「マジック:ザ・ギャザリング」の版間の差分

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このゲームは発売されてから短期間の内に驚異的な人気を得て、[[テーブルトークRPG|TRPG]]関連の新興零細メーカーに過ぎなかったウィザーズ・オブ・ザ・コースト社を一気に成長させた。そしてその人気に触発されて多くのメーカーが次々とTCGを発売した結果、僅か数年でTCGがゲームの一ジャンルとして確立したのである。人気は他のゲームジャンル・漫画にも影響を与えた。[[ポケモンカードゲーム|ポケットモンスター]]、[[遊☆戯☆王]]はこのゲームの影響を強く受けている。
 
大会形式も確立されており、世界中でトーナメントが開かれている。世界中からトッププレイヤーが集結して開催されるプロツアーや世界選手権を目指し、生活をマジックに捧げてまで世界を相手に競う若者も多い。初めの頃は日本勢は優勝どころかベスト8すら高い壁であり、良くてベスト16前後を行ったり来たりする程度であったが、2001年のプロツアー東京にて藤田剛史が日本人初のベスト8入り(準優勝)を果たしたのを皮切りに、日本人がどんどん世界の舞台に進出していった。そしてついに2004年プロツアー神戸で黒田正城が初めて日本人初のプロツアー王者に輝く。2005年シーズンでは世界選手権個人戦を森勝洋が制し、日本人初の世界王者となった。同時に国別対抗トーナメントでも[[日本代表]]が優勝し、プレイヤー・オブ・ザ・イヤー(年間MVP)を津村健志が獲得したことで、日本が三冠を達成した。また2006年世界選手権では国別対抗トーナメントこそ準優勝と三冠は逃すものの、世界選手権個人戦優勝(三原槙仁)、プレイヤー・オブ・ザ・イヤー(八十岡翔太)と2つのタイトルを連続で日本に持ち帰ることとなった。前出の藤田剛史、津村健志に加え、公式大会で一番多くマッチを行った中村修平の3人は、マジック殿堂入りも達成している
 
== 基本的な遊び方 ==
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マジックのカードの裏面の模様は、どの色がどの色と友好関係(敵対関係)にあるかを図案化したものになっていて、ある色に隣り合う2色は友好的、対辺の2色は敵対的とされている。'''基本セット'''には大抵対抗2色を阻害するカードが収録されており、どちらかというと友好色の多色デッキの方が組みやすいようにはデザインされている。あくまでも組みやすいだけであり、拡張セット'''アポカリプス'''や'''イーブンタイド'''のように、あえて敵対2色をフィーチャーしているセットもある。また'''イニストラード'''では次の拡張セット'''闇の隆盛'''とともに友好2色をフィーチャーしていたが、セット内には対抗2色の多色地形が組み込まれており、スタンダードでカードが使える前後1年のマナバランスも考慮に入れながら、セットは組まれている。
 
拡張セット'''ラヴニカ・ギルドの都'''以降のセットでは、特定の2色ないし3色を1グループとし、それぞれのグループごとに特徴を持たせるというパターンも多くなっていて、有効敵対の関係はかなり曖昧になっている。
 
