「軍用機の塗装」の版間の差分

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: [[攻撃機]]、[[爆撃機]]など比較的低空を飛行し、上空より俯瞰する形で[[戦闘機]]に視認される機会が多い機種に採用されている。[[砂漠]]地帯に似せかけた、カモフラージュ[[迷彩塗装]]である。イラク軍や[[イスラエル国防軍]]など、中東諸国の砂漠が多い地帯の各国軍隊では多く実施されている。また、[[アメリカ空軍]]のアグレッサー部隊にも、砂漠迷彩を用いた[[F-16_(戦闘機)|F-16]]が運用されている。
; 森林地帯の迷彩塗装
: 上記と同様、上空より視認される機会が多い機種に用いられる。過去から多く実施されている塗装パターンである。ベトナム戦争期には、「ベトナム東南アジア迷彩(SEA迷彩」と呼ばれる、緑と黄緑と茶色の塗装が、[[センチュリーシリーズ]]の戦闘機や[[F-4 (戦闘機)|F-4]]で行われていた。これに対し、ヨーロッパでは茶色は用いず、濃緑やオリーブ色を用いた迷彩(旧東側諸国との軍事衝突の最前線になると見られていた中欧の森林地帯をモチーフとしている)が用いられており、[[トーネード ADV|トーネード]]やベトナム戦争後に登場した初期の[[A-10 (航空機)|A-10]]等で用いられていた。現在では多様な地理的条件で使用されることを想定している[[アメリカ空軍]]ではいずれの塗装状況が変われば非常に目立つことになり見かけることは無い。しかし、想定飛行地域が限られている世界各国では多くの機体がこの塗装で運用されている。また、低空を飛行することの多い[[攻撃ヘリコプター]]は濃緑色の単色が多く使用されている。
; 海上のブルー系迷彩塗装
: 水色や青色といったブルーを用いた、[[海]]や空とのカモフラージュを目的とした迷彩塗装である。[[ロシア空軍]]では防空戦闘機を中心に多用されており、[[Su-27_(航空機)|Su-27]]系の戦闘機が代表的な存在使用されてある。イラン空軍の[[MiG-29]]や[[F-14]](一部機体)やルーマニア空軍の[[MiG-21]](機体下部を青一色で塗装)等、ロシアとのつながりが深国の空軍でもブルー系の迷彩が見られる。また、[[日本]]の[[F-2 (航空機)|F-2]]や[[UH-60J (航空機)|UH-60J]]、[[US-2 (航空機)|US-2]]で、濃い青色を使用した塗装をしている。ロシアのブルー系迷彩が空との識別困難化を目指しているのに対し、日本では、海との識別困難化を想定している事から「洋上迷彩」などとも呼ばれる(洋上迷彩は別物として扱われることが多い)。アメリカでもブルー系迷彩の研究が行われ、迷彩として有効と認められたものの、事故や同士討ち防止といった理由から仮想敵部隊を除き、現在では用いられていない
; グレー塗装
: 機体をグレーで塗装することにより、上空での見分けがつきにくくする事を目的として、戦闘機のみならず最近の機体ではほとんどの機種で使用される。[[ドッグファイト]]を主目的とする[[迎撃戦闘機]]に多用されている。アメリカ空軍の[[F-15_(戦闘機)|F-15]]、F-16、[[アメリカ海軍]]の[[F/A-18 (航空機)|F/A-18]]を始めとして、そのほかアメリカ以外の多くの国で使用されている。。[[航空自衛隊]]でも、F-15、F-4、[[T-4 (練習機)|T-4]]などにグレーを使用した塗装を行っている。また、[[F-22_(戦闘機)|F-22]]のようにグレー2色で迷彩を施しているものも多く見られる。また、[[カナダ軍]]の[[CF-18 ホーネット|CF-18]]やアメリカ空軍の[[A-10 (航空機)|A-10]]など一部の機体は、空戦時に敵パイロットの判断を遅らせることを目的として、機首下面に[[キャノピー]]を模した形を塗装しており、フォールスキャノピーと呼ばれている。
; 黒・暗色塗装
: 黒色塗装は主に夜間活動を主とした戦闘機・攻撃機([[湾岸戦争]]で活躍した[[F-117_(航空機)|F-117]]や[[F-15E_(航空機)|F-15E]]など)で用いられる。また、光線の反射により、パイロットの視界を妨げられる事を防ぐため、キャノピー周辺部に艶の無い黒を使用する例もある。近年では、近年では[[UH-60]]や[[AH-64]]など、ヘリコプターでも使用されている。
 
== 参考文献 ==