「MZ (コンピュータ)」の版間の差分

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===クリーンコンピューター===
MZ-80Kも試作機では、[[BASIC]]も[[ROM]]で搭載された[[コンピューター]]であったが、シャープがROMを外部調達する都合上、ROMに納めたプログラムに[[バグ]]が発覚すればその原価から多大な損害が発生する。このリスクを回避するため実際に商品化された製品で採られた苦肉の策が、システム全体をROMとして持つのではなく、最低限の処理を収めたモニタのみを本体にROMで搭載し、基本プログラムは[[カセットテープ]]などのメディアで供給するという、後に「クリーンコンピューター」とうたわれるシステムであった<ref>『パソコン革命の旗手たち』[[関口和一]] [[日本経済新聞社]] 2000年 73ページ</ref>。現実にはそれほど致命的なバグが露見することはなかったが、逆にマニアからすれば自分で自由にソフト開発ができる環境となっており、[[ハドソン|ハドソンソフト]]や[[キャリーラボ]]をはじめとしてシャープ以外のさまざまなソフトハウスから言語、オペレーティングシステム等が発売されると共に、各種言語やシステムのリリースが行われたり、シャープ自身もハイスピードBASICなどのソフトウェア的なアップグレードを実施した。これらの状況から、苦肉の策の設計であったクリーンコンピューターは、ソフトウェア的にフレキシブルなシステムであることを、以降のMZシリーズの特徴的な設計として広告文句にも利用するようになった。この実装では、システムそのものを本体に持たないため、当時の標準環境であったBASICが利用可能になるまで、標準内蔵デバイスであるデータレコーダからの起動で数分を要するという欠点もあったが、FDDの利用で10秒前後に短縮できるほか、MZ-80B以降のIPLでは、MZ-1R12等のメモリボードに予め起動するシステムを書き込むことでも改善することが出来た。同様にクリーン設計を採用したX1では、CZ-8RB01として予め拡張ボードに書き込まれたBASICも発売されていた。これらのSRAM若しくはROMボード上からの起動でも、それらは直接メモリ空間にマッピングされているわけではなく、IPLにより、メインメモリに「転送」されて起動する。
 
====実装の変遷====