以下に、ルールの詳細に立ち入らない範囲で各色の特徴の一部を述べる。
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;[[伝説|伝説の]] (Legendary) カード
:ストーリー上、特に重要な登場人物や地名などを表したカードには「'''伝説の'''」という特殊タイプが追記される。また、拡張パック'''ミラディン'''までのクリーチャーにはこれと同じ意味を持つ「レジェンド」というクリーチャー・タイプが存在するが、現在はオラクルの修正で特殊タイプ「伝説の」に置き換わっている。
:複数の同名の「'''伝説の'''」という特殊タイプを持つカードが場札になっている場合、自分の場には1枚しか残せないという特別ルール('''レジェンド・ルール''')がある。ただしストーリー上の同一人物だが、カード名が違う物は何枚でも残せる。拡張パック'''ヴニカへゴン回帰迷路'''までのルールでは、自分相手問わず1枚までしか場に出せず、2枚目が出ると両方が対消滅。拡張パック'''ミラディン'''までのルールでは、先に召喚した物が残り、後から召喚した方が一方的に消滅するというルールであった。
:その代わりにカード単体での効果は強力なものが多い。
:なお、'''プレインズウォーカー・カード'''に対してもプレインズウォーカー・ルールというほぼ同じ内容のルールが適用される。こちらは別名のカードでも、プレインズウォーカー・タイプが一致した場合、自分の場にはどちらか片方しか残せない。こちらも拡張パック'''ドヴニカへゴン回帰迷路'''までは対消滅した。
;氷雪 (Snow) カード
:拡張パック'''アイスエイジ'''や'''コールドスナップ'''では'''氷雪土地'''が登場する。'''氷雪'''パーマネントから発生したマナは、一部の'''氷雪'''クリーチャーの能力などを使用するために使うことができる。ちなみに'''マジック'''における'''色'''は前述の5色のみであり、新たな色(雪色)が追加されたわけではない。
:なお、リミテッド戦においては、氷雪土地カードは基本土地カードと違ってパックからしか入手できない。基本土地カードは別に支給される。
;追放領域
:墓地とは異なり、基本的に再利用不可能な捨て場領域。こちらにカードが置かれる場合「このカードが死亡した時~をする」などの能力が誘発されないため、この領域にカードを移動させることは、一番強力な妨害方法となるまたカードの効果によって一時的に追放し、能力の発動後に、このカードによって追放されたカードをライブラリーの下に置く」などのカードを保留しておく領域にも使われる他、一時的に追放し、特定のタイミングで場に復帰させるという、雲隠れ的なフレーバーを持つカードも存在する。
 
== ストーリー・ライン ==
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物語の大筋は、古典的なファンタジーと英雄譚である。基本的に物語はドミニアという多元宇宙空間で繰り広げられ、その中には多くの次元と繋がる多元宇宙の(ストーリー的な意味でも)中心であり豊富なマナを持つ「ドミナリア」、邪悪な機械文明に支配され堕落と疫病の蔓延する「ファイレクシア」、ファイレクシアの前線基地として人工的に作られた次元「ラース」、生物を含めあらゆる物が金属からなる「ミラディン」、万物に宿る「神」を崇める人々が暮らす日本風の次元「神河」などの様々な世界が存在する。それらの次元を舞台として、プレインズウォーカー(次元を渡る者 の意)と呼ばれる魔術師たちが激闘を繰り広げる。
 
マジックのプレーヤー自身もプレインズ・ウォーカーという設定で、新たなエキスパンションが出るということは、新たな次元での戦いが始まるということでもある。
 
また、昔のセットには、[[アラビアンナイト]]や[[三国志演義]]を題材にしたものも存在する。
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== 発表されたシリーズ ==
各セットの枚数は、絵違いの同カードも異なる種類としてカウントしてある。また【】内は英名/公式略称。以前は2文字であったが、レギオン発売時にレジェンドと一緒になってしまうため、3文字に拡張された。
 
