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'''藤田スケール'''(ふじたスケール、{{
== 背景 ==
[[1971年]]、[[シカゴ大学]]名誉教授の[[藤田哲也 (気象学者)|藤田哲也]]が、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の暴風雨予測センター
だが、藤田スケールはあくまで竜巻による被害の大きさを示したものであり、竜巻の厳密な[[風速]]を求める設計にはなっていなかったため、スケールでは階級ごとに風速が定義されているものの、実際の被害の程度と推定される風速が一致しないことも少なからずあった。藤田スケールでは、比較的強いトルネード(特に
[[File:Fujita scale technical.svg|thumb|right|300px|風速に関係する3つのスケールの相互関係を表した図。<br>青: ビューフォート風力階級<br>赤: 藤田スケール<br>緑: マッハ数]]▼
== スケールの由来と発展 ==
▲[[File:Fujita scale technical.svg|thumb|right|300px|風速に関係する3つのスケールの相互関係を表した図。<br>青
藤田が提唱したスケールの原型はF0からF12までの13階級であった。これは、[[ビューフォート風力階級]]や[[マッハ数]]との互換性を保つために考慮した上での措置であった。F1で定義された風速の範囲がビューフォート風力階級の風力12に対応する一方で、藤田スケールの最高階級であるF12の風速は、マッハ1.0に相当する(右図)。さらに、F0は被害がない状況を想定した階級である(なお、風速について言えば、おおよそビューフォート階級の風力8に相当する)。これと比較すると、ビューフォート階級の風力0の状態がいかに無風であるかについて理解できる。これらの風力値から、藤田スケールの階級ごとに充てられる、被害について記述した定性的な説明文が作成され、そして、それらの文章を用いてトルネードが分類される<ref name="enhancedIntro">[http://www.spc.noaa.gov/efscale/ Storm Prediction Center Enhanced Fujita
藤田がトルネードのスケールを着想した当時、風によってもたらされる損害に関する情報はわずかであった。そのため、藤田のスケールが試みた具体的な被害状況の記述は経験的な推測による内容にすぎなかった。藤田は、現実に地球上で発生し得る竜巻の分類には、F0からF5までが実用的だろうと考えた。しかしながら、将来的に竜巻の被害分析手法がさらに発展した暁に、藤田スケールが再び使用される可能性があることを見越して、「想像もつかないほどの竜巻(Inconceivable
{{-}}
== 藤田スケール階級表 ==
以下、7つの階級を強度の弱い方から順に示す。
{| class="wikitable" style="font-size:90%; line-height:1.4em; margin-right:0px
!rowspan="2" style="white-space:nowrap"|階級!!colspan="3"|推定風速!!rowspan="2" style="white-space:nowrap"|相対度数!!rowspan="2" colspan="2"|想定される被害
|-
![[マイル毎時|mph]]!![[キロメートル毎時|km/h]]!![[メートル毎秒|m/s]]
| 73未満 || 117未満 || 32未満 || 38.9% || 被害は比較的軽微。煙突の損傷、木の枝が折れる、根の浅い木が傾く、道路標識の損傷など。 || [[File:F0 tornado damage example.jpg|150px|F0の被害例]]▼
|-
▲|style="text-align:center; background-color:#{{storm colour|storm}}"|'''F0'''||73未満
| 73–112 || 117–180 || 33–49 || 35.6% || 中程度の被害。屋根がはがされたり、自動車で引く移動住宅などは壊れたりひっくり返ったりする。移動中の自動車は道から押し出される。壁続きのガレージは破壊される。 || [[File:F1 tornado damage example.jpg|150px|F1の被害例]] ▼
|-
▲|style="text-align:center; background-color:#{{storm colour|cat1}}"|'''F1'''||73–112
| 113–157 || 181–253 || 50–69 || 19.4% || 大きな被害。家の壁ごと屋根が飛び、強度の弱い木造住宅や移動住宅などは破壊され、貨車は脱線したりひっくり返ったりし、大木でも折れたり根から倒れたりする。軽いものは[[ミサイル]]のように飛び、車は横転したり数十メートル程度飛んだりする。 || [[File:F2 tornado damage example.jpg|150px|F2の被害例]] ▼
