「プライマリ・ヘルス・ケア」の版間の差分

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* 援助機関に迎合した方法論になりやすく、PHCといっても結果的に医療的なアプローチ戻ってしまう可能性がある。
==先進国におけるPHC==
欧米先進国において一般的に用いられるPHCは、アルマ・アタ宣言による定義とは大きく異なっている。先進国におけるPHCの定義は米国の[[w:en:Institute of MedicineInstituteofMedicine|米国科学アカデミー医学研究所]]によるものが有名である。
<blockquote>プライマリ・ヘルス・ケアとは、患者各人が抱える問題の大部分に対応し、患者と継続的な共同関係を築き、家族や地域という枠組みの中で責任をもって診療する臨床医によって提供される、統合された、容易に享受できる医療サービスである。</blockquote>
 
先進国におけるPHCは、「0次医療」と訳されることがある通り、[[医療]]の 枠組の中で医療者が提供するサービスの一つという捉え方が主体である。アルマ・アタ宣言に結実したPHCは、医療人類学、社会学、国際開発学的なコンテキ ストから生成された概念であり、途上国の保健医療開発の過程で失敗した「医療中心モデル」に対するアンチテーゼとして登場した。そのため、PHCの構成要 素の多くは医療以前の「保健」の領域からなっている。一方先進国においては、健康保険制度、医療者の数・質はある程度整っており、医療へのかかりやすさは 高い。そのため、「医療者」と「患者、家族、地域」という関係性を軸とすることが可能である。そこでは[[家庭医療]]・[[かかりつけ医]]などをベースとした医療中心モデル、すなわち[[医療サービス]]としての[[プライマリ・ケア]]が有効に機能しうる。
家庭医療の原理として、オレゴン健康科学大学家庭医療学教授John WJohnW.Saultzは、以下の5項目を挙げている。<ref>John WJohnW. Saultz, Textbook of Family Medicine TextbookofFamilyMedicine(New YorkNewYork, McGraw-Hill, 2000) </ref>
 
'''家庭医療のACCCC'''
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この5項目は、アルマ・アタ宣言とは異なる文脈から作られた原理であるが、視点としては本質的にアルマ・アタ宣言の[[#PHCの5原則|PHC実施上の5原則]]に近いものになっている。先進国におけるPHCは、サービスの主体が医療者であるなど途上国におけるPHCとは異なる面も多いが、根本的な思想としては似通っているのである。
 
 
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