「不登校」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
Kamchatka (会話 | 投稿記録)
Kamchatka (会話 | 投稿記録)
138行目:
 
とくに、うつ状態は[[自殺]]につながるリスクがあり、軽症であっても、医療機関での治療をせずに放置することは危険である。しかし、10代のうつ病患者の行動は、反抗的、怠惰と評価されることが多く、受診につながりにくい<ref>Garland 1994.</ref>。児童・思春期うつ病は、基本的には成人と同じ症状が出現するが、成人と比べて多い症状に、イライラ感、[[不定愁訴|身体的愁訴]]<small>(頭痛、腹痛など)</small><ref group="注">身体の病気が無いのに身体の不調を訴えること。</ref>、社交からの退避<small>(不登校など)</small><ref>出典との用語の異同については、 針間博彦 「精神病性障害関連用語の再検討」, 2013. を参照のこと。</ref>がある。また、他の精神障害(発達障害含む)、精神疾患と併存して出現することが多い。いずれにせよ、1年以内に軽快する症例が多いが、数年後あるいは成人になって再発する可能性は高い。<ref>傳田健三, 「児童・思春期うつ病のマネージメント」, p. 2.</ref><ref>傳田健三, 「子どものうつ:発達障害の視点から」 『広島大学大学院心理臨床教育研究センター紀要』, 第11巻, 2012, p. 18.</ref>なお、児童・思春期うつ病の6ヶ月有病率は、児童期で0.5-2.5%、思春期で2.0-8.0%<ref>傳田健三, 「小・中学生の抑うつ状態に関する調査:Birleson自己記入式抑うつ評価尺度(DSRS-C)を用いて-児童青年精神医学とその近接領域」, 2004, pp. 424-436.</ref><ref>Harrington, R. C., “Affective disorders,” ''Child and Adolescent Psychiatry: Modern Approaches'', 3rd ed., In M. Rutter, E. Taylor, and L. Hersov (ed.), Blackwell Scientific, Oxford, 1994, pp. 330-350.</ref>とされており、思春期では成人とほぼ変わりが無い。また、後述するように、子どものうつ病は成人と比較して、より深刻な精神疾患である[[双極性障害]]、いわゆる躁<small>(そう)</small>うつ病の割合が高い。
 
他者と関わることに強い恐怖を感じる[[社交不安障害]]、予期しないパニック発作が繰り返し起こる[[パニック障害]]、無意味な強迫観念や強迫行為にとらわれる[[強迫性障害]]など<ref group="注">これらはDSM-IV-TRで「不安障害」のカテゴリに含まれていたもの。</ref>もまた、不登校との関連性が高い(後述)。これらの患者がうつ病など他の精神疾患を併発している場合もある。
 
[[自閉症スペクトラム|自閉症スペクトラム障害]]<ref group="注">DSM-5から登場した診断基準。DSM-IVで「広汎性発達障害」とされていたものとほぼ重複する。</ref>や[[注意欠陥・多動性障害]](AD/HD)などの[[発達障害]]、さらには軽度の[[知的障害|精神遅滞]](知的障害)も不登校に関係している場合がある。これらの疑われる場合もまた、医療機関、専門機関と相談することが望ましい<ref group="注">発達障害と精神遅滞は[[疾病及び関連保健問題の国際統計分類|ICD]], [[精神障害の診断と統計の手引き|DSM]]など現在の診断基準では精神疾患に含まれる。</ref>。また、発達障害の併存症(二次障害)として他の精神疾患が現れることもある。同様に、精神遅滞者の約10-40%には他の精神疾患も見られる<ref>『メルクマニュアル医学百科 家庭版』 オンライン版 「知的障害」 原書最終査読/改訂月 2006年10月.</ref>。