「ボイジャー1号」の版間の差分

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| 最大寸法 =
| 質量 = 721.9kg
| 発生電力 = [[原子力電池]](420(470[[ワット|W]], 30[[ボルト_(単位)|V]], 打ち上げ当初
| 主な推進器 =
| 姿勢制御方式 =
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| 搭載機器説明15 =
}}
'''ボイジャー1号''' (Voyager 1) は[[1977年]]に打ち上げられた[[太陽圏]]外を飛行中の[[アメリカ航空宇宙局|NASA]]の無人[[宇宙探査機]]である。
 
== 概要 ==
[[File:Voyager spacecraft structure.jpg|thumb|right|220px|ボイジャー1号の構造図]]
ボイジャー1号は[[1977年]][[9月5日]]に打ち上げられ、2011年<!-- 修正時点で2012年は未だ完結していないので前年の表記としておく -->現在も運用されている。同機は[[地球]]から最も遠い距離に到達した人工物体となっており、[[太陽]]の影響圏から広大な[[星間空間]]へと遷移する空間を飛行している。[[2004年]][[12月]]に末端衝撃波面を通過し、[[2012年]][[8月25日]]頃に[[太陽圏]]を脱出し、太陽圏外探査へ踏み出した<ref name="voyager20130912"/>。2013年9月126日現在、太陽から約188187.52億kmの距離を秒速17,030m(037m(時速61,308km)333km)で飛行中<ref name="voyager201309122013-09-06">[http://voyager.jpl.nasa.gov/mission/weekly-reports/2013-09-06.html Voyager Mission Operations Status Report # 2013-09-06 Week Ending September 6, 2013]</ref>。
 
ボイジャー1号は太陽から約140億km(約95[[天文単位|AU]])の距離で[[ヘリオポーズ|末端衝撃波面]]を越え、太陽圏と星間空間の間の衝撃波領域である[[ヘリオポーズ|ヘリオシース]]に入ったと見られている。その後、ボイジャー1号がヘリオポーズを通過し、研究者が星間物質の状態を直接観測したデータを初めて得ることができた。
 
2013年9月6日現在のボイジャー1号の距離では、探査機からの信号が[[ジェット推進研究所]]の管制センターに届くまでには[[光速]]で片道17.40時間21分56秒<ref>[http://www.heavens name="2013-above.com09-06"/SolarEscape.aspx?lat=0&lng=0&loc=Unspecified&alt=0&tz=CET Spacecraft escaping the Solar System]</ref>かかる。ボイジャー1号は[[双曲線軌道]]に乗り、太陽の[[宇宙速度#第三宇宙速度|脱出速度]]に達している。ボイジャー1号は[[パイオニア計画|パイオニア10号や11号]](共に運用終了)、姉妹機である[[ボイジャー2号]]とともに星間探査機へと役割を変えている。
 
ボイジャー1号の最初の目標は[[木星]]と[[土星]]及びそれらに付随する[[衛星]]と[[環 (天体)|環]]であった。2011年現在のミッションはヘリオポーズの検出と[[太陽風]]や[[星間物質]]の粒子観測である。2機のボイジャー探査機ではそれぞれ3個の[[原子力電池]]が電力を供給している。この発電装置は当初想定されていた寿命を大幅に超えて2013年現在も稼動している。1977年当時は470W供給していた原子力電池は、2008年の時点で285Wに落ちた。すでに、一部の観測装置の電源を切始めていて、[[20202025年]]頃までは地球との通信を維持するのに十分な電力を供給できると期待されている<ref>[http://voyager.jpl.nasa.gov/spacecraft/spacecraftlife.html Voyager - Spacecraft Lifetime]</ref>
 
以下の順番で観測装置の電源を切っている。
* 2007年 - [[プラズマ]]サブシステム (PLS) とそのヒーター
* 2008年 - Planetary Radio Astronomy (PRA) 装置
* 2010年 - スキャンプラットフォームと[[紫外線]]観測装置
* 2015年 - データテープレコーダー
* 2016年 - [[ジャイロスコープ]]
* 2020年の時点で以下の装置が動いている予定。Low-Energy Charged Particles, [[宇宙線]]サブシステム, [[磁力]]計, [[プラズマ波]]サブシステム。これらをどの順番で切るかは、まだ未定。
 
ボイジャー1号は太陽系外に向かって飛行中、太陽風の速度が、それまでの時速112万kmから16万km以下に極端に落ちた。また太陽系外の星間物質(ガス)が検知された。これらからボイジャー1号が末端衝撃波面(Termination Shock)を通過していることが判明した。
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== 星間ミッション ==
[[File:Family portrait (Voyager 1).png|thumb|right|240px|1990年2月14日に撮影された「太陽系家族写真」]]
2機のボイジャー探査機は[[20202025年]]頃まで、少なくとも観測装置の一部については十分稼動できる電力を供給できると見られている。
 
