「里見義通」の版間の差分

'''里見 義通'''（さとみ よしみち、[[1481年]]？-？）は、[[戦国時代_(日本)|戦国時代]]初期の[[里見氏]]当主。弟に[[里見実堯|実堯]]、子には[[里見義豊|義豊]]がいる。<br>従来の説では、第2代当主であった[[里見成義|成義]]の嫡男で里見氏第3代当主になったものの病弱のために[[永正]]15年[[2月1日 (旧暦)|2月1日]]に38歳の若さで病死したと言われていたが、実際には初代[[里見義実|義実]]（系譜上は祖父）の嫡男であり、その没年は大幅に繰り下げられて、[[安房国|安房]]一国の[[戦国大名]]としての基礎を築いた人物とするのが今日の定説である。

史料上の初見は永正5年（[[1508年]]）であるが、この時には既に安房の大半を掌握しており、弟の実堯に命じて安房北部から[[上総国]]南部を攻略させ、[[正木通綱]]ら安房・上総の[[三浦氏]]一族を服属させた。また、永正17年（[[1520年]]）には[[小弓公方]][[足利義明]]から[[下総国]][[関宿城]]攻略への助力の依頼を受けている。古文書などで確認できる里見氏出身の初代「安房国主」である。

旧来はその没年を永正15年あるいは[[大永]]元年（[[1521年]]）とされてきたが、大永5年（[[1525年]]）ごろまで義通に関する史料古文書が存在するために実際の死没はそれ以後であり、50歳近くまで健在（あるいは父を義実とすればそれ以上の高齢か）していた可能性が高い。また、息子・義豊の里見家当主としての活動がそれ以前から永正年間には既に見られるため、それ以前にの段階で[[隠居]]していたと考えられている。