「里帰り (落語)」の版間の差分
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ある日、田舎の老夫婦の元に三年前嫁いでいった娘が突然転がり込んでくる。いきなり何の連絡もなく、しかも夫も連れずに帰ってきた理由を父が問いただしてみると、どうやら夫の母親、つまり姑の嫁いびりに耐えかねて、家出してきたらしい。そのいびりの内容というのは、ご飯の炊き方一つで文句を言われたり、夕飯の買い出しに100円玉1枚だけ渡され、しょうがなく自分の金で買ってきたら泥棒呼ばわりされるなど、実に陰湿で典型的な内容だったのだが、父は「そんな人でも、お前の夫を産んで立派に育ててくれた人なんだから大切にしてやらなきゃいけない」と言って、夫の元へ帰るように言う。それが嫌な娘は、「帰ったら即刻姑を殺す」と言い放ち、娘がそこまで追い詰められていることを父は理解し、それならと[[ロージンバック]]ほどの大きさの袋に入った白い粉を渡す。なんでもその粉は、「たった一舐めしただけで、人間は即死し、さらには遺体からは何の毒物も検出されない」という夢のような毒薬だという。この粉を手にした娘は「こんないい毒が手に入ったからには、飛んで帰ってすぐ殺すわ!!」と言うが、父は「今殺したら世間で『世界一仲の悪い嫁姑』といううわさが立っているうちに殺すと、世間で『ついに嫁いびりに耐えかねて嫁が姑を殺した』といううわさが立つだろう。そうなったら証拠がなくとも警察はお前を取り調べる。そうなったらお前は俺の子だから、嘘を突き通せず殺人を認めてしまうだろう。俺は殺人には反対しないが、お前が逮捕されるのだけは反対する。だからこれから帰ってからは姑と仲が良いフリをして、世間の印象が『仲の良い嫁姑』になってから殺せ。世間に自然を装うのには少なくとも一年は我慢するんだ、いいな?」と言うと、娘も今までいびられ続けた時間に比べれば一年なんて短いと了解し、そのまま夫の元へ帰る。
それから一年後、娘が再び実家に振り袖で帰ってくる。なんでも一年間仲の良いフリをするはずが本当に仲良くなってしまい、その振り袖も帰省のことを姑に話したところ、大急ぎで仕立ててくれたものだと言う。さらにはその結果夫との仲も睦まじくなり、妊娠3ヶ月を迎えているらしい。そこで父が二人の世間での評判を聞くと「世界一仲の良い嫁姑」とまで言われているらしいので、そろそろ潮時だ、殺さないのかと聞くと、娘はもう殺意はとうの昔に消え失せたという。その途端、父は豹変したように怒り出し、「俺はこの毒のすごさを
== 関連項目 ==
* [[おすわどん]]
* [[そばの殿様]]
: いずれもサゲが似ている。
{{DEFAULTSORT:さとかえり}}
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