「有界型空間」の版間の差分

[[数学]]、特に[[函数解析学]]における'''有界型空間'''（ゆうかいけいくうかん、ゆうかいがたくうかん、{{lang-en-short|''bornological space''}}; '''ボルノロジー空間'''）は、[[有界集合|集合]]や[[有界函数|函数]]の有界性の問題をある意味で考えるのに最低限必要な構造というものを抽出した空間のクラスである（これは[[位相空間]]が[[連続性]]の問題を考えるのに最低限必要な構造を抽出したものであったことと同様の考え方である）。有界型空間を初めて考えたのはマッケイキーで、命名は[[ニコラ・ブルバキ|ブルバキ]]による（フランス語で[[有界]]を意味する borné (と Topology) に由来）。

* ''X'' にマッケイキー位相 <math>\tau(X, X')</math> を入れるとき、''X'' 上の任意の有界線型汎函数が連続である。

* 有界型空間 ''X'' とその[[連続的双対]] ''X&prime;'' に対し、''X'' の位相は{{仮リンク|マッケイキー位相|en|Mackey topology}} τ(''X'',''X&prime;'') に一致する。

** 特に有界型空間は{{仮リンク|マッケイキー空間|en|Mackey space}}になる。

* ''U'' が ''X'' の零ベクトル 0 の凸均衡閉近傍ならば ''X'' の位相線型空間としての位相は {{math|''r'' > 0}} が任意の正数を亙るときの ''rU'' を近傍系として誘導される。この位相を持つ ''X'' を ''X''_''U'' で表すが、この位相は必ずしもハウスドルフにも完備にもならない。そこでハウスドルフ空間 ''X''_''U''/Ker(&mu;_''U'') の完備化を <math>\hat{X}_U</math> で表せば、この <math>\hat{X}_U</math> は完備ハウスドルフ空間で &mu;_''U'' はこの空間上のノルムになる。即ち <math>\hat{X}_U</math> バナハ空間である。''U'' の偏極集合を ''D&prime;'' とすれば、''X''^&lowast; において弱コンパクト有界同程度等連続ゆえ、劣完備である。

* {{仮リンク|一様収斂連続線型写像の位相空間|en|TopologySpace of uniformlinear convergencemaps}}