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寛文8年4月28日 、七十郎は処刑されるとき「やい万右衛門、よく聞け、われ報国の忠を抱いて、罪なくして死ぬが、人が斬られて首が前に落つれば、体も前に附すと聞くが、われは天を仰がん。仰がばわれに神霊ありと知れ。三年のうちに癘鬼となって必ず兵部殿を亡すべし」と云う。万右衛門の太刀が弱くてか七十郎の頚が固くてか、首は半分しか切れぬ。七十郎は斬られた首を廻して狼狽する万右衛門を顧み「あわてるな、心を鎮めて斬られよ」と叱咤した。万右衛門は気を取り直して振り上げた二度目の太刀で七十郎の首を斬り落としたが、同時に七十郎の体が果たして天を仰いだ。後に七十郎を斬った万右衛門は、七十郎が清廉潔白な忠臣の士であったことを知り、大いに悔いて阿弥陀寺(仙台市若林区新寺)の山門前に地蔵堂を建てて、七十郎の霊を祀ったとも云われている。