「隠し剣 鬼の爪」の版間の差分

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== ストーリー ==
幕末。東北の小藩である[[海坂藩]]の平侍であった片桐宗蔵は、母と妹の志乃、女中のきえと、貧しくも笑顔の絶えない日々を送っていた。やがて母が亡くなり、志乃ときえは嫁入りしていった。心中は寂しいが武士としての筋目を守り、日々をすごす宗蔵。海坂にも近代化の並は押し寄せつつあり、藩では英国式の教練が取り入れられ始めていた
 
ある雪の日、宗蔵ときえは3年ぶりに町で再会する。大きな油問屋の伊勢屋に嫁して幸せに暮らしているとばかり思っていたきえの、青白くやつれた表情に宗蔵は胸を痛める。きえが嫁ぎ先で酷い扱いを受け寝込んでいることを知った瞬間、彼は武士の面目や世間体を忘れ去って走り出していた。伊勢屋を訪れた宗蔵は、陽のあたらない板の間に寝かされ、やつれ果てたきえを見ると、自分で背負い家に連れ帰る
 
伊勢屋を訪れ回復しきえと共に暮らし始め、宗蔵は、陽あたない板の間に寝かされ、やつれ果てたきえ見ると、自分で背負い家に連れ帰覚える。回復したきえだが、世間の目は二人が同じ家に暮らすことを許さなかった。宗蔵はきえを愛している自分と、彼女の人生を捻じ曲げている自身の狡さに悩む。そんな時、藩に大事件が起きた。宗蔵と同じく藩の剣術指南役・戸田寛斎の門下生だった狭間弥市郎が謀反を起こ企んだ罪で囚われ、さらに山奥の牢を破って逃げ出したのだ。宗蔵は、山奥の牢から逃亡した弥市郎を斬るよう、家老に命じられる。そうすれば、狭間と親しかったお前の疑いも晴れると
 
かつて狭間は門下生の中でも随一の腕前であった。しかしある時を境に宗蔵に抜かれ、それを宗蔵が戸田より授かった「隠し剣鬼の爪」によるものだという不満を抱いていた。狭間の妻からの命乞いを拒んだ宗蔵は、不条理さを感じつつも藩命に従い、狭間との真剣勝負に挑む。鬼の爪とは、狭間の思うような技ではない。そして宗蔵は師より伝授された「龍尾返し」を用い、隠し剣を振るうことなく狭間を討つ倒す。深手を負った狭間は「卑怯な騙し技」と罵りながら、失意の中で鉄砲隊に撃たれて死んだ
 
しかし戦いのあと、家老が狭間の妻を騙し、彼女を死行な追いやった所業を知るにおよび、ついに隠し剣鬼の爪が振るわれる。城内の廊下で宗蔵とすれ違った瞬間、倒れる家老。その心臓には、まるで「鬼」に突き刺されたかのような得体の知れない傷があった。鬼の爪とは一切の証拠を残さず一瞬にして相手を屠る、室内闘争用の微々たる短刀術なのだであった
 
自分に誠実に生きる意味が深くわかった男の足は、女のもとへ向かっていた。武士を棄てて[[蝦夷]]に向かう宗蔵は、きえに一緒に来て欲しいと素直な言葉で語る。陽光の下で笑いあう二人。
 
== キャスト ==