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『'''飛ぶ教室'''』(とぶきょうしつ、原題:''Das fliegende Klassenzimmer'')は、[[1933年]]に発表した[[エーリッヒ・ケストナー]]の[[児童文学]]小説である。世界30か国語以上に翻訳されている。
 
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=== ヨハン・ジギスムント高等中学生 ===
; “ヨーニー”ヨナタン・トロッツ
: 高等科1年生。[[ニューヨーク]]生まれだが、4歳のときにドイツ人の実父に捨てられ、単身ドイツへと渡らされる。読書家で、クリスマス劇『飛ぶ教室』の作者でもある。
; “マッツ”マチアス・ゼルプマン
: 高等科1年生。勉強は苦手だが、喧嘩が強く[[ボクサー (スポーツ)|ボクサー]]を志している。常に腹を空かせており、菓子やパンが手放せない。学校前の菓子店で、一袋20ペニヒの「お菓子のくず」を買うのを日課のようにしている。
; ウリー・フォン・ジンメルン
: 高等科1年生。von[[フォン (前置詞)|フォン]]の称号が示すように[[貴族]]出身。小柄な体格の持ち主で、臆病な性格をからかわれることが多かったが、ある事件を起こして勇気を示した。マチアスの親友。
; ゼバスチアン・フランク
: 高等科1年生。読書家で弁が立つ。実業学校の生徒との喧嘩の際は、軍使として活躍した。
; “3マークくん”マルチン・ターラー
: 高等科1年生。家が貧しいため、[[奨学金]]を受けている勤勉家。首席。絵画の才能もある。癇癪持ちの一面があり、自らの正義のためには手を上げる。ヨナタンの親友。“3マーク”は1[[ターラー (通貨)#ドイツのターラー|ターラー]]が3マークであることから。
; テオドル
: 最上級生で、寄宿舎第9室の室長。規則に厳しく、杓子定規なところがある。「美少年テオドル」と呼ばれることが多い。
; ルディ・クロイツカム
: 高等科1年生。同学校の国語(ドイツ語)教師を父に持つ通学生。下校途中に実業学校の生徒に拉致される。
; シュテッカー
: 中等科3年生。クリスマス劇『飛ぶ教室』でウリーの代役を務める。劇では金髪の[[かつら (装身具)|かつら]]を被って少女を演じたが、はまり役で喝采を博した。
 
=== 先生たち ===
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: 実業学校生のリーダー的存在。ルディを拉致し、家の地下室に監禁した。
; ハインリヒ・バベルカ
: マチアスと一騎ちの対決をした。
 
== 作中における『飛ぶ教室』 ==
タイトルの『飛ぶ教室』は、クリスマスに上演する劇として作中に登場する。これはヨナタンが書いた[[戯曲]]で、学校が将来どのように運営されるかを描いており、5幕から構成される。[[舞台監督]]はヨナタンが兼任し、絵が得意なマルチンが[[背景画]]を担当した。稽古は体育館で行い、長期休暇前の最後の日の晩に披露した。
 
物語のあらすじは、中学校の教師が生徒たちと飛行機に乗り、[[ヴェスヴィオ|ベスビアス火山]]、[[ギーザ|ギゼー]]の[[ピラミッド]]、北極を回って現地を学習する、というものである。教師と生徒たちはその後、飛行機の故障と操縦の失敗により[[天国]]へ行き、出演者と観客が「[[きよしこの夜]]」を歌って劇は締めくくられる。
 
劇中の主な登場人物と出演者は、中学校の教師(ゼバスチアン)、遍歴学生の妹(シュテッカー)、[[ラムセス2世]](ヨナタン)、[[ペトロ|ペテロ]](マチアス)である。当初、遍歴学生の妹役はウリーが演じる予定だったが、公演前日にけがを負ったため降板し、シュテッカーが代役を務めた。
 
== 日本語 ==
*山口四郎訳、[[講談社文庫]] 1983年、(少年少女世界文学館 15)講談社 1987年、[[青い鳥文庫]](イラスト:滝平加根)1992年、講談社文庫(イラスト:[[桜井誠 (挿絵画家)|桜井誠]])2003年
*[[高橋健二 (ドイツ文学者)|高橋健二]]訳、ケストナー少年文学全集 (4) [[岩波書店]](イラスト:[[ヴァルター・トリアー]])1962年
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*[[那須田淳]]・[[木本栄]]訳、[[角川つばさ文庫]](イラスト:patty) 2012年
 
== 舞台 ==
2011年10月13日~11から11月6日に[[演劇集団キャラメルボックス]]によって舞台化されている。翻訳は山口四朗訳(講談社文庫)で、構成・演出は[[成井豊]]。
 
===出演===