=== 基本セット ===
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: 一部のカードのイラストが変わる。第4版とクロニクルの補完という意味も含め、収録されているカードが最も多い。
; [[第6版 (マジック:ザ・ギャザリング)|第6版]]:クラシック【6ED】(1999年4月発売/全350種類)
: 発売時、大きくルールが変わった。特に煩雑なルールや誤解を招きやすいルールについて、大幅に簡便化された。日本語版ではカード名の[[書体]]が変更された。基本セットにエキスパンションシンボルが付き、レアリティが判別できるようになった。また基本セットのカードにコレクターナンバーが付いたのもこのセットからである。初版の黒枠版が存在する。基本セットでは唯一のサブタイトルが付いているセット。
; [[第7版 (マジック:ザ・ギャザリング)|第7版]]【7ED】(2001年4月発売/全350種類)
: 全カードのイラストが変更された。基本セットでは初めて黒枠のフォイルカードが同梱されるようになった。ブースター1パックに1枚土地が同梱されるようになった。
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; ミラディン【Mirrodin/MRD】 (2003年10月3日発売/全306種類)
:: 金属生命体とアーティファクトが棲む金属世界、ミラディンが舞台。カードのレイアウトが大幅に変更され、クリーチャーの種族等も再分類された。パッケージのロゴが英字から片仮名に変更。このエキスパンションから、第1エキスパンションが舞台となる次元の名前になった(ただし時のらせんのみ事件名)
:: アーティファクトがテーマのセットで、非常に多くのアーティファクト・カードが収録された。そうでないカードもほとんどがアーティファクトに関連する効果を持つ。
:: 史上最多の禁止カードを生み出したエキスパンションでもある。
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:: 今までの断片のテーマに沿ったカードや複数の断片をハイブリッドしたようなカードの他、自分がどれだけの種類の基本土地を持っているかを参照する「版図」と呼ばれる能力がインベイジョン・ブロック以来再登場した。
:; アラーラ再誕【Alara Reborn/ARB】 (2009年4月30日発売/全145種類)
:: すべてのカード、アーティファクトですら例外無く多色(金色)という異色のセット。ラヴニカブロックやシャドウムーアブロックに引き続き混成マナを持つカードが収録、新キーワード能力として「続唱」が登場しされた。
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; ゼンディカー【Zendikar/ZEN】 (2009年10月2日発売/全249種類)
: 地殻変動が絶えない次元、ゼンディカーが舞台。種族を超えて同盟者達が協力し、ゼンディカーの財宝を求めて冒険する。探検・冒険といったコンセプトから、「探索」カードや、同盟者達を待ち構える罠カードが登場する。
: 土地がテーマであり、オンスロートブロックにあったフェッチランドの対抗色版が登場したり、新キーワード能力土地を出すこによっ特定の効果を発動させる「上陸」、マナを出す以外に能力を持つ土地登場した多く入っている。また、インベイジョンブロックで初登場した「キッカー」が再登場している。
: 初回生産分のブースターパックには、今では絶版となっており古いエキスパンションに収録されていた強力で貴重なカードが、非常に低い確率で同梱されていた。これらのカードはゼンディカー世界に眠る古の財宝に見立てて「トレジャーカード」と呼ばれている。この情報はWoCの公式文章上でも発表されており、[[都市伝説]]ではない。それによればトレジャー・カードは再版ではなく、製作会社が市場に出回っていたコレクター的な価値が高いカードを買い取ったものである。このエキスパンションのためにリミテッド戦のルールに「そのエキスパンションのカードのみ使用できる」というルールが追加された。
:; ワールドウェイク【Worldwake/WWK】 (2010年2月5日発売/全145種類)
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:: ゼンディカーの遺跡に封印されていた多元宇宙の[[旧支配者|旧神]]、エルドラージが復活した後のゼンディカーが舞台。
:: 重いコストと派手な効果、能力を持つ無色の種族「エルドラージ」と、生け贄に捧げる事でエルドラージの多大な召喚コストを支払うためのマナに変化する「落とし子」が登場した。また、[[ロールプレイングゲーム|RPG]]のように段階的に強くなる「レベルアップ・クリーチャー」も登場した。新キーワード能力として「Lvアップ」「族霊鎧」「反復」が登場した。
