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[[File:B-2 Spirit returns to WHITEMAN AIR FORCE BASE.jpg|thumb|200px|進入灯に沿い滑走路へ着陸進入する[[B-2_(航空機)|B-2]]]]
'''進入灯'''(しんにゅうとう {{lang-en|Approach Lighting System, ALS}})<ref group="注">「着陸進入灯」と呼ぶ人もいるようだが、個人的な俗称にすぎず、正式名称は「進入灯」である。</ref>は、[[航空機]]が[[着陸]]のため[[空港]]の[[滑走路]]に降下接近進入する際に、[[滑走路]]の中心線と進入方向を示す灯火の総称<ref>{{cite news|url=http://kotobank.jp/word/%E9%80%B2%E5%85%A5%E7%81%AF |title=進入灯【しんにゅうとう】 |publisher=kotobank.jp |accessdate=2011-11-28}}</ref><ref>{{cite news|url=http://www.jal.co.jp/jiten/dict/p332.html#02-02b |title=進入灯(approach light) |publisher=日本航空 |accessdate=2011-11-28}}</ref>。[[航空保安施設]]のうち航空灯火ならびに[[飛行場灯火]]の一種である。
 
== 概要 ==
進入灯は日本の[[航空法施行規則]]「着陸しようとする航空機にその最終進入の径路を示すために進入区域内及び着陸帯内に設置する灯火」と定義される<ref>航空法施行規則 第114条 第3項</ref>
 
ALS進入灯着陸に使用される場合、夜間は常に点灯され、昼間でも飛行場の気象条件が悪く[[IMC|計器気象状態]]([[雲底]]高度300m/1,000フィート未満または[[視程]]5km未満)のときには点灯される。昼間であっても航空機から充分視認できる様に強い光を発することができる。また、夜間[[操縦士|パイロット]]から見て眩しくないように、[[航空管制官]]などの操作によって明るさを調整できるようになっていることが多い。
 
== 種類 ==
日本の場合、大きく分けて、標準式進入灯と簡易式進入灯、さらに簡易式進入灯と進入灯台または進入路指示灯との組合せの3方式がある。
*標準式進入灯(Precision Approach Lighting System:'''PALS''')
:原則として精密進入<ref group="注">[[計器着陸装置]](ILS)または精密進入レーダー(精測進入レーダーともいう。[[:en:Precision approach radar|Precision Approach Radar]]:PAR)による進入のこと。</ref>を行う計器着陸用滑走路に設置されている。滑走路端から原則900mの長さ(原則より短い最小420mのものもある)で滑走路中心線の手前延長方向に30mの間隔で並んだ白い灯器によるアプローチセンターラインと、滑走路端から300mの位置にアプローチセンターラインと直交する方向に設置されたクロスバーと呼ばれる白の灯器がある。
:また、滑走路端から60m以上の部分のアプローチセンターラインに沿って連鎖式閃光灯(Sequenced Flashing Lights:'''SFL''')が付加される場合が多い。SFLは進入する方向から滑走路端に向かって白い閃光を順次発するようになっている。米国等ではSFLを伴ったALS進入灯をALSFと表記する。
:[[計器着陸装置]](ILS)カテゴリーIIまたはIII進入用では、さらに300m以内に赤いサイドバレットと呼ばれる灯器が接地帯灯の手前延長方向に配され、150mの位置にさらにクロスバーが設置される。
*簡易式進入灯(Simple Approach Lighting System:'''SALS''')
:原則として非精密進入<ref group="注">[[超短波全方向式無線標識|VOR]]進入や[[無指向性無線標識|NDB]]等による進入など、精密進入以外の進入のこと。</ref>を行う計器着陸用滑走路に設置されている。滑走路端から原則420mの長さ(最大900mのものもある)で滑走路中心線の手前延長方向に60mの間隔で並んだ灯器と、滑走路端から300mの位置に前者と直交する方向に設置された灯器がある。灯光は赤、黄、白のいずれか。
*簡易式進入灯と進入灯台または進入路指示灯との組合せ
:原則として精密進入用滑走路の反対側(精密進入がない場合)にはSALSと進入灯台(Approach Light Beacon:'''ALB''')を組合せる。この場合、前記SALSに加え、滑走路中心線の延長方向で滑走路端から600mと900mの位置にALBが設置される。
:また、ローカライザ進入側の滑走路にはSALSと進入路指示灯(Approach Guidance Light:'''AGL''')を組合せる。
 
上記は日本における基本的な方式であり、このほかにも様々な種類のALS進入灯が世界存在する。米国等ではALS進入灯の灯器の輝度別や、付加して設置する灯光との組合せ、その他の方式に応じて異なる名称を使用している。
 
== 進入灯役割 ==
また、計器進入を行うには各方式ごとに進入を行う限界高度と最低気象条件を定めなければならないことになっており、ALS進入灯の状況によって最低気象条件が変わる。低視程下で計器進入を行う場合、進入の限界高度または進入限界点までに何も見えない場合は進入を継続することができず、[[進入復行]]を行わなければならない。しかし滑走路が見えずともALS進入灯等が見えれば進入を継続することができ、進入継続にて滑走路端への距離が縮まることで、ALS進入灯等に続き滑走路自体の視認に至る場合も多い。そういった意味でALS進入灯は重要な施設である。
ALSは着陸に使用される場合、夜間は常に、昼間も気象条件がよくないとき(具体的には[[雲底]]高度300m/1,000フィート未満または[[視程]]5km未満)に点灯される。
 
また、計器進入を行うには各方式ごとに進入を行う限界高度と最低気象条件を定めなければならないことになっており、ALSの状況により最低気象条件が変わる。低視程下で計器進入を行う場合、進入の限界高度または進入限界点までに何も見えない場合は進入を継続することができず、[[進入復行]]を行わなければならない。しかし滑走路が見えずともALS等が見えれば進入を継続することができ、進入継続にて滑走路端への距離が縮まることで、ALS等に続き滑走路自体の視認に至る場合も多い。そういった意味でALSは重要な施設である。
 
== 脚注 ==