1990年2月14日、ボイジャー1号は2号の進行方向の観測を兼ねて、太陽系の各惑星を60枚の連続写真に収める「[[太陽系家族写真]]」の撮影を行っている。画像では全ての惑星が点にしか写らなかった。[[水星]]は太陽に近すぎて、[[火星]]は太陽の光に霞んで写らず、[[冥王星]](当時は惑星に分類されていた)は遠すぎて視野に入らなかった。
 
ボイジャー1号は、[[ボイジャー2号]]と共に、[[太陽系]]の外から来る[[紫外線]]の波長域の1つ「[[ライマンα線]]」を観測してい。その中には、地球からの観測では知られていなかった線源も含まれている。ライマンα線は、地球からの観測では、[[星間物質]]に散乱される太陽放射のせいでうまく捕らえることができないものである。
 
=== ヘリオシース ===
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[[2011年]][[8月20日]]現在、ボイジャー1号は太陽から約177億150万km(118.010AU)の距離にあり、ボイジャー1号の速度は太陽との相対速度で17.056km/s(3.598AU/年)で、[[ボイジャー2号]]より約10%速い。
 
{| class="wikitable" style="text-align: right;"
[[2013年]][[9月12日]]現在、[[太陽圏]]外に出たボイジャー1号は太陽から約188億km(125AU)の距離にある<ref name="voyager20130912"/>。ボイジャー1号の速度は太陽との相対速度で17.030km/s(3.593AU/年)で、ボイジャー2号より約10%速い。
|+ ボイジャー1号の現在位置<ref>[http://voyager.jpl.nasa.gov/mission/weekly-reports/ Voyager Weekly Reports]</ref>
|-
! 日付 !! 太陽からの距離 (億km) !! 太陽との相対速度 (km/sec)
|-
| 1996年1月5日 || 92.37 || 17.445
|-
| 1997年1月3日 || 97.78 || 17.395
|-
| 1998年1月2日 || 103.16 || 17.351
|-
| 1999年1月1日 || 108.54 || 17.314
|-
| 2000年1月7日 || 114.03 || 17.283
|-
| 2001年1月12日 || 119.51 || 17.258
|-
| 2002年1月4日 || 124.78 || 17.236
|-
| 2003年1月3日 || 130.15 || 17.216
|-
| 2004年1月2日 || 135.57 || 17.203
|-
| 2005年1月7日 || 141.04 || 17.180
|-
| 2006年1月6日 || 146.41 || 17.159
|-
| 2007年1月5日 || 151.76 || 17.136
|-
| 2008年1月4日 || 157.12 || 17.110
|-
| 2009年1月2日 || 162.47 || 17.093
|-
| 2010年1月1日 || 167.81 || 17.074
|-
| 2011年1月7日 || 173.26 || 17.060
|-
| 2012年1月6日 || 178.59 || 17.049
|-
| 2013年1月4日 || 183.93 || 17.042
|}
 
ボイジャー1号は地球から最も遠くに到達した人工物となっている。特定の[[恒星]]をまっすぐ目指しているわけではないが、仮に太陽系に最も近い恒星系である[[ケンタウルス座アルファ星]]に向かったとしても、到着するまでには約8万年かかる。
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== 外部リンク ==
* [{{Official|http://voyager.jpl.nasa.gov NASA のボイジャー計画公式サイト]/}}
* [http://voyager.jpl.nasa.gov/spacecraftmission/weekly-reports/spacecraftlife.html ''Voyager''Weekly SpacecraftMission LifetimeReports] - ボイジャー星間ミッションの予定現在位置、速度。毎週発表。
* [http://www.heavens-above.com/SolarEscape.aspx?lat=0&lng=0&loc=Unspecified&alt=0&tz=CET Spacecraft escaping the Solar System] - 現在位置、軌道図
* ニュース発表
* [http://www.cnn.com/2005/TECH/space/05/25/voyager.space/index.html CNN: NASA: Voyager I enters solar system's final frontier] - May 25, 2005
** [http://voyager.jpl.nasa.gov/mission/weekly-reportsnews/enter_final_frontier.html Voyager Enters Solar WeeklySystem's MissionFinal ReportsFrontier] - 現在の探査機の状態2005年5月24日発表、末端衝撃波面に到達
** [http://www.jpl.nasa.gov/news/news.php?release=2013-277 NASA Spacecraft Embarks on Historic Journey Into Interstellar Space] - 2013年9月12日発表、恒星間空間に到達
* [http://www.nasa.gov/mission_pages/voyager/voyager20130912.html 恒星間空間に達したことに関するNASAの公式発表] -Sept 12, 2013
 
 
{{Jupiter spacecraft}}