「神々の深き欲望」の版間の差分

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現代文明から隔絶された南海の孤島を舞台に、神話の伝統を受け継いで生活する島人と近代化との相克、日本人の根源的な生と性を描いている。
 
今から二十年ほど前、原始的な農耕と土俗信仰に生きている南海の島・クラゲ島に暴風と津波が襲う。嵐が過ぎ去ると、神田(神さまに供える米を作る田)に真っ赤な巨岩が立っているのを島民が発見し、この凶事の原因を詮議する。竜立元は原因を島の神事を司る太根吉が妹のウマと淫らな行為をしていることが神の怒りにふれたと考え、彼を鎖でつなぎ、穴を掘って巨岩の始末をするように命じ、ウマを情婦にした。その日から根吉の息子・亀太郎は若者から疎遠された。そこに[[東京]]から製糖会社の測量技師・刈谷が水源調査のためにやってきた。亀太郎は精糖工場長も務める竜に頼んでもらって刈谷の助手になった。二人は島内の随所で水源調査を行うが、島民から妨害を受けて水源発見の情熱を失ってしまう。ある日、刈谷は亀太郎の妹・トリ子を抱いた。彼女の純粋さと魅力に惹かれた刈谷は、根吉の娘婿となって彼の穴掘りを手伝い、クラゲ島に骨を埋めようと決意する。巨岩の始末も終わり、島の生活に取り込まれていった刈谷だが、会社からの帰京命令で島を去る。一方、東京の東光カンパニーがクラゲ島の観光開発を決定し、太家一帯は飛行場の用地として買収されることになった。豊年祭りの夜、竜はウマを抱いて[[腹上死]]したが、竜の妻・ウナリは嫉妬と恨みで家に火をつけ、根吉が夫を殺したと村人に告げる。根吉は、竜から解放されたウマを連れて島を脱出しようとした。しかし根吉は追手に殺され、ウマも小舟の帆柱に縛りつけられ見殺しにされた。その5年後、部長になった刈谷は妻と義母を連れて観光客でにぎわうクラゲ島にやってきた。観光列車に乗った刈谷は、刈谷を待ち焦がれたトリ子が、化身したといわれる岩・トリ子岩を眺める。一方彼女列車の運転手をしている亀太郎はトリ子の幻影を見る。里徳里は今日もクラゲ島創生記を[[三線|蛇皮線]]で弾き語ていた。
 
== キャスト ==
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*:根吉の息子。島の古臭い因習から逃れたいと思っている。
* 刈谷:[[北村和夫]]
*:東京から来た測量技師。前任の島尻が音信不通だったため、事業継続を検討するために島にやって来
* 太トリ子:[[沖山秀子]]
*:亀太郎の妹。知的障害がある。
* 太ウマ:[[松井康子]]
*:根吉の妹立元の妾でもあ。ノロという巫女に当たる役目を務めている。
* 竜立元:[[加藤嘉]]
*:クラゲ島の区長で製糖工場の工場長。
* 島尻:[[小松方正]]
*:刈谷の前任の測量技師。東京に妻子がいるにも関わらず、島の女性と結婚している。
* 東夫人:[[細川ちか子]]
*:刈谷の会社の長夫人。刈谷の義母でもある。
* 刈谷夫人:[[扇千景]](特別出演)
*:刈谷の妻。東夫人の娘。
* 里徳里:[[浜村純]]
*:竜や根吉の戦友だが、戦地で負傷して下半身が麻痺している。いつも[[三線|蛇皮線]]で島の創世紀を弾き語っている。
* 比嘉:[[殿山泰司]]
*:沖縄本島からの行商人。
* 麓金朝:[[水島晋]]
*:竜の部下で漁労長。5年後のクラゲ島の精糖工場長。
* 土持:[[石津康彦]]
* 山城:[[徳川清]]
* 村の青年:[[長谷川和彦]]
*:夜這いをする青年の一人。
* 竜ウナリ:[[原泉]]
*:竜立元の妻。毎日お祈りをしている
* 里ウト:[[中村たつ]]
*:徳里の妻。5年後のクラゲ島で[[コカコーラ]]を売っている
* 太山盛:[[嵐寛寿郎]]
*:根吉の父。神に仕える太家の長。