「日本の鉄道事故 (2000年以降)」の版間の差分

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==== 函館本線貨物列車脱線事故(2013年9月) ====
; [[2013年]](平成25年)[[9月19日]]18時5分頃<ref name="doshin20130920">「大沼駅 貨物4両脱線」『北海道新聞』 2013年9月20日付け朝刊、1面。</ref>([[列車脱線事故]])
: [[北海道]][[亀田郡]][[七飯町]]のJR北海道[[函館本線]][[大沼駅]]構内にて、[[ジャガイモ]]を輸送中の[[帯広貨物駅]]発[[熊谷貨物ターミナル駅]]行き[[貨物列車]](18両編成)の6両目から9両目が、[[分岐器]](ポイント)付近を通過時に脱線した<ref name="doshin20130920" />。列車は大きく傾き、一部の台車には砂利がめり込んだ<ref name="doshin20130920">「大沼貨物脱線 トラブル続き 客離れ」『北海道新聞』 2013年9月20日付け夕刊、13面。</ref>。[[国土交通省]][[運輸安全委員会]]の鉄道事故調査官は翌20日午前から調査を実施<ref name="doshin20130920" />、委員会によれば、脱線現場付近の[[軌条|レール]]の幅が、分岐器の手前で規定より最大37ミリメートルも広がっていた<ref>工藤隆治、五十嵐透「レール幅拡大 基準の倍」『朝日新聞』 2013年9月26日付け、1面。</ref>。また、JR北海道は点検で現場のレールの異常を把握しながら、1年以上も放置していた<ref>「レール幅異常 1年放置」『北海道新聞』 2013年9月22日付け、1面。</ref>。
: 北海道[[亀田郡]][[七飯町]]の函館本線大沼駅付近にて、[[帯広貨物駅]]発[[熊谷貨物ターミナル駅]]行き貨物列車(18両編成)がポイント通過時に脱線した。
: この事故により、JR北海道は、多数のレールの異常を補修せずに放置していたことが判明した<ref name="yomiuri20130926">間野勝文、石井一秋「「お粗末」JR北にメス 国交省」『読売新聞』 2013年9月26日付け、3面。</ref>。このため、国土交通省は21日から、[[鉄道事業法]]に基づき特別保安監査を実施した<ref name="doshin20130924">「JR異常放置 運行全部門を監査」『北海道新聞』 2013年9月24日付け朝刊、1面。</ref>。特別保安監査は緊急的に行われるもので、死傷者のいない事故で実施されるのは異例のことである<ref name="doshin20130924" />。当初は23日までの予定で、4人で保線部門を監査していたが、次々にJR北海道の不備が判明したため、監査員を9人に増員したうえ、27日まで監査を延長し、全部門を監査する事態となった<ref name="doshin20130924" />。また、[[官房長官]]の[[菅義偉]]が、レールの異常を放置していたことは極めて悪質であると批判し、監査の徹底を国土交通省に指示<ref>「JR北海道の監査徹底指示 官房長官「悪質だ」」『朝日新聞』 2013年9月24日付け夕刊、2面。</ref>、これを受け、国土交通省は監査態勢を20人に増員し、対象も全支社に拡大したうえで監査を実施した<ref name="20130925asahi">「補修状況 把握できず JR北の責任者 レール異常放置」『朝日新聞』 2013年9月25日付け朝刊、39面。</ref>。また、10月9日からは16人態勢で追加の特別保安監査を行った<ref>「JR北海道 社長「ご迷惑おわび」」『東京新聞』 2013年10月10日付け朝刊、29面。</ref>。また、過去に例のない大規模な監査となったため、国土交通省は特別保安監査の結果をまとめる前に、JR北海道に改善指示を出すという異例の対応をとった<ref>「国交省 不安解消へ厳格対応」『北海道新聞』 2013年10月5日付け朝刊、2面。</ref>。
: 当該路線を管轄するJR北海道の記者会見では、広がったレールを一年間もの間補修せずに放置していたことを明らかにした<ref>[http://www.asahi.com/national/update/0921/TKY201309210269.html JR北、レール幅広がり1年近く放置 脱線事故現場] - 朝日新聞(2013年9月21日閲覧)</ref>。
: JR北海道では、レールの補修状況を本社に伝える体制となっていなかった<ref name="20130925asahi" />。レールの異常が放置されていた箇所の中には、時速130キロメートルで走行する区間も含まれていた<ref>「130キロ走行区間も放置」『北海道新聞』 2013年9月25日付け朝刊、35面。</ref>。この事故の直後には、次々に他のトラブルも露呈した。24日の会見中には、普通列車から発煙するトラブルがあったことが判明<ref name="20130925asahi" />。また、同日に特急「[[オホーツク (列車)|オホーツク]]」の[[ブレーキ]]部品が欠落するトラブルも発生した<ref>「特急ブレーキ部品欠落」『北海道新聞』 2013年9月25日付け朝刊、35面。</ref>。1回目の特別保安監査直後の10月1日にも、特急「[[北斗 (列車)|スーパー北斗]]」が工事のため徐行すべき区間で、制限速度を35キロメートル超過して運転する事案が発生<ref>「JR北 特急35キロ速度超過」『読売新聞』 2013年10月5日付け夕刊、15面。</ref>、また同日には、9月に[[自動列車停止装置]] (ATS) を破壊する問題を起こした運転士が保守部門に異動していたことも判明した<ref>「ATS破壊運転士 列車保守に異動」『北海道新聞』 2013年10月2日付け、33面。</ref>。他にも、特急「オホーツク」が、ATSなどの緊急停止装置が作動しない状態のまま営業運行していたことも判明した<ref>「ATS異常の特急運行」『読売新聞』 2013年10月8日付け朝刊、38面。</ref>。こうしたトラブルが続発する背景としては、不採算路線を抱え経営環境が厳しいことや<ref name="yomiuri20130926" />、ミスを責められ、意見を言いにくい雰囲気が情報共有を妨げているとの見方<ref>「JR北、物言えぬ現場「ミス責められる」」『毎日新聞』 2013年10月5日付け、34面。</ref>、また、[[労働組合]]間の対立が情報の伝達を阻害しているという見方もある<ref>西山太郎「トラブル背景 労組の闇深く」『産経新聞』 2013年10月7日付け、1面。</ref><ref>「JR北海道 組織に病巣」『日本経済新聞』 2013年10月4日付け朝刊、2面。</ref>。
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==== 横浜線中山駅踏切死傷事故 ====