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{{出典の明記|date=2013年3月}}
'''オーバークール'''とは、[[自動車]]の水冷[[エンジン]]等に用いられる用語で、[[オーバーヒート]]とは逆の過冷却状態の事。それによる機器の不具合が起こった際にも用いられる。
 
==自動車のエンジン==
 
原則として、適切に設計された[[空冷エンジン]]においては発生しない。本現象は主として、[[水冷エンジン]]において発生する。
普通エンジンは稼働している間は機械動作における[[摩擦]]や[[混合気]]の[[燃焼]]の際に[[発熱]]し、放置すると直ぐに過熱するため[[ラジエーター]]等冷却装置により温度を一定に保っている。機種にもよるがエンジンを安定して稼働させるのに丁度良い[[冷却液]]の温度が約75~90℃といわれている。ただ外気温が著しく低いと当然冷却液の温度は下がる。冷却液が冷た過ぎるのだから勿論エンジン温度は通常より下げられ、下手をするとエンジンから発生する熱と冷却の度合いが釣り合わなくなる。この様にして、エンジンの適正温度を大きく下回ると、アイドリングが安定しなくなったり、[[エンジンストール]]を引き起こすこともある。極寒地域でない限り起こりにくい現象だが、原因としては次のようなものがあげられる。
水冷エンジンは、稼働中に発生する[[熱]]を冷却水の循環により排出しているが、[[冷間始動]]など、エンジンが適切な温度にまで温まっていない場合には冷却水の経路から[[ラジエーター]]を外し、エンジン内でのみ循環して素早くエンジンを温め、熱膨張によりエンジンは適切な寸法となり、燃焼状態も最適化するような動作を行うよう設計されている。
しかし、本現象により適切な加温ができない場合、[[エンジンストール]]や、[[アイドリング]]の不調、エンジンの寸法が適切とならないため部品の摩耗が早まる、冷間始動の際に素早くエンジンを温めるようプログラムされたエンジン制御コンピュータにより、アイドリング回転数が上昇した暖気運転状態がいつまでも続くため燃料消費量が増大するなど多岐にわたる不具合が発生する。
また、本現象により冷却水温度が上昇しない場合、車内の[[暖房]]装置(熱源として、温まった冷却水を使用する構造のもの)も適切に機能しないため、運転者の快適な運転環境も妨げる事になる。
 
主な原因として、以下が考えられる
*[[サーモスタット]]の不具合か、気候に合ったものを使用していない。
 
*[[サーモスタット]]の不具合により、常にラジエーター側へ冷却水が流れているか、設定温度の選択に誤りがある。
*エンジン回転数が低い。
*自動車の使用推奨環境を守っていない。
 
予防策としては、寒冷地等ではエンジン回転数を高めに保つ、サーモスタット、冷却液等を使用環境にあったものに交換する、万が一起きてしまったらラジエターを[[ダンボール]]など厚めの紙で半分ほど覆うなどである。逆の現象であるオーバーヒートとは違なり、ただちに運転を取りやめて修理を行う必要は原則としてない。
余談だが、[[ロシア]]等寒冷地の貨物[[トラック]]は、エンジンを切ると凍って動かなくなるという理由で3週間以上エンジンをかけっぱなしにしていたりする。
 
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