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自然主義的誤謬に対する間違った説明、ヒュームの法則との混同により、その項目を削除
雲塊 (会話 | 投稿記録)
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[[精神分析]]では本能を性や[[攻撃行動]]に関連する[[情動]]として説明する。エロスや[[デストルドー]]と呼ばれることもある。
 
== 概 ==
通俗的には[[母性本能]]、[[闘争本能]]などのように性質を現す語を伴い○○本能という形式で使うことも多い。
 
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これは生物の性質のどのような側面に注目するかの違いでもある。神経行動学などではある神経の構造や働きが行動にどのように影響を与えるかに注目するため、学習の影響を受けない固定的な行動が研究の対象となりやすい。一方で学習そのものも遺伝的な基盤があり、進化によって形作られたいわば「本能」であり、行動生態学の視点ではどの程度学習や経験の影響を受けるかの程度の差でしかない。
 
== 議論史 ==
動物行動学の創始者[[コンラート・ローレンツ]]や[[ニコ・ティンバーゲン]]は動物行動の生得性を強調した。これは当時の心理学や動物学の一部で力を持っていた[[行動主義]]に対する反発であった。例えば[[バラス・スキナー]]は動物の脳には「報酬と罰によって強化される単一の汎用学習プログラム」が作動しているだけだと仮定した。初期の動物行動学者は生得性を単なる現象としてではなく[[適応]]、すなわち進化的に形成され生存と繁殖成功に役立つ能力と考えた。適応の視点からは、動物が生まれつき行動に方向性を持っている事は合理的に説明できる。ローレンツの主張した本能は、しかし遺伝決定的な概念であった。アメリカの発達生物学者[[ダニエル・レーマン]]はローレンツが発達を無視していると指摘した。ある行動が種に普遍的に見られるからと言って全て先天的に形成されていると考える理由にはならない。例えばカモの刷り込みは本能的だとしても、「何を親と認識するか」は経験の産物である。後にティンバーゲンは生得性を強調しすぎたと述べ、レーマンの視点を支持した。