「運動エネルギー」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
Kenlo Nasahara (会話 | 投稿記録) m編集の要約なし |
m編集の要約なし |
||
1行目:
{{古典力学}}
'''運動エネルギー'''(うんどうエネルギー、kinetic energy)は、[[運動 (物理学)|運動]]している[[物体]]が持つ[[エネルギー]]。運動している物体の速度を変化させる
== 歴史 ==
[[ニュートン力学]]的(非相対論的、古典的)には、運動をする物体の運動エネルギー ''K'' は、[[質量]] ''m'' と[[速さ]] ''v'' の2乗に比例する。すなわち、▼
:<math>2gh = v^2</math>▼
という関係が発見されていた。ここで''v'' は物体の速さ、''h'' は物体の基準点からの高さ、''g'' [[重力加速度]]である。
== ニュートン力学における定義 ==
▲[[ニュートン力学]]
{{Indent|
<math>K(t) = \frac{1}{2}mv^2(t).</math>
}}
運動エネルギーは、[[ニュートンの運動方程式]]と物体に及ぼされる力学的[[仕事]]の定義から導かれる。運動方程式、
{{Indent|
<math>m\frac{d\boldsymbol{v}(t)}{dt} = \boldsymbol{F}(\boldsymbol{x}(t),t)</math>
}}
{{Indent|
<math> \begin{align}
W(t_0 \to t_1) &= \int_{t_0}^{t_1}
&= \int_{t_0}^{t_1} \
&= \int_{t_0}^{t_1} (\
&= \int_{t_0}^{t_1} \left( m\frac{d\boldsymbol{v}(t)}{dt}\cdot\boldsymbol{v}(t) \right) dt \\
&= \int_{t_0}^{t_1} \frac{dK(t)}{dt} dt \\
&= K(t_1)-K(t_0)
\end{align} </math>
}}
となる。
つまり、'''物体の運動エネルギーの変化量は、その物体に加えられた仕事
:<math>\frac{1}{2}
= \
という等式が成り立つ。例えば物体が地表付近で[[自由落下]]する場合、[[重力加速度]]は一定と見なせるので、上記の等式が利用できる。
▲一方、上述の数学的証明がなされる以前、[[ガリレオ・ガリレイ|ガリレオ]]によって、物体の[[振り子運動]]の観察により、物体の速度を''v''、高さを''h''、重力加速度を''g''、とすることで、
力'''''F''''' を物体の質量''m'' と加速度 '''α''' の積で置き換えれば、等式は物体の質量に依存しない形に書き直される。
▲:<math>2gh = v^2</math>
:<math>v^2(t_1) - v^2(t_0)
= 2\boldsymbol{\alpha}\cdot\Delta\boldsymbol{x}.</math>
== 回転運動の運動エネルギー ==
40 ⟶ 47行目:
== 解析力学における運動エネルギー ==
[[ラグランジュ力学]]の出発点となる[[ラグランジュ力学#ラグランジアン|ラグランジアン]] ''L'' は運動エネルギー ''K'' と[[ポテンシャルエネルギー]] ''V'' の差として定義
:<math>L(q,\dot{q};t)=K(\dot{q})-V(q)</math>
この際、ラグランジアンの
多くの場合、一般化座標として位置 <math>x</math> や 回転角 <math>\theta</math> とするので、運動エネルギーは
51 ⟶ 58行目:
となる。
[[ハミルトン力学]]の出発点となる[[ハミルトン力学#定式化#ハミルトニアン
:<math>H(q,p;t)=\sum p\dot{q}-L</math>
として定義される。ハミルトニアンの
:<math>p_i(t)=\frac{\partial L}{\partial v_i}=m_iv_i</math>
:<math>l_j(t)=\frac{\partial L}{\partial \omega_j}=I_j\omega_j</math>
63 ⟶ 70行目:
となる。
== 脚注 ==
<references group="注"/>
== 参考文献 ==
<references />
== 関連項目 ==
|