|-
▲|style="text-align:center; background-color:#{{storm colour|cat2}}"|'''F2'''||style="white-space:nowrap"|113–157
| 158–206 || 254–332 || 70–92 || 4.9% || 重大な被害。建て付けの良い家でも屋根と壁が吹き飛ぶ。列車は脱線転覆、森の大半の木は引っこ抜かれ、ダンプカーなどの重い車でも地面から浮いて飛んだりする。 || [[File:F3 tornado damage example.jpg|150px|F3の被害例]] ▼
|-
▲|style="text-align:center; background-color:#{{storm colour|cat3}}"|'''F3'''||158–206
| 207–260 || 333–418 || 93–116 || 1.1% || 深刻な大被害。建て付けの良い家でも基礎が弱いものはちょっとした距離を飛んでいき、車は大きなミサイルのように飛んでいく。 || [[File:F4 tornado damage example.jpg|150px|F4の被害例]] ▼
|-
▲|style="text-align:center; background-color:#{{storm colour|cat4}}"|'''F4'''||207–260
| style="white-space:nowrap;" | 261–318 || style="white-space:nowrap;" | 419–512 || style="white-space:nowrap;" | 117–141 || style="white-space:nowrap;" | 0.1%未満 || あり得ないほどの甚大な壊滅的被害。強固な建造物も基礎ごと吹き飛んでいってしまい、自動車大の物がミサイルとなって数百メートルを超過して空を飛び交い、どこからともなく大型トラックが降ることもある。樹木も根こそぎ宙を舞い、とにかく信じられないような大惨事になる。 || [[File:F5 tornado damage example.jpg|150px|F5の被害例]]▼
|-
▲|
|-
|style="text-align:center; background-color:#ff3030"|'''F6'''||319–379
|}
== 改良藤田スケール
{{Main|改良藤田スケール}}
1971年に導入され、数々のトルネードを分類してきた藤田スケールは経験的推測に頼る部分が大きかった。藤田とその研究仲間たちは、導入後すぐにその不備を認めて、徹底的な技術的分析に乗り出した。この研究によって、藤田スケールで定義された各階級の損害に相当する風速は、実際には藤田スケールで示したものより低いことが判明した。また、藤田スケールにおける、風速による竜巻の被害想定は一般的家屋を想定していたが、低い風速でも建築物に大きな損害を与えることが考えられ、建築物の強度などの要因に対する考察は不完全なままであった。この問題に対処するべく、藤田は1992年に'''修正藤田スケール'''
アメリカ合衆国では、より正確な改良藤田スケール
従来の藤田スケールは、TORROスケールが用いられている一部の地域を除いては、2008年現在も、竜巻の規模を示す指標として、国際的に広く用いられている。
日本では気象庁が2007年4月1日から「藤田スケール」を予報用語に追加した<ref>[http://www.jma.go.jp/jma/press/0703/29b/yougo_kaisei.html 気象庁 | 平成19年報道発表資料 予報用語の改正について]</ref>。
== 脚注 ==▼
{{Reflist}}▼
== 参考文献 ==
* {{Anchor|fujita1971|}}藤田哲也、1971年「Proposed characterization of tornadoes and hurricanes by area and intensity」『SMRP Research Paper』(シカゴ大学)91巻、{{Internet archive|nasa_techdoc_19720008829}}
▲== 脚注 ==
▲{{Reflist}}
== 関連項目 ==
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== 外部リンク ==
{{Commons|Fujita Scale}}
* [http://www.noaanews.noaa.gov/stories2006/s2573.htm NOAAニュース]
* [http://www.spc.noaa.gov/efscale/ 改良藤田スケール
* [http://web.archive.org/web/20090123123901/http://www.wind.ttu.edu/F_Scale/ 藤田スケール改良計画] - テキサス工科大WISEセンター
{{Climate-stub}}
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