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|学名 = ''Clostridium botulinum''<br />{{AU|van Ermengem 1896}}
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'''ボツリヌス菌'''([[学名]]:''Clostridium botulinum'')は、[[クロストリジウム属]]の[[細菌]]である。[[グラム染色#グラム染色性による分類|グラム陽性]]の[[大桿菌]]および偏性[[嫌気性生物|嫌気性菌]]。[[土]]の中に[[芽胞]]の形で広く存在する。菌は[[毒素]]の抗原性の違いにより
ボツリヌスの[[語源]]は[[ラテン語]]のbotulus(腸詰め、[[ソーセージ]])であり、[[19世紀]]の[[ヨーロッパ]]でソーセージや[[ハム]]を食べた人の間に起こる[[食中毒]]であったためこの名がついた。ハムやソーセージに[[発色剤]]として添加される硝酸塩は、発色作用よりもボツリヌス菌の繁殖を抑える目的で使用されている。[[1896年]]、[[ベルギー]]の医学者[[エミール・ヴァン・エルメンゲム]] (Emile van Ermengem) により発見・命名された。
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=== 予防と治療 ===
:ボツリヌス菌は芽胞となって高温に耐えることができるが、ボツリヌス毒素自体は加熱することで無害化する。A、B型菌を不活化させるには100℃で6時間、芽胞で120℃で4分間の加熱が必要であるが、ボツリヌス毒素自体は100℃で
:中毒になった場合、抗毒素はウマ血清のみ(ただし、乳児ボツリヌス症では致死率が低いこともあり、一般的に使われない)。毒素の型毎に抗毒素もある。一般に「食餌性ボツリヌス症に対する抗毒素の投与は発症から24時間以内が望ましい」とされるが、24時間以上経過での投与でも効果が有ることが報告された。<ref name="idsc3368" />
:ワクチンは研究者用にボツリヌス[[トキソイド]]が開発されているが、中毒になってから用いても効果がない。また、米国においてボツリヌス免疫グロブリンが開発されている。
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*[[1984年]]、[[熊本県]]で製造された真空パックの[[辛子蓮根]]を食べた36人(1都12県)がボツリヌス菌(A型)に感染し、内11名が死亡した。原料の[[レンコン]]を加工する際に滅菌処理を怠り、なおかつ真空パックし常温で保管流通させたために、土の中に繁殖する嫌気性のボツリヌス菌がパック内で繁殖したことが判明した。
*[[2006年]][[12月8日]][[厚生労働省]]は、[[井戸]]水の飲用から[[宮城県]]の0歳男児に乳児ボツリヌス症が発症したと発表。<ref name="r1">[http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/hourei/jimuren/h14/dl/061208-2.pdf 井戸水を原因食品とする乳児ボツリヌス症の報告について] 厚生労働省</ref>
:同省によれば、[[飲料水]]による同症が確認されたのは世界で初めてとのこと。乳児ボツリヌス症は、国内では1986年千葉県での初発例以来約20例(生後
*[[2012年]][[3月24日]]、[[鳥取県]][[米子市]]の60歳代夫婦が[[岩手県]][[宮古市]]のハニー食品が製造する「あずきばっとう」を食べてボツリヌス菌に感染した。
:ボツリヌス菌による食中毒の発生は5年ぶりで厚生労働省は[[3月26日]]注意を呼びかける文書を全国の自治体に送った。
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