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=== キャブレターと過給器(キャブターボ) ===
[[ファイル:Corvair turbo engine.jpg|サムネイル|右|1962年式シボレー・コルヴェアの「モンザ・スパイダー」キャブターボエンジン]]
[[Image:1968 AMX blown and tubbed e.jpg|thumb|right|200px|1968年式[[アメリカン・モーターズ|AMC]]・AMXのドラッグレース仕様]]
[[ターボチャージャー]]や[[スーパーチャージャー]]は古くは[[第二次世界大戦]]当時から既に実用化されていたが、自動車には1962年に[[シボレー]]が[[シボレー・コルヴェア]]と[[オールズモビル・カトラス]]([[:en:Oldsmobile Cutlass|英語版]])にオプション扱いでターボエンジンが少数生産された程度で、1970年代後半に[[燃料噴射装置]]の普及が進むまでは、[[モータースポーツ]]に用いられる車両を除いてはなかなか量産車両への本格的な採用が行われなかった。事実上世界初の量産ターボ車である1973年の[[BMW・02シリーズ#BMW2002Turbo.28.E3.82.BF.E3.83.BC.E3.83.9C.E3.83.A2.E3.83.87.E3.83.AB.29|BMW・2002ターボ]]ですら機械式インジェクションであり、キャブターボ仕様の市販車は電子制御式キャブレターと併用したものを除いては純然たるスポーツキャブレターと併用したものは前述のシボレー車や[[ロータス・エスプリ]]などのごく一部の[[スーパーカー]]を除いてほとんど存在しない。[[日本車]]でも1980年代中期から末にかけての550cc時代の[[軽自動車]]に、ごく少数の採用例が存在したにすぎない。それには以下のような理由が関係している。
[[File:Mitsubishi 3G81T engine (H14V).JPG|thumb|right|1988[[モデルイヤー|年式]][[三菱・ミニカ|三菱・ミニカエコノ ZEO]](H14V型)の[[三菱・3G8型エンジン|3G81ターボ]]。日本の軽自動車の幾つかが同時期にこれと類似したキャブターボを採用している。]]
{{要出典範囲|date=2014年3月|[[ターボチャージャー]]や[[スーパーチャージャー]]は古くは[[第二次世界大戦]]当時から既に実用化されていたが、自動車用としては[[モータースポーツ]]用いられるほか1962年に[[シボレー]]が[[シボレー・コルヴェア]]と[[オールズモビル・カトラス]]([[:en:Oldsmobile Cutlass|英語版]])にオプション扱いでターボエンジンが少数生産された程度で、1970年代後半に[[燃料噴射装置]]の普及が進むまでは、[[モータースポーツ]]に用いられる車両を除いてはなかなか量産車両への本格的な採用が行われなかった。事実上世界初の量産ターボ車である1973年の[[BMW・02シリーズ#BMW2002Turbo.28.E3.82.BF.E3.83.BC.E3.83.9C.E3.83.A2.E3.83.87.E3.83.AB.29|BMW・2002ターボ]]ですら機械式インジェクションであり、}}キャブターと過給器を組み合わせた仕様の市販車は電子制御式キャブレターと併用したものを除いては、{{独自研究範囲|date=2014年3月|純然たるスポーツキャブレター}}と併用したものは{{要出典範囲|date=2014年3月|前述のシボレー車や[[ロータス・エスプリ]]などのごく一部の[[スーパーカー]]を除いてほとんど存在せず、それ以外は電子制御式キャブレターと併用ないたものであった}}{{要出典範囲|date=2014年3月|[[日本車]]で1980年代中期から末にかけての550cc時代の[[軽自動車]]に、ごく少数の採用例が存在したにすぎない}}{{独自研究範囲|date=2014年3月|それには以下のような理由が関係している。}}
 
