[[Image:Three cell growth types.png|300px|thumb|right|原核細胞の分裂(左)、真核生物の体細胞分裂(中)、同減数分裂〜接合(右)]]
'''細胞分裂'''(さいぼうぶんれつ)とは、一1つの[[細胞]]が2個以上の[[娘細胞]]に増え分かれる生命現象。核分裂とそれに引き続く細胞質分裂に分けてそれぞれ研究が進む。単細胞生物では細胞分裂がすなわち個体の増殖を意味すとなる。多細胞生物では、[[受精卵]]以後の発生に伴う細胞分裂によって細胞数を増やすこえるとでともに[[個体]]を形成し、またその後も様々な生物現象に伴って細胞分裂が起きする。したがって生物それらは細胞分裂の厳密な制御機構をもっに裏打ちされており、その異常はたとえば多細胞動物の[[ガン化]]と関連を引き起こする。[[ウィルヒョウ]]は「細胞は細胞から生ず」と言ったと伝えられているが、これこそれを支えるものが細胞分裂でありを指し、[[生命の連続性]]はこれに依存している。
==概説==
細胞の増殖法は、細胞分裂以外には存在しない。単細胞生物においては、その[[生殖]]の型として分裂の他に[[出芽]]などやや異なった姿のものが見られるが、核や染色体に関する限り、細胞分裂との差はない。
==仕組み==
もっとも標準的な[[真核細胞]]では、細胞分裂は期(M期)に先立ち、DNA複製が起こり(S期)ゲノムが倍加し、細胞核の分裂[[核分裂]]が起こり、引き続き[[細胞質分裂]]が起こる。母細胞がそれと同等な娘細胞を生じる[[体細胞分裂]]であると考えられる。そも、発生過程中の仕組み細胞分裂でも、基本的な機構は該当項目を参照されたい同じである。
==様々な細胞分裂==
一般に[[真核細胞]]では、細胞分裂に先立って細胞の構成成分が倍加(二分裂の場合)し、準備が整うとまず細胞核の分裂が起こり引き続き[[細胞質分裂]]が進む。核分裂が起きながら細胞質分裂が起きない場合、[[多核体]]を生じる。[[細胞周期]]のうちで核分裂から細胞質分裂までを、分裂期(M期)と呼ぶ。
[[体細胞分裂]]では[[染色体]]数は変わらないが、[[生殖細胞]]が[[配偶子]]に分化する際などにみられる[[減数分裂]]では染色体数が半減す る。このほか、[[受精卵]]の細胞分裂は[[卵割]]という。体細胞分裂ではあるが、細胞の成長を伴わないなど、特殊な点もある。 ▼
[[受精卵]]の細胞分裂は[[卵割]]ともいう。体細胞分裂と同様の機構で起こるが、分裂後の細胞サイズの成長を伴わない。
また、一度に多数の細胞に分裂することを'''多分裂'''と言うが、これは核分裂が繰り返し起こったのち、細胞質分裂が適所に起こる状態で、[[ショウジョウバエ]]の初期発生に観られる[[シンシチウム]]がそれに当たる。
▲[[体細胞分裂]]では[[染色体]]数は変わらないが、[[生殖細胞]]が[[配偶子]]に分化する際などにみられる[[減数分裂]]では染色体数が半減する。このほか、[[受精卵]]の細胞分裂は[[卵割]]という。体細胞分裂ではあるが、細胞の成長を伴わないなど、特殊な点もある。
細胞の中央で分裂する等分裂と、偏りをもって分裂する不等分裂 (極端に不均等な大きさに分裂するものは「[[出芽]]」等と呼ばれる)がある。また細胞運命決定因子が不等分配されることは、[[発生 (生物学)|発生]]において重要な役割を担っている。 ▼
古くは細胞分裂をまず[[有糸分裂]]と[[無糸分裂]]に分けたが、現在では無糸分裂は通常の分裂とは見なされていない。また、一度に多数の細胞に分裂することを'''多分裂'''と言うが、これは要するに有糸分裂の繰り返しで核が先に分かれることによるものであり、現在では重視されない。
古くは細胞分裂をまず[[有糸分裂]]と[[無糸分裂]]に分けたが、現在では無糸分裂はほぼ使われない。
▲細胞の中央で分裂する等分裂と、偏りをもって分裂する不等分裂(極端に不均等な大きさに分裂するものは「[[出芽]]」等と呼ばれる)がある。また細胞運命決定因子が不等分配されることは、[[発生 (生物学)|発生]]において重要な役割を担っている。
== 関連項目 ==
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