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抽象[[代数学]]において減法は多くの場合、加法の[[逆演算]]として定式化されて加法に統合される。たとえば[[自然数]]の間の減法は、[[整数]]への[[数]]の拡張により、数を引くことと負の数を加えることとが同一視されて、減法は加法の一部となる。またこのとき、常に大きいものから小さいものを減算することしかできない自然数の体系に対して、整数という体系では減算が自由に行えるようになる(整数の全体は、逆演算として減法を内包した加法に関して[[アーベル群]]になる)。
 
== 初等教育における減法の指導  求残・求補・求差 ==
[[File:AnimeKyuuzanKyuuho.gif|thumb|right|(問 1)のような問題も、家に残されたカニに注目すれば「カニが3匹残された」という「求残」の問題だが、遊びに行ったカニに注目すれば「あと3匹いれば全員そろう」という「求補」の問題になる。]]
[[File:KyuuhoKyuusa.gif|thumb|right|「カニはカメより何匹多いか」という問題を「カメがあと3匹いればカニと同じ数になる」と考えれば、これは「求補」の問題である。]]
[[File:AnimeKyuuzanKyuusa.gif|thumb|right|「カニはカメより何匹多いか」という問題を「カニとカメのペアをつくると、相手がみつからないカニが3匹残る」と考えれば、これは「求残」の問題である。]]
5-2=3 という式には、すくなくとも3つの解釈が考えられる。
 
:(1) 5つあったところから2つ取り除くと残りは3つである。
:(2) 2つあるところに3つ補なえば全部で5つになる。
:(3) 52よりも3だけ多い。
 
これらは、いずれも523の和として捉えているという点で本質的に同じであるが、視点の違いによって3通りの解釈があると考えられる。
 
算数の文章題を(1),(2),(3)の解釈に関連づけて、それぞれ「'''求残'''」「'''求補'''」「'''求差'''」と呼んで区別すべきであるとする主張がある。
しかし、このような区別は多分に個々人の感覚に依存するものであり、ある者には区別があるように感じられるが、他の者には区別をする必然性を全く感じないこともすくなくない。
 
:(問 1) まりこさんの家にカニが5匹います。そのうち2匹が海に遊びにいきました。いま、まりこさんの家に何匹カニがいますか。
:(問 2) まりこさんの家にカニが2匹います。あと何匹いれば5匹になりますか。
:(問 3) まりこさんの家にカニが5匹、カメが2匹います。カニはカメより何匹多いですか。
 
出題者が(問 1),(問 2)をそれぞれ「求残」「求補」の問題として出題したとしても、問題を解く側はそのように考えるとはかぎらない。まりこさんの家に残されたカニの立場で考えれば「3匹残された」ということになるし、遊びに行ったカニの立場で考えれば「あと3匹いれば全員そろう」ということになる。「求残」なのか「求補」なのかは個々人の感覚によって異なるし、そもそもそのような区別じたい考えられないという者もある。
 
出題者が(問 3)を「求差」の問題として出題したとしても、問題を解く側はそのように考えるとはかぎらない。「カメがあと3匹いればカニと同じ数になる」と考えれば「求補」である。「カニとカメのペアをつくることを考えると、相手がみつからないカニが3匹いる」と考えた者にとっては「求残」である。そもそも「求残」「求補」「求差」を区別することじたい考えられないという者もある。
 
東京工業大学教授の[[遠山啓]]を中心として結成された数学教育協議会は、(問 1)に比べて(問 3)のような問題のほうが児童にとって理解しづらいと報告している。それゆえ、(問 1)のような問題を出題した後で(問 3)のような問題を出題するほうが教育効果が高いと推定される。このように、同様の問題であっても感覚的にわかりづらいことがあるため、教育上の配慮が必要になるという見解がある。
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** 差は 0 である。
 
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; 2 数の符号が異なる場合