キャブレターに[[過給器]]を取り付ける場合には、スロットルバタフライがキャブレター本体に内蔵されている関係上、通常は過給器と[[インテークマニホールド]]の間にキャブレターが置かれる。キャブレターのバレルベンチュリにブーストが掛かっても{{独自研究範囲|date=2014年3月|圧力が大気圧以上であるため、フロートの動作には問題はない}}。しかしブースト状態から急激にアクセルを緩めると、スロットルバルブにより{{独自研究範囲|date=2014年3月|圧縮圧がタービン側にはじき返されるバックタービン([[サージング]])が発生する。}}[[燃料噴射装置]]の場合にはこの際に燃料を完全にカットするように制御されているが、{{独自研究範囲|date=2014年3月|キャブレターの場合はバックタービンの負圧で大量の燃料が吸い出されて混合気となってエアクリーナー吸入口まで逆流してしまい、これに引火することで'''[[エアクリーナー]]や[[インテーク]]パイプを吹き飛ばす凄まじい[[バックファイア]]が発生する'''場合がある}}<ref>{{独自研究範囲|date=2014年3月|自然吸気キャブレターのバックファイアでもエアクリーナーが吹き飛ぶことがあるが、過給器仕様の場合は加圧された多量の混合気がバックタービンで逆流して一気に着火するため、その危険度は自然吸気の比ではない。}}</ref>。{{独自研究範囲|date=2014年3月|このバックファイアが頻発するとエアクリーナーはもちろん、キャブレター本体やタービンのインペラーにも大きなダメージを与えかねないために}}、反射圧を外部へ放出する[[ブローオフバルブ]]が考案されるようになった。
[[Image:1968 AMX blown and tubbed e.jpg|thumb|right|200px|1968年式[[アメリカン・モーターズ|AMC]]・AMXのドラッグレース仕様。大排気量V8エンジンにボンネットからはみ出す程の巨大な[[スーパーチャージャー]]とエアスクープ付きの吸い込みレイアウトのダウンドラフトキャブレターを'''単純に積み重ねる'''構成は、ある意味典型的な[[アメリカ車]]を示す[[カリカチュア]]ともなった]]
キャブレターに[[過給器]]を取り付ける場合には、スロットルバタフライがキャブレター本体に内蔵されている関係上、通常は過給器と[[インテークマニホールド]]の間にキャブレターが置かれる。キャブレターのバレルにブーストが掛かっても圧力が大気圧以上であるため、フロートの動作には問題はない。しかしブースト状態から急激にアクセルを緩めると、スロットルバルブにより圧縮圧がタービン側にはじき返されるバックタービン([[サージング]])が発生する。[[燃料噴射装置]]の場合にはこの際に燃料を完全にカットするように制御されているが、キャブレターの場合はバックタービンの負圧で大量の燃料が吸い出されて混合気となってエアクリーナー吸入口まで逆流してしまい、これに引火することで'''[[エアクリーナー]]や[[インテーク]]パイプを吹き飛ばす凄まじい[[バックファイア]]が発生する'''場合がある<ref>自然吸気キャブレターのバックファイアでもエアクリーナーが吹き飛ぶことがあるが、過給器仕様の場合は加圧された多量の混合気がバックタービンで逆流して一気に着火するため、その危険度は自然吸気の比ではない。</ref>。このバックファイアが頻発するとエアクリーナーはもちろん、キャブレター本体やタービンのインペラーにも大きなダメージを与えかねないために、反射圧を外部へ放出する[[ブローオフバルブ]]が考案されるようになった。
 
[[V型8気筒]]エンジンに[[スーパーチャージャー]]を搭載する場合には、{{要出典範囲|date=2014年3月|スーパーチャージャーの吸入口にキャブレターを取り付ける場合がある。ターボの場合でもキャブレターをターボチャージャーの前に配置する場合がある}}。このような吸い込み式レイアウトは過給器の後ろにキャブレターを取り付ける押し込み式レイアウトに比べて{{要出典範囲|date=2014年3月|キャブセッティングや過給システムの構築が容易であり}}、構成上バックタービンが発生しないメリットがあるとされるが、[[燃料噴射装置|インジェクション]]仕様ではまず起こり得ない'''過給器内部に混合気が吹き込まれ圧縮される'''状況が発生する。