削除された内容 追加された内容
Watson system (会話 | 投稿記録)
Watson system (会話 | 投稿記録)
211行目:
第四紀は人類の時代とされる。人類は樹上生活していた霊長類のうち、アフリカに住んでいた類人猿から派生した。約440万年前のエジプトの地層から類人猿と分かれて直立二足歩行した[[ラミダス猿人]]の化石が日本の調査隊によって1992-1993年に発掘され、その後ラミダス猿人の亜種は約580万年前までさかのぼることが判明した。ラミダス猿人の次に[[アウストラロピテクス]](アファール猿人)が登場する。アウストラロピテクスの化石はエチオピアや南アフリカの約250万年前-350万年前の地層から見つかっているが、骨格化石や足跡の化石から確実に二足歩行していたことが確認された。歩行から開放されたアウストラロピテクスの手は物をつかんだりする以外に、石を加工して石器を作ることができるようになった<ref group="注釈">250万年前のエチオピアで猿人が石器を使用した痕跡が発見されている「地球生物学」 P180 </ref>。アファール猿人から2種の猿人が派生した。硬い植物を食べるために頑丈な顎を発達させた猿人と、肉食による動物性タンパク質の摂取によって脳を発達させ、石器を活用した猿人である。前者は約100万年前にすべて絶滅してしまい、後者の系統の[[ホモ・ハビリス]](脳容積は600mlあって、チンパンジーの300-400mlよりはるかに大きい)が現在の人類に続いている。次の[[ホモ・エレクトス]]は脳容積を850mlに増やし、生存場所もインドネシア([[ジャワ原人]]約20-100万年前)や中国([[北京原人]]約35-50万年前)に拡大した。ヨーロッパでは少し遅れて約3万-25万年前の地層から[[ネアンデルタール人]]が見つかっている。現生人類の[[ヒト|ホモ・サピエンス]]は、ミトコンドリアDNA分析の結果から約20万年前のアフリカで生まれたとされる。ホモ・サピエンスは厳しい氷期の気候にも適応して、世界各地に生存領域を広げていった。ホモ・サピエンスは約10万年前にアフリカを出て中東に達し、北のヨーロッパへ向かったグループと、東に向かったグループに分かれた。東に向かったグループは南アジアを進み、インドネシアの島嶼伝いにオーストラリアに達し(約5-6万年前)有袋類のみの世界であったオーストラリアを改変した。インドから東へ向かったグループは中国を経由してシベリアには約2.5-3.5万年前に到達、更に氷河に覆われたベーリング海峡を渡って約1万2千年前には北アメリカに到達した<ref>以上第四紀の人類の歴史については「地球生物学」 P176-P183</ref>。
 
集団で効率的に狩りをするホモ・サピエンスは地上で最強の捕食狩猟者であり<ref name="GB182">「地球生物学」 P182</ref>、多くの動物を狩猟の対象とした。多くの大型動物が約1万年前に絶滅したが、丁度氷期から間氷期に移行する時期に相当し、気温の変化により植生が変わって食物等がなくなって絶滅した種もあるが、人類によって滅ぼされた種もあると見られている。最近数百年間でも[[ドードー]]や[[ステラーカイギュウ]]などのように人類によって短期間に狩りつくされた種がある。
 
第四紀の哺乳類全体の傾向として、新第三紀に比べて種や個体数が減少したことがあげられる。長鼻目は一時オーストラリアを除く全世界に分布したが現在はインドとアフリカに2種を残すのみ、奇蹄類のサイも現生種は5種、同じく奇蹄類のウマ類も種数を大幅に減らした<ref name="FUTL303">「魚陸に上る」 P303</ref>。