「アトキンソンサイクル」の版間の差分

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'''アトキンソンサイクル'''は容積型内燃機関([[オットーサイクル]])を基礎として、[[圧縮比]]よりも膨張比を大きくして熱効率を改善した[[内燃機関]]の一種またはその[[熱機関の理論サイクル|理論サイクル]]である。ジェームズ・アトキンソンにより[[1882年]]に開発された。
 
==基本原理(理論サイクル)==
[[File:AtkinsonCycle.png|thumb|アトキンソンサイクル]]
[[オットーサイクル]]では圧縮比と膨張比は等しい為、膨張終わり時点での圧力・温度は圧縮始め時点より高く、その圧力・温度エネルギー差が排熱(Q out)として捨てられる。これは理論サイクル上の熱効率の限界である。ここで膨張行程のみを長くし、作動ガス圧力が圧縮開始点と同等となるまで膨張できるならば、すべての熱エネルギーを運動エネルギーに変換でき、熱効率が100%となる。これがアトキンソンサイクルの基本原理である。
 
理論サイクルとしてのアトキンソンサイクルは、圧縮比よりも膨張比を高くすることにより排熱を少なくする事が目的であり、圧縮比の絶対値とは無関係である。
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==ミラーサイクル==
 実際には圧縮比を14程度まで高めたオットーサイクルに対し、吸気バルブの閉じるタイミングを下死点の前後に一定量ずらすことで実効圧縮比を小さく抑え、当初のものと同等の原理を再現したものが R.H.Miller ラルフ・ミラーによって考案され、[[ミラーサイクル]]として実用化されている。オットーサイクルとの違いはバルブのカム形状だけであり、従来の部品がほとんどそのまま流用できるのは応用上の大きな利点である。しかしながら同一排気量のオットーサイクルと比べた場合、吸入できる混合気(=発生熱量)が制限されてしまうため、発生できる出力は低くなってしまう。これを補うため[[過給]]を組み合わせることで機関重量あたりの出力を向上させたものが実用化されている。
 
熱機関のサイクルとして論じる場合、ミラーサイクルはアトキンソンサイクルに含まれると考えることができるが、内燃機関としての機構を論じる場合は両者は区別される。ミラーサイクルは、「アトキンソンサイクルのミラー手法」とも言える。
 
海外においてはを組み合わせたものだけをミラーサイクルとみなし、自然吸気仕様はアトキンソンサイクルと呼ぶ場合が多い<ref>http://www.curbsideclassic.com/blog/the-atkinson-and-miller-cycle-engines-not-exactly-how-they-started-out-to-be/</ref>
<ref>http://www.examiner.com/article/unique-engines-the-miller-cycle-engine</ref>。
{{Main|ミラーサイクル}}
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*[[熱機関の理論サイクル]]
*[[ミラーサイクル]]
 
[[Category:往復動機関|あときんそんさいくる]]