイと異なり、体全体を使った比較的俊敏な動きが可能である。
 
[[冬]]は相当深い所に下り、3~73-7月の産卵期には水深20mぐらいの浅瀬に移動する。卵は浮遊性で、卵から孵った稚魚は通常の魚と同じように細長く、目も両側に付いている。全長1cmくらいに成長する頃から右の目の移動が始まり、2.5cmくらいになると親と同じ形になる。3年程で成魚になる。カレイ類には数十年生きる種もいるが、ヒラメの寿命は短く、せいぜい数年程度と言われる。その分、ヒラメはカレイよりも成長が早く、[[養殖]]もしやすいとされている。
 
日本での別名は地方によって異なり、カレ、オオグチガレ、ソゲ(ゾゲ)、オオクチ、テックイ、ハス、オオガレイ、メビキ、ホンガレイなど。北海道では「てっくい」、東京湾では1kg以下の物を「そげ」と呼んでいる。
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pitx2と呼ばれる遺伝子は、脳、心臓原基、腸管原基の左側に発現し、各器官の細胞増殖のスピードや細胞増殖の方向に左右のずれを起こし、それによって各器官は左右非対称な形態に変化する。このように内臓と脳の左右非対称性形成は、pitx2によって誘導される。
 
[[2013年]][[2月21日]]、[[宗像市]]沖の[[玄界灘]]で裏表が同色の個体が網にかかった<ref>[http://www.nhk.or.jp/news/html/20130221/k10015687131000.html 表と裏が同じ色 珍しいヒラメ見つかる]:NHKニュース(2013年2月21日)</ref><ref>[http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/349444 裏表のない正直ヒラメ!?!?全身褐色]:西日本新聞(2013年2月22日)</ref>。
 
== 漁業 ==
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; [[タマガンゾウビラメ]] :学名 ''{{sname||Pseudorhombus pentophthalmus}}''、英名 Fivespot flounder<br/>20cm程度まで。日本、朝鮮半島からインドシナ半島まで。体の目のある側には5個の黒い丸い斑紋がある。煮付や[[から揚げ]]、また干物や、練り物の原料にする。
; [[ガンゾウヒラメ]] :学名 ''{{sname||Pseudorhombus cinnamoneus}}''、英名 Cinnamon flounder<br/>最大35cm。太平洋西部。日本、中国沿岸からフィリピン、南シナ海まで。タマガンゾウビラメより大型になる。黒い斑紋は1つ。煮付などにする。
; [[メガレイ]] :学名 ''{{sname||Pseudorhombus dupliciocellatus}}''、英名 Ocellated flounder<br/>全長40cm。西太平洋インド洋。日本南岸からオーストラリアにかけて、西はアンダマン・ニコバル諸島(インド)までの海域。体の目のある側には2~42-4個の黒い丸い斑紋がある。
; [[テンジクガレイ]] :学名 ''{{sname||Pseudorhombus arsius}}''、英名 Largetooth flounder, Moses sole<br/>45cm。西太平洋からインド洋。日本南岸、東シナ海からオーストラリア大陸まで。東はフィジー諸島、西はインド沿岸、ペルシャ湾、アフリカ大陸東岸まで。幼魚は汽水域にも入る。体の目のある側には大小の丸い黒斑が散在。
; [[アラメガレイ]] :学名 ''{{sname||Tarphops oligolepis}}''<br/>日本近海から台湾まで。数cmの小型種で、寿命は2年。
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[[ダルマガレイ科]] 学名 {{sname||Bothidae}}、英名 Lefteye floounder<br/>世界中の熱帯から温帯の海に生息する海水魚で、100種以上が知られる。両目とも体の左側にあるのはヒラメ科と同じ。ヒラメ科よりも一般に体高が高く、また背ビレが頭部の目よりも前からはじまるため、体が円形に近い印象になる。
 
; [[ダルマガレイ]] :学名 ''{{sname||Engyprosopon grandisquama}}''、英名 Largescale flounder<br/>全長15cm。インド洋から西太平洋にかけて分布。日本南岸を北限とし、東南アジア島嶼部、ニューカレドニア、オーストラリア大陸沿岸から、インド洋、アフリカ東岸まで。体高が高く体長の半分以上。尾ビレの上端と下端付近に黒い斑紋がある。食べられる。
; [[トゲダルマガレイ]] :学名 ''{{sname||Bothus pantherinus}}''、英名 Leopard flounder、Leopard sole<br/>全長40cmまで。インド洋西太平洋。日本南岸、ハワイ、タヒチ(ソシエテ諸島、マルケサス諸島)からインド洋、ペルシャ湾、紅海。食べられる。
; [[コウベダルマガレイ]] :学名 ''{{sname||Crossorhombus kobensis}}''、英名 Kobe flounder<br/>全長最大12cm。太平洋北西部の日本南岸から南シナ海まで。
; [[ヤリガレイ]] :学名 ''{{sname||Laeops kitaharae}}''<br/>日本からアフリカ東岸までのインド洋から西太平洋。体はやや細く、頭部、口が小さい。
 
== 脚注 ==