「エナンティオルニス類」の版間の差分

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== 特徴 ==
 
多くのエナンティオルニス類の化石はきわめて断片的なもので、種によっては骨一本のみしか知られていないというものもある。一方、完全な全身骨格と軟体部まで保存された標本が[[スペイン]]・[[クエンカ県]]の[[:en:Las Hoyas|ラス・オヤス]]と[[中国]]・[[遼寧省]]の[[:en:Yixian Formation|義県層]]から知られている。ラス・オヤスの化石は海成層から、遼寧の化石は内陸の陸成層から見つかっており、このグループの生息域は内陸部から海辺まで広がっていたことがわかる。エナンティオルニス類の生活様式は[[渉禽類]]のように水辺に生息するものや[[ウミスズメ]]のように潜水するもの、[[アジサシ]]のような魚食性のものから[[猛禽類]]のような肉食性と、さまざまなバリエーションに広がっていたことが判明している。最小のエナンティオルニス類は[[スズメ]]ほどの大きさであった。{{仮リンク|[[アヴィサウルス|en|Avisaurus}}]]などはこれよりも大きく、翼開長は1.2m([[カモメ]]とほぼ同じ大きさ)と推定されている。
 
===頭骨===
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==起源と生息年代==
 
エナンティオルニス類は[[北アメリカ]]、[[南アメリカ]]、[[ヨーロッパ]]、[[アジア]]、[[オーストラリア]]から見つかっている。このグループは[[白亜紀]]に生息し、[[K-T境界]]において[[恐竜|非鳥類恐竜]]とともに[[絶滅]]したと考えられている。1990年代の[[生物地理]]の研究では、エナンティオルニス類の地理的分布から[[ジュラ紀]]中期に出現したものとされていたが、この学説は古生物学者にはひろく受け入れられなかった。むしろ多数の古生物学者は化石記録などからして、エナンティオルニス類はジュラ紀後期〜白亜紀前期にかけて出現したものだと考えている。最初期のエナンティオルニス類は白亜紀前期のスペイン ( {{仮リンク|ノグエオルニス|en|Nogueornis}}。祖先的な種)と中国 ({{仮リンク|プロトプテリクス|en|Protopteryx}})から知られている。最後のエナンティオルニス類は白亜紀後期の北アメリカと南アメリカから知られている({{仮リンク|[[アヴィサウルス|en|Avisaurus}}]])。汎世界的な分布は、エナンティオルニス類はすでに大洋を渡るだけの飛翔力を身につけていたことを意味する。彼らは汎世界的に分布した最初の鳥類でもある。
 
もしかするとエナンティオルニス類は[[渡り]]を行っていたかもしれない。しかし、[[中生代]]は現在よりもはるかに温暖な気候であり、彼らの生息していた地域は[[熱帯]]ないし[[亜熱帯]]であったと考えられるため、現生の鳥類のように渡りを行う必要性はなかったかもしれない。