{{要出典範囲|date=2014年3月|仮にこの状況で[[バックファイア]]が発生すると、'''[[インタークーラー]]や[[スーパーチャージャー]]、キャブレター本体が吹き飛ばされる'''}}<ref>[http://www.youtube.com/watch?v=HGcIJWnClz4 バックファイアでスーパーチャージャーがキャブレターごと吹き飛んだ事例]{{出典無効|date=2014年3月}}{{リンク切れ|date=2014年3月}}</ref>といった危険なトラブルが発生する{{独自研究範囲|date=2014年3月|過給器と吸気バルブの間に燃焼室からの逆火を遮るスロットルバルブが存在しないため、フルスロットルの全開過給の最中にバックファイアが混合気に引火して吸気システム全体を破壊することも珍しくはない。}}
[[File:Mitsubishi 3G81T engine (H14V).JPG|thumb|right|1988[[モデルイヤー|年式]][[三菱・ミニカ|三菱・ミニカエコノ ZEO]](H14V型)の[[三菱・3G8型エンジン|3G81ターボ]]。日本の軽自動車の幾つかが同時期にこれと類似したキャブターボを採用している。]]
[[V型8気筒]]エンジンに[[スーパーチャージャー]]を搭載する場合には、スーパーチャージャーの吸入口にキャブレターを取り付ける場合がある。ターボの場合でも、キャブレターをターボチャージャーの前に配置する場合がある。このような吸い込み式レイアウトは過給器の後ろにキャブレターを取り付ける押し込み式に比べてキャブセッティングや過給システムの構築が容易であり、構成上バックタービンが発生しないメリットがあるとされるが、[[燃料噴射装置|インジェクション]]仕様ではまず起こり得ない'''過給器内部に混合気が吹き込まれ圧縮される'''状況が発生する。仮にこの状況で[[バックファイア]]が発生すると、'''[[インタークーラー]]や[[スーパーチャージャー]]、キャブレター本体が吹き飛ばされる'''<ref>[http://www.youtube.com/watch?v=HGcIJWnClz4 バックファイアでスーパーチャージャーがキャブレターごと吹き飛んだ事例]</ref>といった危険なトラブルが発生する。過給器と吸気バルブの間に燃焼室からの逆火を遮るスロットルバルブが存在しないため、フルスロットルの全開過給の最中にバックファイアが混合気に引火して吸気システム全体を破壊することも珍しくはない。
 
市販車両のターボやスーパーチャージャーエンジンは、{{独自研究範囲|date=2014年3月|車両の安全確保のために極めて早期の内に[[燃料噴射装置|インジェクション]]に改装され、日本国内では現在ではキャブレターでの過給器仕様は手がける者も少なくなっているが、アメリカでは高度な電子制御システムを構築する余力のないプライベーターの手により[[ドラッグレース]]を中心に未だに広く行われている。競技の性質上[[ブローオフバルブ]]を敢えて装備しない[[ドラッグレース]]仕様のキャブターボやスーパーチャージャーエンジンでは、さらに極端にオーバーラップの大きい[[ハイカム]]や[[ナイトラス・オキサイド・システム]]などを併用することも珍しくないため}}{{要出典範囲|date=2014年3月|現在では安全規則としてナイロン製の頑丈な布で過給器やインテークマニホールドを覆い、ボルトで布を固定して部品の飛散防止対策を施すことが義務付けられているが}}、参加車両が吸気系統を破壊するほどの凄まじいバックファイア<ref>[http://www.youtube.com/watch?v=8sYApXA1wd4 このような状況である。]動画の車両は[[マツダ・RX-7|RX-7・SA22C]]に20Bペリフェラルポートエンジン、スーパーチャージャーに吸い込みレイアウトのダウンドラフトキャブを装備という仕様だが、バックファイアで'''ボンネットが吹き飛ぶほどの爆発'''を起こしている。</ref>を起こして走行不能に陥る光景は{{独自研究範囲|date=2014年3月|競技会場の日常的な風景でもある}}
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