「冷泉氏」の版間の差分

[[本姓]]は[[多々良氏]]。[[大内氏]]の支流にあたる。[[嘉吉]]年間、[[豊前国]][[企救郡]][[小倉城]]に[[冷泉高祐|冷泉五郎高祐]]（たかすけ）ありという<ref name="ota">[[太田亮]]著、[[上田萬年]]、[[三上参次]]監修『姓氏家系大辞典 第3巻』（[[角川書店]]、[[1934年]]）6567頁参照。</ref>が、実際には[[大内弘世]]の[[庶子]]・[[大内弘正|弘正]]（ひろまさ）の七世の孫・[[冷泉興豊|興豊]]（おきとよ、[[大内義興]]の家臣）が母方の[[冷泉家]]の家号を冒して、'''冷泉'''を名乗るのが初見で、高祐の例はまた別系統か。興豊の父・[[大内義豊|義豊]]（よしとよ）の代に[[周防国]][[玖珂郡]][[祖生村|祖生郷]]（現在の[[岩国市]]）に住むという<ref>[[吉成勇]]編『日本「名家・名門」総覧』（[[新人物往来社]]、[[1997年]]）400頁参照。</ref>。

興豊の子・[[冷泉隆豊|隆豊]]は[[大内義隆]]に仕えて[[安芸国|安芸]]守護・[[武田氏]]の旧城[[佐東銀山城]]主に任ぜられるなど重用されるが、義隆と対立を深めた周防[[守護代]]の陶隆房が叛旗を翻して義隆を攻めると、隆豊は義隆を守って抗戦し討ち死にした。隆房から名を改めた[[陶晴賢]]は、次期当主に[[大内義長|義長]]を擁立し大内氏の家政を牛耳ったが、隆豊の遺児・[[冷泉元豊|元豊]]は弟の[[冷泉元満|元満]]とともに叔父（隆豊の弟）の[[吉安豊英]]に連れられて安芸国国人であった[[平賀氏]]隠居の[[平賀弘保]]の下に匿われた。

'''冷泉 五郎 ／ 冷泉 綏豊'''（れいぜい ごろう ／ れいぜい やすとよ、[[天保]]12年（[[1841年]]） - [[慶応]]元年[[2月11日 (旧暦)|2月11日]]（[[1865年]][[3月8日]]））は、 [[江戸時代]]末期の長州藩士。「五郎」は通称であり、[[諱]]（実名）は'''綏豊'''（やすとよ）。[[井上勝行|井上小豊後]]の次男で、[[井上勝]]の兄。[[冷泉秋平]]の養子となる。家禄は300石で八組士を務める。[[剣術]]を[[江戸]]の[[斎藤弥九郎]]に学び、[[砲術]]は[[江川英龍|江川坦庵]]の門下に入る。[[慶応]]元年（[[1865年]]）に鎮静会を組織し、幕府の[[長州征討|長州侵攻]]の際は主戦派として行動。[[2月11日 (旧暦)|2月11日]]、[[山口市|山口]]の[[長州藩諸隊|諸隊]]を訪問した帰りに[[明木村]][[権現原]]で[[香川半助]]らとともに幕府恭順派（俗論派）に殺害された。[[享年]]25。[[萩市|萩]]の[[東光寺 (萩市)|東光寺]]に墓がある。[[贈位|贈]][[正五位]]。[[靖国神社]]合祀<ref>明石鉄男前掲書（新人物往来社、1986年）310頁参照。</ref>。