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但し、この原則は、刑事被告人の利益のためのものであるため、刑事被告人に有利になる場合は、この限りでない(例えば、行為後に法定刑が軽減された場合、軽い方の刑に処せられる。例として、[[尊属殺|尊属殺人罪]]の廃止、犯行時の死刑適用年齢が16歳だったのを18歳へ引き上げ、死刑制度廃止前に死刑になる犯罪を犯した場合などが挙げられる)。
 
「法律なくして刑罰なし」の法諺に象徴される[[罪刑法定主義]]思想はローマ法に起源を持つものではなく、1215年の[[マグナ・カルタ]]に淵源をもち17世紀末の西欧革命期に欧米で確立した法概念である。現代でも[[コモン・ロー]]を背景とする[[英米法]]思想では比較的寛容で、行政措置や民事裁判においてはしばしば法の不遡及について例外措置が取られる。国際法においては[[市民的及び政治的権利に関する国際規約|自由権規約]]15条2項に不遡及の例外が言及されており、国際犯罪として海賊、ハイジャックなどテロ関連諸条約、[[ジェノサイド条約]]、[[アパルトヘイト|アパルトヘイト犯罪条約]]などが想定されている。なおこの場合においても「罪」に対する刑罰の明示について国際法上の論点が指摘されている(例えば管轄国における刑罰の差、あるいは死刑廃止国と存続国における刑罰の軽重について等)。
 
== 法の不遡及に反するという指摘がある近現代の立法例・裁判例 ==