:: ゼンディカーの拡張セットとして作られたが、カード収録枚数はゼンディカーと同じで、基本土地カードも新イラストのものが描きおろされ、新たな時代が急激に始まったことを強調している。リミテッドでもゼンディカー/ワールドウェイクのカードを使わずに、エルドラージ覚醒のみで行われる。そのためカードセットとして共通のメカニズムなどが収録されず、ゼンディカーやワールドウェイクとのつながりは薄い
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; ミラディンの傷跡【Scars of Mirrodin/SOM】  (2010年10月1日発売/全249種類)
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; イニストラード【Innistrad/ISD】  (2011年9月30日発売/全264種類)
:: ゴシックホラーを基調としたエキスパンション。ザ・ダークのようにイメージを先行させ後からカードを作るスタイルのため、色の役割が意図的に崩されている部分もある。4種類の怪物と、それに怯える人間がそれぞれ2色の組み合わせによる部族の表で再に加えされそれぞれの種族ごとに墓地をどう扱うら唱えたりというアングルでイメージ・墓地を参照するカードが多数収録されており、この2色による種族表現という3テーマの1つともなっで構成されている。
:: イメージ先行のため、西欧の宗教では忌み数とされている[[13]]を積極的に取り入れている。そしてイニストラード・ブロック全体のカード総数が[[666]]種類になっており、これも西洋の宗教では悪魔を意味する忌み数となっている。
:: トレーディングカードゲームとしては異例の両面カードが[[デュエル・マスターズ]]より逆輸入された。両面カードの代わりに使うチェックリストカードが土地の枠に入るため、基本土地が各種3種類と1枚少ない。
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:: 今までエキスパンションの1つ目と3つ目が収録250枚級の大型エキスパンションというのはあったが、2つ目が大型となるのは史上初。大型エキスパンションのため、リミテッド戦ではこのエキスパンション単独で行われる。カードの枚数はラヴニカへの回帰より少なくなっているが、これは新規の基本土地が書き下ろされなかっただけであり、基本土地25枚を除いた枚数は共通である。
:; ドラゴンの迷路【Dragon's Maze/DRM】(2013年5月3日発売/全156種類)
:: イゼットのギルドマスター、ニヴ・ミゼットは、ラヴニカの都市を流れるマナの流れを発見する。この流れは各ギルドの本拠地を通り、あるところへ向かっていた。この謎を解くために、各ギルドで選ばれた迷路走者がその流れを追う。
:: 10ギルドが一同に揃うブロック最終エキスパンション。シールド・リミテッドでは各エキスパンション2パックずつ、ブースター・ドラフトでは3つのエキスパンションを1パックずつ使って行われる。大型エキスパンションを同時に使うのは今回が初となった。大型エキスパンション2つの色が完全にズレているため、1色を軸とし、他の2色を適宜振り分けていく3色デッキがメインとなる。
:: 基本土地の代わりに前2つのエキスパンションに収録された特殊土地、もしくは新規の特殊土地が封入される。ショックランドがラヴニカへの回帰とギルド門侵犯から再録されているが、ゼンディカーのトレジャー・カードとは違いデッキに投入可能とされた。
::旧ラヴニカブロックにも投入された分割カードが条件付きで、両方の面を唱えられる融合カードとして登場。10のクランを象徴する10色サイクルが多数取り入れられている。
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; テーロス【Theros/THS】(2013年9月27日発売/全249種類)
:: 生者の住む世界、そして神々の世界ニクスからなる次元テーロスを舞台に繰り広げられる物語。主要テーマはエンチャント。この世界のエンチャントは魔力が形となったものとされ、未来予知のタイムシフト枠に1枚だけ存在していたエンチャント・クリーチャーが、オーラとクリーチャーのどちらかを、唱える際選択出来るという新しい形で登場。
:: また5色それぞれに、普段はエンチャントだが、マナシンボルの数が一定値に達するとクリーチャーとして顕現する神もエンチャント・クリーチャーの扱いで登場している。神の作りしアーティファクトという形でエンチャント・アーティファクトも同時に登場した。
:; 神々の軍勢【Born of the Gods/BNG】(2014年2月7日発売/全165種類)
:: 生者の世界とニクスとの境が薄くなり、ニクスの生物が滲み出してきたテーロスが舞台。ニクスの生物ということで、神でもなく、オーラとしても唱えられないエンチャント・クリーチャーが登場した。
=== 入門セット ===
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