「児童の発達」の版間の差分

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'''児童期'''とは小学校に通う年齢の子どもをさす。
小学校1-2年生は、椅子に45分間座って先生の話を聞くという学校の勉強スタイルになじむ時期である。文字や数字という記号の世界に入るが、算数セットなどの具体物を操作しなければ理解できない。教師は親でもあり先生でもあり生活の中心人物である。教師とは1対1の関係が中心となり、自分の意見を聞いてほしく、クラス全体への関心は薄い。まだ、おもらしをする場合があるのでトイレに行かせる時間を配慮しなければない。
家が近かったり、席が隣であれば友だちになる。友だち同士のトラブルはたたく、けるという直接的暴力が多い。例としては、行列を作って歩いているときに前の子どもたちが止まって、後ろの子どもがぶつかるとか、じゃまだから押すといったもので、原因がわかりやすい。行列が止まった原因を考えさせたり、相手への接し方を考えさたりすることで双方が納得できる。
 
3-4年生は、徒党を組んで大きなグループで遊ぶようになる。発言は教師にではなく、クラス全体に対してできるようになる。体力があるので骨折など比較的大きなケガをするようになる。知的関心が広がり、社会・宇宙まで考えられるようになる。[[心の理論]]でいえば[[二次的信念]]を獲得するため、心情を読み取れるようになり、読書の幅が広がる。
[[具体的操作期]]の完成期になり論理や規則に厳しくなる。さぼりやルール違反への指摘が厳しくなり、告げ口が多くなるが受け止めてあげれば満足する。ただし、子ども集団の中でチクリとして非難される場合には、原因は何か、何が正しいのか考えさせる必要がある。
友だちは気が合う、趣味が同じという性格面が強くなる。仲間意識が強くなり、仲間との約束が親や先生との約束より大切になり、大人に対して秘密を持つようになる。集団で大人から自立する時期といえる。反抗は組織的ではなく、一人の悪乗りが他の子どもの悪乗りを生むという形をとる。かつては[[ギャングエイジ]]([[Gang Age]])と呼ばれた。しかし、席替えやクラス替えをすれば遊ばなくなる場合が多い。<ref>村野井均,2009, "小学生の生活とこころの発達", 心理科学研究会編,福村出版, 第2章,"3年生‐4年生", pp.89-98</ref>
 
5-6年生は、児童期の完成期であり、高学年としての責任感、実行力を持ち、クラスや学校全体を見渡す力を持てるようになる。リーダーとして下の学年の子どもたちを率いることができる。良い子として背伸びできる時期である。勉強の内容が抽象的になり、[[形式的操作]]を必要とするため、学力差が顕在する。[[9歳10歳の壁]]といわれることがある。<ref>渡辺弥生,2011,"子どもの「10歳の壁」とは何か? 乗りこえるための発達心理学" ,(光文社新書),光文社</ref>また、[[自己中心性]]を脱却して、他者の視点を持てるため教師の評価基準に自分を合わせることができるようになる。そのため絵や作文の創造性が一時的に低くなったように見える。[[バーンズの高原]]と呼ばれている。客観視できるため、教科の好き嫌いも顕在化する。
[[成熟前傾]]により多くの児童が[[第二次性徴]]を迎えるため、青年期の特徴を持つようになる。男女の意識が強くなる。身体の変化とともに良い子という概念への疑問が生じ、教師や社会への反発が生じるようになる。青年としての対応が必要となる。
 
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[[Category:発達心理学]]