「カテゴリー錯誤」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
m ボット: 言語間リンク 7 件をウィキデータ上の (d:Q1735821 に転記)
Onyx (会話 | 投稿記録)
編集の要約なし
1行目:
'''カテゴリー錯誤'''(category mistake, category error)とは、対象に固有の[[属性]]をその属性をどうあっても持つことのできないものに帰すという、[[意味論]]的あるいは[[存在論]]的な誤りである。
 
あらゆる(陳述の)誤りは、固有の属性をなんらかの意味で誤って[[帰属]]させる(ある事柄をそれが属していない[[クラス]]に分類する)ことを含んでいるから、ある意味で、すべての誤りはカテゴリー錯誤であると言える。しかし、哲学的によく用いられる意味でのカテゴリー錯誤は、最も厳密な形態の帰属の誤り、すなわち'''論理的に不可能なものを是認すること'''であると思われる。例えば、「その本のビジネスは永遠に眠る」という陳述は[[統語論]]的に正しいが、無意味な戯言であり、せいぜい何かの[[比喩]]と見ることができるに過ぎない。なぜならこの陳述は、「永遠に眠る」という属性を「ビジネス」に誤って帰属させているからであり、「ビジネス」という属性を「本」という[[トークン]]に誤って帰属させているからである。
 
カテゴリー錯誤が生じていることの証明は典型的には次の方法で行われる。すなわち、当該の[[現象]]が正しく理解されれば、その現象について行われているある主張がどうあっても正しいはずがない、ということを示すのである。例えば、「多くのアメリカ人は無神論者である」という主張は誤っているが、カテゴリー錯誤ではない。なぜなら、多くのアメリカ人が無神論者でないかどうかは[[偶然]]の結果であるにすぎないからである。