「外国語様アクセント症候群」の版間の差分

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同症候群の患者は、聞き慣れていない人にとって、[[母国語]]を外国語の[[訛り]](社会言語学的アクセント)で話しているように聞こえる。例えば、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の[[英語]]話者が南東部の[[イギリス英語]]訛りを話すように聞こえる、或いはイギリス英語を母語とする話者がニューヨークのアメリカ英語訛りで話すように聞こえるといった場合である。しかしながら、[[オックスフォード大学]]の研究チームにより、外国語様アクセント症候群の一部の事例では脳の特定されたある部分が損傷していたことが突き止められている。脳の特定部分が各種の[[言語]]的機能を司っているため、もし損傷を受ければ音の高低にズレが生じたり、[[音節]]を誤って発音することがあり、その結果発語パターンが原因の特定できない変化を起こすではないかと考えられる{{citation needed|date=December 2012}}。一般的に、同症候群患者はこのような訛りを困難なく話すように思われているが、実際には発語障害を持つのと同様の感覚を生ずる<ref>{{cite journal|last=Miller|first=Nick|coauthors=Jill Taylor, Chloe Howe, Jennifer Read|title=Living with foreign accent syndrome: Insider perspectives|journal=Aphasiology|date=September 2011|volume=25|issue=9|pages=1053–1068|url=http://journals1.scholarsportal.info.myaccess.library.utoronto.ca/show_html.xqy?uri=/02687038/v25i0009/1053_lwfasip.xml&school=toronto|accessdate=December 9, 2012|doi=10.1080/02687038.2011.573857}}</ref>。より最近には、外国語様アクセント症候群の一部の症例において、運動神経を司る[[小脳]]が決定的に関与している可能性を示す証拠が次々と発見されている。これは、発語パターンの変化が機械的であるが故に原因が特定できないという考え方を支持するものである<ref>Mariën P., Verhoeven J., Engelborghs, S., Rooker, S., Pickut, B. A., De Deyn, P.P. (2006). A role for the cerebellum in motor speech planning: evidence from foreign accent syndrome. Clinical Neurology and Neurosurgery, 108, 518-522.</ref><ref>Mariën P., Verhoeven J. (2007). Cerebellar involvement in motor speech planning: some further evidence from foreign accent syndrome. Folia Phoniatrica et Logopaedica, 59:4, 210-217.</ref>。従って、外国語訛りのように感じられるのは、恐らく聞き手の側に[[パレイドリア]]効果を生ずるためであろう。
 
=== 初期の事例 ===
同症状は1907年にフランスの神経学者[[ピエール・マリー]]によって初めて言及され<ref name="mariep"/>、また1919年にも別の初期の事例が[[チェコ人]]の研究において報告された<ref>Pick, A. 1919. Über Änderungen des Sprachcharakters als Begleiterscheinung aphasicher Störungen. Zeitschrift für gesamte Neurologie und Psychiatrie, 45, 230–241.</ref> 。同症候群の他の有名な事例には、若い女性アストリッド・Lが[[空襲]]の最中榴散弾により頭部に外傷を負った後に発症したという1941年[[ノルウェー]]における例がある。負傷から快復したかに見えた後、強い[[ドイツ語]]系のように聞こえる訛りが残り、仲間のノルウェー人から遠ざけられるようになった<ref>Monrad-Krohn, G. H. "Dysprosody or Altered 'Melody of Language'." Brain 70 (1947): 405-15.</ref><ref>{{cite web |url=http://www.utdallas.edu/research/FAS/index.html |title=Foreign Accent Syndrome Support |accessdate=October 24, 2013}}</ref>。