「かなたの子」の版間の差分

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原作小説について加筆、ドラマ役名修正
「道理」「かなたの子」あらすじ&登場人物追加
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=== 同窓会 ===
* 初出:『[[オール讀物]]』2008年4月号
田舎の町から東京に出てきた者だけで毎年開催される同窓会に、今年も亮一は参加した。誰も一言も触れないが、この会には「あのひのこと」を決して忘れない、口外しないと確認し合う意味合いがある。しかし亮一はずっと疑問に思い、罪の意識に苛まれてきた。結城大吾が亡くなったのは本当に事故だったといえるのか?
; 亮一
: [[東シナ海]]にせりだした半島の町出身。都内の大学に合格して上京し、放送局で総務の仕事についている。亜佐美という妻と、拓生(たくみ)という次に年中組になる息子がいる。40過ぎ。[[閉所恐怖症]]かつ[[暗所恐怖症]]。時折、[[過呼吸]]の発作を起こす。
; 小原 利恵
: デパート勤務。亮一の小学校の同級生。独身。同窓会ではなんとなく会計係を引き受けている。
; 深田 紀一
: 昨年よりかなり太っている。亮一の小学校の同級生。
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: 幹事。亮一の小学校の同級生。
; 佐藤 真
: 大学進学で上京したが、2年留年したあと学費の不払いで除籍になり、そのあとはずっと海外で放浪している。最初はむこう海外の写真を撮って日本に帰り、出版社に売りこんでいたが、30代になる頃からはほとんど帰国しなくなった。[[カンボジア]]で学校を作る手伝いをしている。
; 桑原 悦二
: 大学時代に真と親しかった男。
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=== 道理 ===
* 初出:『オール讀物』2009年11月号
岩淵啓吾は妻と喧嘩した日、8年前に交際していた野宮朔美に連絡をとってみた。当然変わっているだろうと思っていた電話番号は変わっておらず、久々に会うことができた2人は楽しい時間を過ごす。それからも度々会い続けたが、「世界の道理」「道理をわかっていないと間違った方向に向かう」「道理をわかっていないときは間違った人といろいろあった」など、次第に啓吾は朔美の言動がおかしいことに気付く。朔美と別れた時、そのきっかけとなったヨガ講師がよく言っていた「道理」というものの受け売りを話したのは確かに自分だ。しかし朔美はその言葉や思考をどんどん自分で突き詰め、洗脳されていったようであった。
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; 岩淵 啓吾(いわぶち けいご)
: 朔美には「イワくん」と呼ばれている。
; 岩淵 静江(いわぶち しずえ)
: 友人が企画した「三十路合コン」で会って2年程付き合い、啓吾と5年前に結婚した妻。啓吾は36歳、静江34歳だった。喧嘩は日常茶飯事。川崎の分譲マンションに住んでいる。
; 野宮 朔美(のみや さくみ)
: 啓吾と6年間交際していたが、啓吾が30歳の時にヨガ講師に恋をしたため別れを告げられ、8年前に別れた。気遣いができ、相手がかすかにでも後悔するようなことを決して言わない。未婚。文房具メーカー勤務。啓吾より2つ年下で40歳近いにも関わらず20代でも通るような容姿をしている。
; ヨガ講師
: 啓吾が朔美と別れてまで追いかけた「運命の人」。切れ長の目と薄い唇で一般的に美人の部類に入る顔立ちをしている。
; 田中 深雪(たなか みゆき)
: 啓吾の不倫相手。経理部。30代前半。飲み会に誘われ、酔った勢いでその日のうちに関係をもってしまった。
 
=== 前世 ===
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=== かなたの子 ===
* 初出:『文學界』2010年3月号
文江が嫁いだ村では、生まれるより先に死んでしまった子に名前などは決してつけてはいけない、死産で生まれた子の墓には菓子も玩具も供えてはいけないというしきたりがある。なぜならば、「彼方の世界」に行くことができないからだ。生まれなかった子は次に生まれてくるのだという。しかしそんなことが信じられない文江は、あと1か月で生まれてくるはずだった子に「如月」と名前をつけ、こっそりと毎日墓へ行って呼びかけた。そんな姿を義母にこっぴどく叱られた文江だったが、次の子を身ごもってもやはりそれが如月の生まれ変わりだとは思えず、夢に現れた如月が言った「今お腹にいるのはあたしではないよ。あたしは[[加賀の潜戸|くけど]]にいるよ。」という言葉を信じ、ある日誰にも何も告げずに1人でくけどへ向かう。
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; 文江
: 妊娠8か月目に流産してしまった子を密かに如月と名付ける。
; 真一
: 文江の夫。
; 義母
: 真一の母。しきたりにうるさい。
; 信子
: 文江の家から3軒先に住んでいる女。女の子を産んだ。
 
=== 巡る ===