削除された内容 追加された内容
Addbot (会話 | 投稿記録)
m ボット: 言語間リンク 6 件をウィキデータ上の d:q60587 に転記
5次元人 (会話 | 投稿記録)
編集の要約なし
3行目:
 
== 概要 ==
形式は、[[八脚台]]という木の台の上に枠を組み、その中央に[[榊]]の枝を立て、[[紙垂]]と[[コウゾ|木綿]](ゆう)を取り付けたものである。なお、神籬には、[[常緑樹]](常磐木)が用いられてきており、榊のほか、[[松]]なども使用されている<ref name="Esoterica">{{Cite book|和書|author=|authorlink=|title=神道行法の本―日本の霊統を貫く神祇奉祭の秘事|origdate=2005-2-25|accessdate=|edition=|publisher=[[学研ホールディングス|学研]]|series=|isbn=9784056037753}}</ref>
 
古来、[[日本人]]は自然の山や岩、木、海などに神が宿っていると信じ、信仰の対象としてきた。そのため、古代の神道では神社を建てて社殿の中に神を祭るのではなく、祭の時はその時々に神を招いてとり行った。その際、神を招くための巨木の周囲に[[玉垣]]をめぐらして[[注連縄]]で囲うことで神聖を保った。ち、古くはその場所'''神籬'''と呼んだばれた。次第に神社が建てられるようになり、祭りも社殿で行われるようになったが、古い形の神社は、建物の中に玉垣を設けて常盤木([[常緑樹]]、つまり榊など)を立てて神の宿る所とし、祭るものであった。後にはこの常盤木を'''神籬'''と呼ぶようになった。現在は、神籬は[[地鎮祭]]などで用いられる。
 
== 語意 ==
「ひもろぎ」(古代には「ひもろき」)の語源は、「ひ」は神霊、「もろ」は天下るの意の「あもる」の転、「き」は木の意とされ、神霊が天下る木、神の依り代となる木の意味となる<ref name="Esoterica" />
 
「ひもろぎ」(古代には「ひもろき」)の語源は、「ひ」は神霊、「もろ」は天下るの意の「あもる」の転、「き」は木の意とされ、神霊が天下る木、神の依り代となる木の意味となる。
※異説:檜(ひのき)榁(むろのき)松(まつのき)などのように、待ち合わせの目印となる高木。会う、群がる木の意。但し、末尾の「き」とは[[上代特殊仮名遣|甲類]]で乙類の「木」と音韻上違い、語源的には無関係である<ref>時代別国語大辞典上代編(1967年、624頁)</ref>。
 
漢字の「神籬」は宛て字であり<ref name="Esoterica" />、「籬」は竹や柴で作られた垣根を意味する<ref name="kangorin">{{Cite book|和書|author=[[鎌田正]]、米山寅太郎|authorlink=|title=新版 漢語林|origdate=1994-4-1|accessdate=|edition=七版|publisher=[[大修館書店]]|series=|isbn=9784469031072}}</ref>。なお、「垣」も垣根を意味するが、こちらはもともと土塀(土で作られた垣根)を意味していたのが、広く垣根全般を指すようになったものである<ref name="kangorin" />。ちなみに、「垣籬(えんり)」あるいは「籬垣(りえん)」という熟語もまた、竹や柴の垣根を意味する<ref name="kangorin" />。
漢字の「籬」は垣根のことであり、「籬」は竹「垣」は石などで作られた物であるが、「垣」だけが常用漢字として両方に使われるようになった。
 
なお、「神籬」の本来の読み方は「かみがき」「みづがき」であった。
 
「胙」「膰」「燔」にも「ひもろぎ」の字訓が宛てられているが、これらの元々の意味は神前に供える肉であり、「神籬」と表記する場合とは大きく意味が異なる<ref name="kangorin" />。
 
== 歴史 ==
「胙」「膰」「燔」にも「ひもろぎ」の字訓が宛てられているが、これらの元々の意味は神前に供える肉である。日本には古代から現代に至るまで神前に肉を供える習慣はなく{{要出典|date=2008年10月}}、中国の風習である。漢字だけが日本に入ってきたが、その文字が指す実体は日本にはなかったということになる。これらに「ひもろぎ」の読みが宛てられたのは、神へ供物のことも「ひもろぎ」と呼んでいた時期があったためと考えられる。
[[日本神話]]の[[天孫降臨]]において、[[タカミムスビ|高御産巣日神]](高木神(たかぎのかみ)とも呼ばれる樹神)は、[[天児屋命|天児屋根命]]と[[フトダマ|太玉命]](祭祀を行う[[忌部氏]]の祖とされる)に、「天津神籬と天津磐境を起こし樹(た)てて、常にわが天孫のために斎(いわ)い祭りなさい」と命じたとされる<ref name="Esoterica" />。
 
== 脚注 ==
20 ⟶ 26行目:
 
== 参考文献 ==
* {{Cite book|和書|author=|authorlink=|title=神道行法の本―日本の霊統を貫く神祇奉祭の秘事|origdate=2005-2-25|accessdate=|edition=|publisher=[[学研ホールディングス|学研]]|series=|isbn=9784056037753}}
* {{cite book
* {{Cite book|和書|author=上代語辞典編修委員会|authorlink=|title = 時代別国語大辞典上代編 | publisher = [[三省堂]] | year = 1967 | isbn = 9784385132372}}
| last = 澤瀉
* {{Cite book|和書|author=[[鎌田正]]、米山寅太郎|authorlink=|title=新版 漢語林|origdate=1994-4-1|accessdate=|edition=七版|publisher=[[大修館書店]]|series=|isbn=9784469031072}}
| first = 久孝
| title = 時代別国語大辞典上代編
| publisher = 三省堂
| year = 1967
| isbn = 4-385-13237-2
}}
 
== 外部リンク ==
35 ⟶ 36行目:
*[[磐座|磐座・磐境]]
 
{{DEFAULTSORT:ひき}}
[[Category:神道]]
[[Category:神祭具]]