「連続写像」の版間の差分

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Frozen-mikan (会話 | 投稿記録)
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=== 点列および有向点族を用いた定義 ===
幾つかの文脈では、空間の位相を{{仮リンク|[[極限点|en|limit points}}]]の言葉で記述するのが便利なことがある。多くの場合には{{仮リンク|列の極限|en|limit of a sequence}}について述べれば十分だが、一部のある意味で大きすぎる空間に対してはより一般の[[有向集合]]で添字付けられた族([[有向点族]]またはネットと呼ばれる)の極限まで考える必要がある。即ち、写像が(ハイネ-)連続となるには、それが列の極限を列の極限へ写すことが必要であり、前者の場合にはこれは十分条件でもあるが、後者の場合には任意の列の極限を保つ写像が連続とならないことが起こり得る。後者の場合にはネットの極限を保つことが必要かつ十分である。
 
詳述すれば、写像 {{math|''f'': ''X'' → ''Y''}} が'''点列連続''' (''sequentially continuous'') であるとは、{{math|''X''}} 内の点列 {{math|(''x''<sub>''n''</sub>)}} が極限点 {{math|''x''}} に収斂するならば像の列 {{math|(''f''(''x''<sub>''n''</sub>))}} が {{math|''f''(''x'')}} に収斂するときに言う。即ち、点列連続写像は「列の極限を保つ」。任意の連続写像は点列連続である。{{math|''X''}} が[[第一可算空間|第一可算]]かつ[[可算選択公理]]を満足するならば、逆もまた成立して任意の点列連続写像は連続になる。特に {{math|''X''}} が距離空間ならば、点列連続性と連続性は同値である。第一可算公理を満足しない空間では点列連続性は連続性よりも真に弱いことが起こり得る(これら二つの性質が同値となるような空間は[[列型空間]]と呼ばれる)。これは一般の位相空間において列の代わりにネットを考える動機を与える。連続写像はネットの極限を保ち、実はこれが連続写像を特徴づける性質である。
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位相空間 {{math|''X''}} から(特に位相を考えない)集合 {{math|''S''}} への写像
: <math>f\colon X \to S</math>
が与えられたとき、{{math|''S''}} 上の{{仮リンク|終位相|en|final topology}}は、{{math|''S''}} の部分集合 {{math|''A''}} が開集合であるということを、{{math|''f''<sup>−1</sup>(''A'')}} が {{math|''X''}} の開集合であることと定めることにより定義される。{{math|''S''}} に予め位相が定められていたとき、{{math|''f''}} がその位相に関して連続となる必要十分条件は、もとの位相が {{math|''S''}} 上の終位相よりも粗いことである。従って、終位相は {{math|''S''}} 上の {{math|''f''}} を連続にする最も細かい位相となる。{{math|''f''}} が[[全射]]のとき、終位相は {{math|''f''}} の定める[[同値関係]]のもとでの{{仮リンク|[[商位相|en|quotient topology}}]]と自然に同一視される。
 
これと双対的に、集合 {{math|''S''}} から位相空間への写像 {{math|''f''}} に対し、{{math|''S''}} 上の{{仮リンク|始位相|en|initial topology}}は、{{math|''S''}} の部分集合 {{math|''A''}} が開集合であることを、{{math|''f''(''A'')}} が {{math|''X''}} の開集合となることと定めることによって定義される。{{math|''S''}} にもともと位相が入っているとき、{{math|''f''}} がその位相に関して連続となる必要十分条件は、その位相が {{math|''S''}} 上の始位相よりも細かいことである。従って、始位相は {{math|''S''}} 上の位相として {{math|''f''}} を連続にする最も粗い位相となる。{{math|''f''}} が[[単射]]のとき {{math|''S''}} を {{math|''X''}} の部分集合と同一視すれば、{{math|''S''}} 上の始位相は {{math|''X''}} から定まる[[相対位相|部分空間としての位相]]と自然に同一視される。